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釈迦楽

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June 7, 2011
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 最終回では、なべさんがこよなく愛する日本犬のことをつづっているのですが、それはこんな調子です。


 (前略)だが、洋犬だろうが日本犬だろうが、1匹1匹全て性質が異なるのだ。必死になって、自分らしさを失うまいと生きている。しかも、そうしてかたくなに生きているのを主人に悟られまいと頑張っているのだ。これは強い我慢が必要なはずだ。いかにも飼いならされているように暮らしながら、肝心なところは少しの妥協もしない。
 日本犬は、意固地なくらい主人一辺倒の忠義で生きる。一度、自分が主人と決めたならば、終生不変の心がうれしい。
 家庭内にあっても、主人と家人の違いははっきりしている。例えば、我が家に何人もの客が来たとする。それを庭から見守っていても、我が家の秋田犬ゴジとロクは、私一人を目で追っている。時々、客に頭をなでられたりするが、喜んではいない。あまりしつこいと、「ウーッ!」まである。それで私に、頭をゴツンとやられたりする。人にこびるのが、とにかく苦手なのだ。
 洋犬との大きな違いはこれだ。飼って楽しいのは、甘え方の上手な洋犬かもしれない。でも、愛想を振りまけない日本犬が、私はとてつもなく好きだ。
 秋田犬、紀州犬、柴犬、甲斐犬などの和犬は、道で会っても、うれしそうになどしてくれない。度々会っていて、心を許してくれているのはわかるのだが、表現はできない。できてはならぬと必死で自分を押し止めているのだ。それが主人への大忠誠なのだから。他人の犬でもうれしいね。
 家の中に居る私を目の端に留め、庭でゴロンと2匹の秋田犬が横になっている。スズメの夫婦が、抜け毛をくわえて巣へと運んでいる。2匹は細目で見つつ、これを容認している。だが全神経は、私にあるのだ。(終)





 なべおさみさんというと、喜劇系の脇役俳優、それも最近ではテレビではなく舞台の方に活動の中心を移された方、という程度の(といっては失礼ですが・・・)認識だったのですが、今回、「交遊録」の4回の連載を読んできて、その非凡なる文才に仰天しました。こういう文章ってのは、よほどの文才がないと書けないですよ。それから、犬に対する並外れた愛情ね。この二つが相まって、こういう文章に結実したのでしょう。

 ということで、私、見直しましたよ、なべさんのことを。


 ま、これはたまたま、なべさんのことを取り上げたのですが、なべさんに限らず、人間、どういうチャンスでどう見直されるか、分からないもんですな。もちろん、逆に、妙なチャンスで見下げられることもあるだろうし。そういうことを思えば、逆境にあって絶望せず、順境にあっておごらず、ということを心掛けなければなりませんね。





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Last updated  June 8, 2011 01:19:44 AM コメントを書く
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
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