東方見雲録

東方見雲録

2026.03.09
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カテゴリ: ランドスケープ





隅田川からの東京スカイツリーの眺め。東武伊勢崎線の付近より。(東京都台東区・墨田区)
引用サイト: こちら


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東京スカイツリー







このタワーは、外周部の「塔体」と呼ばれる鉄骨造の構造物本体と、中央部に設けた鉄筋コンクリート造の「心柱(しんばしら)」と呼ぶ円筒状の構造体の2種の要素から成る、ハイブリッド(異種要素の組み合わせ)構造となっています。この2つの構造要素は基本的に切り離され、中央部の心柱が「おもり」として働く、新しい制振システムが考え出されました。強い地震や強風時には、「おもり」となる心柱が構造物本体とはタイミングが微妙にずれて振動することで、塔体とおもりの揺れを相殺させ、構造物全体の揺れが低減します。「質量付加機構」の原理に基づいて現代の建築技術を駆使した独自のシステムです。
 「心柱」制振機構という名前は、日本の伝統建築である五重塔に代表される仏塔の中心にある「心柱」に由来しています。木造の五重塔がゆれを抑える仕組みについては未だ明らかになっていませんが、「塔の中心に柱が位置する」という形が似ていることから、古人の知恵に深く敬意を表して「心柱」という名称をつけました。


これ見よがしの造形であってはならない。しかし美しくなければならない。このような模索の中で、まるで深い霧中で見つけた遠くの灯台の光のように導いてくれたのが、日本古来の「そり・むくり」という美意識でした。 

 伊勢神宮の内宮・外宮の美しい茅葺屋根は、微かなふくらみを持っています。また京都迎賓館の屋根でも同様のふくらみを持たせています。これが「むくり」です。一方、伝統建築の寺院の屋根には「そり」が付けられています。日本刀でも両側に同時に現れる「そり・むくり」で美しい形が生み出されています。「そり・むくり」は日本に古来伝わっている美意識なのです。

 人間の視覚には、意識にのぼらないような深い奥底で形を感じ取る不思議な能力があります。古代ギリシャ建築や法隆寺中門・回廊などの柱には、エンタシスと呼ばれる、微かで緩やかな「ふくらみ」が付けられています。これは、視覚の深い奥底をも考慮されて生み出された造形であり、東京スカイツリーに現れる「そり・むくり」も、エンタシスと同様の微かな現れ方をしています。


色彩においても日本の美意識が反映されています。常盤色(ときわいろ)や萌黄色(もえぎいろ)など、日本には「伝統色」と呼ばれる繊細な色彩があります。東京スカイツリーが纏っている色は、最も薄い藍染の色である「藍白(あいじろ)」をベースにつくり出されたオリジナルカラーで、「スカイツリーホワイト」と名付けられています。

 東京スカイツリーの「形」と「色」を、日本古来の美意識に根差したものから導いて下さったのは、タワーデザイン・カラーデザイン監修者である、元東京芸術大学学長で名誉教授・顧問の澄川喜一先生でした。
こちら


関連サイト:東京スカイツリー®のつくり方 大公開!  大林組   こちら
高さ634mにつながる地中「+50m」:ナックル・ウォール工法
早く効率的に建てる:ハイブリッド地下工法
タワークレーンの風対策:「旋回アシスト」と「あおり防止措置」
3本脚を地上50mで一体化

未知の高さを解決する切り札:ゲイン塔のリフトアップ工法
狭い空間と限られた時間で心柱をつくる:システマチックに構築するスリップフォーム工法



関連サイト:1300年前の技術が支える東京スカイツリー こちら





関連日記:2023.06.29の日記  スカイツリー監修 彫刻家の澄川喜一さん   こちら





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Last updated  2026.07.21 05:25:57
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