ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 20, 2008
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 このカルテット、団体名が20世紀のチェコの作曲家にちなんでいるらしく。
 僕はこのハースとかいう作曲家を知らなかったけど、今日一緒に聴いたシャーマンとジェイン(←ヲタク)ですら知らないと言うから、取り合えずは勝手にひと安心。

 演奏は圧巻だった。お気に入りの四重奏団がまた増えてしまった。
 個人的にはビオラ弾きの音に感銘。ムラがなく芯のある大きな音。


   プロコフィエフ:四重奏曲1番 h
   スメタナ:四重奏曲1番 e「我が生涯から」


 ハイドンにしては珍しい短調曲。しかも彼の弦楽四重奏曲「五度」と同じくニ短調。「五度」は文字通り五度の下降音型で始まるからそう愛称がついてるわけだけれど、作品42は終楽章が四度の音型で始まる。だから「四度」と呼ぶべきかと。
 ハイドンの曲のなかでもかなり短く簡潔なほうなのに、この四人による演奏はちょっとベッタリしてる感じがした。

 そもそも、この人たち、若いくせして爽やかに弾いてくれない。
 特にファーストの金髪嬢がかなり強引な弾きかたをするので、それを苦手と感じる聴き手もいるに違いなく。ビブラートもウニャウニャかけまくるし、弓も奔放なまでに大胆に上下。
 どちらかというと「通」に評価されそうな類の団体なのかもしれない。クセがありすぎて一般ウケしなさそう。僕も最初は抵抗があった。


 プロコフィエフでもスメタナでも、作曲家及び彼ら四人の哲学や音楽観というものが見事に具現化されていた。

 スメタナなんて、テンポをぐるぐると揺らしまくり。そしてスッと元に戻す。2楽章とかも、踊りの音楽を土臭くも天上の夢想的な響きで聴かせてくれた。

*****

 終演後、奏者たちを囲んでの簡単な懇親会にもちゃっかり参加。
 彼らと実際に話してみると、舞台上での貫禄ぶりとの差に愕然とする。ほんとに若い。お子ちゃま?
 前回のボルチアーニ弦楽四重奏コンクールで優勝して以来、ヨーロッパを中心に世界で大活躍。しかも、公演で訪れた極東の島国がいたく気に入ったご様子。特にビールが、とか言ってるし。

 パベル・ハースという作曲家についてもいろいろと教えてもらった。当然彼らはハースの四重奏曲を録音しているそうで。

 なにはともあれ、強烈な印象の残る演奏会だった。
 Ahoj(じゃ)! と言って彼らと別れた。←唯一知ってるチェコ語。





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最終更新日  Apr 22, 2008 07:17:48 PM
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