ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Feb 6, 2021
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「すこーしも寒くないわ (The cold never bothered me anyway)」

 オケの動画に合わせてのおひとりさま疑似本番、今週はチャイコ1番、第2バイオリンのパートをば。

 この曲は大昔に一度だけ弾いたことがあり、そのときとても楽しく弾けた記憶があって是非いつかまた弾きたいと思い続けて四半世紀。
 今回久しぶりに弾いてみてびっくり。こんな難曲だったとは。とりわけ臨時記号があちこち出没して弾きにくい。セカンドですら難しかったから、ぼくにはファーストは無理そう。高音ばかり出てきて、音もあちこち跳びまくる。

 さて、この曲は題名からして「冬ほにゃらら」だし、作曲したのは北国のお方だし、よってお寒い曲ということになる。おそらくこの曲のLPレコード(←死語)の巨大ジャケット写真は雪の積もった大地の風景とかに違いなく。
 つまり、既にそうゆう先入観を刷り込まれてしまっているぼくらにとって、今さら客観的にこの曲を深読みするのは難しい。
 シベリウスやグリークもそうだけど、例えば、「ここの短調でのトレモロや刻みは北風や吹雪を表してるんですよー」とか、「オーボエやピッコロの不協和音は凍りついた冬景色を演出してるんですよー」とかよく聞くし、そうゆうもんだと思い込まされてきた。

 冷静になってみると、この曲は冬とかどうこう抜きに名曲だと思う。てか、もっと好かれていいはずなのに。
 最初から最後までチャイコ節が炸裂。しつこくこってりした「熱さ」、「暑苦しさ」も健在。人情味かつクセのある旋律とか、ヘミオーラな拍打ちにもしびれる。4楽章のフーガ(難しい!)も緊張感たっぷり。

 ぼく自身、昔は「いやーオレってチャイコはどーも苦手なんだよねー、なんか俗っぽくって、いかにも気合い入ってますってとことか。その点やっぱブラームスは最高だね」などと痩せ我慢して強がってた時期もあったけれど、今では一周まわって、チャイコフスキーを好きと胸を張って言える。


<おまけ:この曲の楽譜で使われてる用語の覚え書き>
 Allegro scherzando giocoso:ジョコーソとは「愉快に」の意。
 Andante lugubre:ルーグブレとは「陰鬱に」の意。





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最終更新日  Feb 7, 2021 04:38:09 AM
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