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October 3, 2007
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カテゴリ: 思わず納得!

私のところのゼミ生で「代理出産」を卒論のテーマにしているのがいるので、私も少し知識を仕入れようと、そういう方面の研究をされている同僚の先生からビデオを借りて、代理出産についてのドキュメンタリーを見てしまいました。

そしたら、これが結構面白かった。

何らかの問題があって、夫の方に不妊の原因がある場合、精子提供者(ドナー)の精子を借りて妻が出産するという形での代理出産というのは、もう100年近い歴史があるんですってね。特に第二次大戦での怪我が原因で不能になってしまった帰還兵の夫婦などが、そういう選択をするケースが多く、現在ではそういう形で生まれた人の数が100万人を越えているのだとか。

ところで、自分が代理出産で生まれたことを知った人の中には、ひどいショックを受ける人もいるようで、またそのショックを克服した後でも、自分の本当の父親が誰なのか知りたいと思う人も多いらしい。

しかし、もともとドナーは「匿名」であることが決められているので、そう簡単には特定できないわけですよ。

が、今はインターネット社会ですからね。ネットを使ってアメリカだけでなく、世界に向かって呼びかけると、同じような境遇で同じような悩みを抱える人がすぐに応答してくるんですって。

で、そんな風にネットを通じて互いの境遇について打ち明けあっているうちに、「あれ、君も僕と同じ病院で生まれたの?」みたいなケースが出てくる。

で、DNA鑑定してもらったら、父親が同じであることが分かったりする。つまり同一ドナーの精子で生まれていたわけですな。実際、代理出産という制度が合法であるアメリカ(の諸州)では、同じドナーを父親に持つ兄弟姉妹が、そうとは知らずに同じ町に住んでいた、なんてことがあるわけですよ。

ひゃー!



でもね、そういう形で精子を提供するとなると、ある日突然、見知らぬ人が尋ねてきて「お父さん!」なんて呼ばれることにもなる。それが嫌なので、匿名性が保てないならばドナーにならないという人は多く、スイスなどではこの制度を導入した途端、ドナーの数が10分の1になってしまったのだとか。それでも、今後はドナーの匿名性は崩れる方向に進みそうなのだそうです。現に、今や公開OKのドナーの精子は、アメリカでも大歓迎されているのだとか。

・・・ということは、その少数の「公開OKドナー」の精子がアメリカ中、いや世界中のあちらこちらで使われるわけですから、今後ますます、同じDNAを持った兄弟姉妹が増えるということになるわけでして、父親が同じ男女が、知らずに結婚してしまうなんてことも、あり得ないことではないのだとか。

実際、代理出産で生まれた人たちの共通の悩みは、町で自分と似た人を見かけることなんだそうですよ。その都度、「ひょっとしてあの人、私の兄弟姉妹なのでは?」という疑念がよぎって、ギョッとするのだそうです。

ちなみに、日本のことに目を向けると、戦後間もなく、日本で一番最初に代理出産に取り組んだのは、慶應大学の医学部だそうで、当時のドナーはほぼ全員、慶應医学部の医学生だったそうです。ま、頭のいいお子さんがあちこちで生まれたのですかねえ・・・。

とまあ色々ありましたけど、私はこのドキュメンタリーを見て、代理出産というのは、不妊に悩む夫婦を救う唯一の手段でもあり、しかしその一方で問題点も多い制度でもあり、光と陰の両面のある現代的なトピックなんだなーと痛感したのでありました。今後、私のゼミ生が、卒論を通じてこの問題にどのような見解を示すのか、楽しみではありますね。





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Last updated  October 3, 2007 09:38:08 PM
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Re:代理出産をめぐるあれこれ(10/03)  
Lacie  さん
なるほど~。私ももしも自分たちが不妊だったらどういう選択をするだろうか、と考えることが多かったので、興味深いお話でした。

もし夫がドナーになって、あちらこちらから「夫の子」が現れるのはどんな感じでしょうね。すごいなぁ。彼らが訪ねて来ることを歓迎してあげられなくては引き受けられませんね。

代理出産の疑問があるのですが、精子が夫以外のものでも、妻が妊娠をして出産をすれば夫婦の子になるのに、精子卵子ともに夫婦のものなのに別の子宮で育って出産すると夫婦の子として認められないのですよね。高田向井夫妻のように。私から見ると不思議なおかしなどうも納得いかない感じがするのですが。 (October 4, 2007 07:54:53 AM)

Re[1]:代理出産をめぐるあれこれ(10/03)  
釈迦楽  さん
Lacieさん

上で述べたタイプの代理出産(AIDと言います)の他に、高田向井夫妻タイプの代理出産、つまり、両親のDNAを受けた受精卵を、赤の他人の子宮に着床させて代理出産してもらうタイプの代理出産についてもドキュメンタリーを見たのですが、これはこれで問題があるようでして・・・。

要するにお金に困った女性が、ビジネスとして引き受けてしまうケースがあって、これが一種の「性を売る」行為ではないのか、ということなんですね。その他、妊娠している間に情が移って、親権を主張する「代理母」が出てきてしまうことも多く、裁判沙汰になったりして、これがまた問題なんですな。

しかしその一方、困っている人の役に立ちたい、という一念で代理母を買って出る人が圧倒的多数で、それゆえに一応は成り立っている制度であるようです。

アメリカで代理出産が合法な州では、今、代理母斡旋業がものすごい勢いで増えているようですが、上に述べたような理由から批判も多く、大半が目立たない町外れの自宅オフィスでの開業となっているようですよ。 (October 4, 2007 09:22:06 AM)

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