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May 29, 2015

　先週、親族の葬儀があったばかりということもあり、またご当人と私がほぼ同世代ということもあり、俳優の今井雅之さんの衝撃の闘病報道、そしてそれからさほど間もない昨日の逝去の報道は、案外大きなショックでしたねえ。これまで私は特に今井さんのファンだったということもないのですが。

　ほとんど別人にすら見えたあの痩せ方、そして、それにもかかわらずの舞台への執念。あれだけもっと生きたい、もっと仕事をしたいと思っていた人が、その願いも空しく病に斃れるというのは、当人の無念さを思うと何とも言えないね。

　癌というのは怖ろしいな。と同時に、それと最後まで戦った人ってのは、何だかもう人間のレベルを越えて神々しいような美しさがありますね。それを美しさと言っていいのか分からないけれども。

　で、つい今井さんに関する報道をあれこれ読んだり、今井さんのブログを読んだりしてしまうのですけど、昨年の暮れごろのブログで、通院と体力温存のために年末だというのに酒も飲まず、騒ぎもせず、「おじいちゃんのような生活」をしています、という報告をしていて、それに続いて「ただ、晴れの日に朝一番で浴びる太陽はほんまにほんまに『生きてる』っていう感じがします。俺はやっぱり宇宙の一部なんだなと五感を通し感じられる瞬間です。人間はこの太陽のエネルギーを受けながらこうして進化してきたんだなと思う今日この頃です」と書いておられるところがある。

　うーん・・・。

　５４年生きてきて、その中で色々なことがあって、今癌と闘っていて、そしてその末にこの悟りを得た。で、想像するに、この悟りってのは、今井さんにとって、本当にリアルな実感だったんだろうな、と。

　だとすれば、今井さんは亡くなったとしても、別な形で宇宙の一部に戻っただけなのかもね。

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