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森の中の海

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2006.01.15
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カテゴリ: カナダライフ
映画を見てきた。

トルーマン・カポーティを描いた,「Capote」。


カポーティといえば,オードリー・ヘプバーンで有名な「ティファニーで朝食を」の原作者。


表題の映画は,彼の作家人生最後の小説であり,史上初といわれているノンフィクション小説「冷血」にまつわる話を描いたもの。


「冷血」は,カンザスで起こった,4人一家惨殺事件を起こした2人組の話で,一方の男,ペリーに焦点を当てて物語は展開されている。


IQ215とも言われているカポーティ,映画の中では,一度読んだ本をすぐにそらんじてみせたりしていた。  


知能にすぐれ,話術にたけていたけれど,奇癖もたくさんあったよう。


きらびやかな私生活,一風変わった人柄,成功と栄光の陰には,「冷血」を書くために綿密に取材を重ねた,小説の主人公でもある殺人犯ペリーとの交流から浮かび上がる,暗さと悲しみとがあったようだよ。


かたや社会の成功者,かたや社会の風紀を乱すもの。





うん。  そういうの,すごくわかる。


「冷血」以降,もう一作を書いたものの未完に終わり,酒とドラッグにおぼれた後80年代に死去。



映画の終わり方を見る限り,彼が以後の創作意欲をそがれたのは,ペリーの最後を見届けたことで,ものすごく傷ついたからだったようだ。



殺人犯のペリーも,傷を抱えながらの人生だったよう。



だからと言って,奇癖を披露したり,殺人を犯したりしていいというのではないけれど,それぞれが求めていたものって,「普通に」暮らしている人達と変わらなかったんじゃないかなぁと思った。


友情とか,愛情とか,尊厳とか。



繊細であるがために,糸が切れてしまう瞬間があるのだな。


そういう人達は,何をきっかけにしてまた,光のほうに顔を向けることができるようになるのだろう?


「冷血」の主人公になったペリーのように,死刑が決定してしまったりしたら,来世に持ち越されるのかな?


死を上がりと見立てたら,与えられてしまったものだとはいえ,先に逝くことができたペリーは成功者で,永らえつつ恥をさらすことになったカポーティは敗者。


結局,カポーティとペリーは,どこまで行ってもメビウスの輪のように「裏と表」なんだと感じた。








人生って不思議だ。







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Last updated  2006.01.15 14:05:03
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