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2004年05月28日
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記憶の中の話です。最近はとんとご無沙汰してますのでどう変わっているかわかりません。昨日武蔵野について書いたついでに、そのにおいを求めて、夏目文学を開いてみました。明治後期の東京を様々描いているのが、私にとっての夏目文学の楽しみです。

ですから私の記憶でストップした東京を描きます。地下鉄の早稲田駅を東京女子医大の方面にでると喜久井町です。つまり、夏目坂。このあたりの名家であった漱石の父親が名付けたといわれます。漱石の代になって零落し、今は、漱石誕生の碑が建つのみです。坂は上り続けると抜け弁天の交差点にでて、そのまま新宿歌舞伎町につながりますが、逆に早稲田通りを横切ります。

その前に、「坊ちゃん」の中で、幼い頃、柿を盗みにくる勘太郎ととっくみあいの喧嘩をするシーンで当時の夏目坂を垣間見ることができます。転げ落ちたのはこの辺だろう、などと勝手に想像してみたりします。早稲田通りを東へそのまま行くと矢来町。「彼岸過ぎまで」に雨の日に客に会わない松本という人物の家があったところです。寂しく閑静な住宅街として描かれていますが、南の路地に入るとそれらしい名残を感じ取ることができます。宮城道夫記念館のあたりでしょうか。ここからは、神楽坂になります。北に赤城神社、いっ気に下って麓は神田川、その向こうの高台は、椿山荘、音羽。この辺の風景も度々作品に登場します。

今の季節を描いている作品として「それから」があります。「蟻が座敷に這いだした時期になった」と冒頭にあります。作品の内容としては、厭世的にさせられる点、あまり影響は受けたくないと思うのですが、気持ちはよくわかります。羨ましいと思わないでもないし、そんな生き方が可能ならしてみたいとも思います。その中で、地震が神楽坂で起きます。客観的に身を置こうとする目で地震を描いています。これも漱石ならではと思ったりします。

なぜ漱石を急に思い出したのか私自身分かれませんが。東京の自然を深く愛していたという郷土愛が、作品の中に見られることが私を漱石に魅せられる理由かもしれません。





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最終更新日  2012年04月15日 00時17分22秒
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