ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 9, 2021
XML



 先日、ベートーベンのクロイツェル・ソナタを弾いた感想を書いたけれども、「クロイツェル」という名の作品っていろいろ存在してて紛らわしいと思ってたとこたっだので、ちょっと整理してみようかと。


ロドルフ・クロイツェル
 実在のバイオリン奏者/教育家。ドイツ系フランス人で、クレゼールだかとも発音されるみたい。

バイオリン教則本「クロイツェル 」(クロイツェル作)
 上記クロイツェルさんの編んだ教本。42の練習曲。ぼくらバイオリン学習者にとっての聖書。

バイオリン・ソナタ「クロイツェル」 (ベートーベン作)
 上記クロイツェルさんに献呈されたベートーベン作曲のソナタ。ぼくが演奏した感想は ここ

小説「クロイツェル・ソナタ」 (トルストイ作)
 上記のソナタを妻と男が熱演したことで嫉妬する夫を主人公とする小説。

弦楽四重奏曲「クロイツェル・ソナタ」
 上記の小説に影響されて書かれた四重奏曲。妻が殺害される場面とかも音楽で表現。ぼくが演奏した感想は ここ

絵画「クロイツェル・ソナタ」 (プリネ作)
 上記の小説に影響されて描かれた絵(上掲)。よく見るとツッコミどころ多い。

映画「クロイツェル・ソナタ
 上記の小説に影響されて作られた映画(が数作あるみたいだけど、ぼくはひとつも観てない)。


 以上。

 そもそもベートーベンってばもともとは別の人にこのソナタを捧げようと思ってたのに、直前になって献呈相手をクロイツェルさんに変えたらしい。

 肝心のクロイツェルさんご自身はただの善良なバイオリン奏者にすぎなかったのに、別に懇意でもないベートーベンから名指しされたために後世に名を残すことになる。皮肉なことに、彼本人はせっかく自分に捧げられたクロイツェルソナタを一度も弾いたことがないのだとか。

 あと、最後に余談。
 ぼくが思うに、ベートーベンのクロイツェルソナタって、クロイツェル教本に出てくる練習曲みたいな譜面づらに見える。特に第2楽章。こじつけと言われるだろうけど。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  Mar 10, 2021 09:12:07 PM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ピカルディの三度TH

ピカルディの三度TH


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: