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イスラム国に拉致された日本人人質問題が
ヨルダンで死刑囚にあるイスラム国人物との人質交換問題に
すり替わり、日本・ヨルダン・イスラム国間の
対応が世界的に取りざたされている。
ヨルダンは、イスラム国の跋扈するシリアの隣国であり、
イスラム国からの自爆テロを受けており、
対イスラム国戦線に加わっている。
ヨルダンから空爆に向かったパイロットが墜落し捕虜となっていて、
人質交換なら、自国のパイロットとの交換が道義的に先行すべき
とヨルダン政府は主張している。
しかしながら、イスラム国は死刑囚と日本人(一人は殺害)の交換のみを
提示し、ヨルダン政府を説得するように日本政府を脅迫し続けている。
捕虜パイロットはヨルダンの有力部族の出身であり、
ヨルダン政府は情報が錯綜しているなか、パイロットの生存確認と、
解放を条件に、死刑囚を解放するとしている。
★
紛争・戦闘行為にある他国の土地に第三国人が入ることが
如何に危険であるかに世界は愕きを持って見守っている。
戦闘行為国が拉致・人質とした第三国人の無事解放を
善意をもって、行えるかに、世界が注視している。
そのうちのヨルダン王国とはどのような国かを、
呆けなりに、Webから纏めてみたい。
・・・
ヨルダン王国は
小国であるが、
嘗ては、聖地メッカの太守・ハシミテ家の
名門の血筋である。
正統カリフと予言者の娘の血筋にあるとし、
全アラブ王の野望を持った先王もいた。
西洋諸国のアラブ支配戦略の下で
他の王家との紛争に巻き込まれながら、
複雑な歴史を歩んできた王国である。
★
ハシミテ家
の略史
・・・詳しくはWIKIPEDIAなどをご覧下さい。
項目補足 (聖地、世界遺産) |
ヨルダン地方 ペトラ遺跡、アムラ城、ラサス地域遺跡、ワディ・ラム保護地域 |
ヒジャス地方 アラビア半島の紅海沿岸を指し、メッカ、メディナの二大聖地がある |
イラク地方 ハトラー、アッシュール、サーマッラー、アルビールの要塞が文化遺産 |
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歴史 |
イスラム教始祖ムハンマドの娘が、教祖の甥・従兄弟のアリと結婚。 (アリは661年に暗殺されたが、彼を指導者と仰ぐ者達が シーア派 を興した。) ムハンマド直系の子孫は第一次世界大戦まで メッカ の太守であった。 太守・フセインはヒジャス(紅海沿岸部)王でありアラブ民族の王として混乱期に君臨、長男アリをヒジャス王、次男アブダッラーをヨルダン国王、三男ファイサルをイラク国王に即位させた。 |
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三国分立支配 |
次男・アブダッラーはヨルダン地方の王となり、 「 トランス・ヨルダン王国 」と命名、初代王に即位。 |
長男アリが引き継いだが、半島中部から勃興した、 サウド家(=サウジアラビア王国)に1925年に制圧され 、ヒジャス王国は消滅した。 |
三男・ファイサルがイラク王国の国王となったが、 孫の代で民族運動のクーデターで1958年に処刑され、イラク王国は40年足らずで崩壊した。 |
二国は消滅 |
他の二国が倒された後、国名を「 ヨルダン・ハシミテ王国 」に改名、由緒ある「ハシミテ」の家名を刻んだ。 |
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先代王 |
アブダッラーの孫・フセイン第三代国王(17歳で即位。統治1952-1999)の間には、ヨルダン川西岸をイスラエルに占領され、パレスチナ難民を多数抱えた。ヨルダン国民の7割はパレスチナ人である。超人的な外交・内政統治能力で持ちこたえた。 |
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王権委譲までの経緯 |
弟・ハッサン王子を皇太子に定め、病床伏した1998年から国王代理を務めさせ米国での療養生活に入った。 1962年に生まれた長男・アブダッラー二世 が成年になっており、国王は死期を悟り、翌年に米国からベッドに寝たまま帰国して、皇太子を弟から長男に交替させる勅令を出して、とんぼ返りし、逝去した。 |
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現王権 |
第四代新国王派とハッサン前皇太子には確執もなく、王位継承された。 アブドッラー二世 イブン・アル・フセイン国王陛下(52歳) の男兄弟は4人で、次弟・ハムザ王子が皇太子。 英国王立軍事学校、米国大学卒。 王妃はパレスチナ人、クゥェート育ち、銀行勤務歴、慈善活動、市民活動に熱心。 |
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経済力など |
面積8.9万平方km(日本の1/4)、人口6.5百万人の小国。人口の約7割がパレスチナ系住民。高失業率、貧困率。 2013年GNIは319.7億ドル(US$.)一人当たりGNIは4,950ドル. 輸出79.3億ドル、輸入194.4億ドル、貿易収支▲115.1億ドル(2013年)。天然資源は燐鉱石を僅かに産出。無償援助頼みで、サダム・フセイン時代はイラクからの石油に依存し、湾岸戦争時でのフセイン応援で海外非難を受けて出稼外貨収入は細っている。 <対米関係など: 米国などの経済援助を受けながら、対局のイラクからも石油支援を受けた方策は現在にはなくなっている。 他方で、アラブの春が失敗したことで、アラブ諸国に、米国のような完全な個人民主主義を認めるのは必ずしも安定をもたらさないことも米国には判ってきている。 イスラエル脅威の排除、米国主導の石油・天然ガス安定供給が米国本来の目的であり、中東政策が変化する転機かも知れない。> <現在のヨルダンの宗教はスンニ派92%、キリスト教6%、シーア派・ドルーズ派2%である。> |
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主要援助国 |
UAE,米国、サウジアラビア、クウェート、EU |
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日本との関係 |
・国交樹立1954年 ・ 皇室と王室間の伝統的友好関係など極めて良好。アブドッラー国王陛下は訪日10回の親日家。 ・貿易・・対日輸出71億円、対日輸入291億円(2013年) |
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日本の援助実績 (2012年まで累積) |
・有償資金協力2167億円 ・無償資金協力686億円 ・技術協力 313億円 |
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世界遺産 |
・ペトラ遺跡・・・切り立つ、ピンク色の岸壁を削り、他に類を見ない交易(絹、香辛料など)都市を建設。幅30m、高さ43mの王墳墓が際だつ。 ・その他:アムラ城、ラサス地域遺跡、ワディ・ラム保護地域 |
<資料出所:WIKIPEDIAなどWeb資料>
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参考:ヨルダン世界遺産の地図
「渡航是非検討地域」:シリア、イラク国境地帯
「十分注意地域」:上記以外の全土
<資料:ワールド航空サービスの「ペトラ遺跡とヨルダン王国の旅」から>
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最後に、イスラム国に拉致・人質にされている日本人民間報道員の無事なる釈放を
心から祈ります。
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