東方見雲録

東方見雲録

2024.11.14
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カテゴリ: 政経




ところが、アングロサクソン型資本主義が押し寄せて、第2次世界大戦後、さらには「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称された絶頂期が終わった後に、アメリカから学ばなければならないと、株主資本主義を輸入してきました。これは日本の伝統的な価値観にまったく反するものでした。

ガブリエルさんは親日派です。日本は今、ビジネス面で非常にアメリカナイズされていますが、倫理資本主義について、日本企業との関連性をどのようにご覧になっていますか。

ガブリエル:日本は私のロールモデルとなりました。10年にわたってこれほど頻繁に日本を訪れていなかったなら、私は今のような倫理資本主義の擁護者になっていなかったと思います。

日本に必要なのはリノベーション
1990年代以降、経済ショックが起こり、日本はゆっくりと衰退しているという危機意識が広まっていますが、私は日本とその歴史を見る中で、倫理資本主義的であることは1つの選択肢だと確信しました。アングロサクソン流になろうとすれば、衰退につながります。

日本に必要なのは、リノベーション(刷新)です。リノベーションには常にイノベーションが伴います。現代科学の知見に照らして根本的に現代化することによって、伝統的な慣習による考え方を刷新するのです。

神道や仏教といった宗教をはじめとする知的伝統、ソフトパワーの強み、建築、美学、世界の人々が興味を持つ日本製品、日本企業が生産した製品でなくてもよいのですが、そうした日本らしい要素を活かしてみてはいかがでしょうか。現代の科学や哲学における最高の知的水準まで倫理観を刷新して、次のレベルに引き上げる。さらに、日本の老舗企業のようにいろいろなものと融合させるのです。

私がいつも引き合いに出すのが、京都で花札製造から始まった任天堂の事例です。任天堂は常に新しい環境に適応し、直近の新型コロナウイルスによるパンデミックで大復活を遂げました。ロックダウンのときにはみんながゲームをしたので、勝ち組企業となったのです。


・・・・
名和:私は現在、京都先端科学大学のビジネススクールで教えていますが、京都は日本の知力の中心地だと思います。日立の東原敏昭会長やNTTの澤田純会長なども京都の大学をよく訪れ、京都は優秀な実務家と教育機関の集積地となっていますが、政府から離れています。政府も倫理資本主義において何らかの役割を果たすべきだと思いますか。

ガブリエル:もちろん、そこには政府も必要です。現実の倫理資本主義では、経済界は自ら組織化し、規制緩和の条件を整備する際に政府を支援します。そのためには新しいビジネスモデルが求められ、私たちが今行っていることを抜本的に改革しなくてはなりません。また、政府を説得し、民主的な行動領域に目を向けてもらいます。

なぜかというと、民主主義国家では、国民的議論、政党政治、議会政治などあらゆるものを通じて、民主主義のあり方、理想的には、等しく優れた選択肢の範囲を定義するからです。私たちは、邪悪な選択肢を除外し、良い選択肢の中から国民に決めてもらいたいと思っています。たとえば、拷問の導入は政治的な選択肢ではなく、除外すべきものです。

民主的な意思決定は構造化された場で行われます。 倫理資本主義がそうした場を形成するのであれば、政府はアップレギュレーションを通じてそれを支援できます。なぜなら、良い政府は良い法律をつくることに携わるからです。

政府の仕事は、法律を破壊したり、悪法を作ったりすることではありません。政府が良い法律を作るためには情報が必要です。政策立案者は正確には専門家である必要はないのですが、彼らが十分な情報に基づいて意思決定できるように、どのような可能性があるかを伝える専門家が必要です。

これは単なるトップダウンではなく、循環型の構造をとると、私は考えています。企業からボトムアップで統治機構に情報を提供し、そこから経済界に情報をフィードバックされることもあれば、トップに実業界が来ることもあります。なぜなら、政府は税収なしに何もできないからです。経済は政治の中にあり、政治は経済の中にあるのです。

引用サイト: こちら

関連日記:2024.10.19の日記  その1   こちら
関連日記:2024.11.14の日記  その2   こちら





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Last updated  2024.11.14 18:47:24
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