ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 1, 2009
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 いつもの仲間たちで仲良くカルテットの演奏会を聴く。

 ただいま全米ツアー中、知る人ぞ知る去年のパオロ・ボルチアーニ弦楽四重奏コンクールの優勝団体 Bennewitz Quartet。
 この団体名は、実在したチェコのバイオリニスト Antonin Bennewitz に因むのだそう。そんな方、存じなかったけど。

 セカンド奏者が流暢な英語で一曲ごとに解説をしてくれた。



  シューベルト:弦楽四重奏曲イ短調「ロザムンデ」


 21世紀的なハイドン。いくら彼の晩年に近い作品とは言え、ここまで大胆に弾きまくるとは。
 ファーストの音がデカいこのカルテットに適した作品。

 つづいて、これから大流行しそうな作曲家ヤナーチェク(根拠はないけど)。適度に狂気じみた怪演。この曲、やっぱりいい曲だと思う。「存在の耐えられない軽さ」みたいな哲学的な虚無感が漂ってる。

 後半のシューベルトは、1楽章でいきなりノンビブラート。2楽章のロザムンデはあっさり速め。
 とにもかくにも、いろんな表情でシューベルトを斬りまくり。開放弦もガンガン使うし。



 とにかく新鮮な演奏だった。次々とこちらの期待とは異なることを仕掛けてくる。
 彼らの演奏に感心する一方で、こうゆう団体がコンクールで受賞するものなのか、と妙に納得してしまった。つまり、音が大きく、大胆にあの手この手で積極的に攻撃してくるような弾きかた。そして、ふっとオルガンみたいな四声の癒しの和音で客を煙に巻く。

 なんか軽い既視感に襲われたので頑張って思い出してみたら、このベネヴィッツ四重奏団ってば、 去年聴きに行ったパベル・ハース四重奏団 とキャラがかぶってるかも。共通点は、チェコ出身の若手で、しかもチェコ出身の偉人の名を冠してる。

 既に日本で演奏した実績もあるそうで。





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最終更新日  Mar 2, 2009 08:06:51 PM
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