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2008.02.12
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カテゴリ: 本の本
ランダム読書日記 「ヨーロッパ 本と書店の物語」 

小田光雄 (おだ みつお)

平凡社新書 225頁 ¥760 2004.7.15 初版第1刷 発行

[目次] 

1 書物と書店の出現
2 行商本屋の巡回
3 ゲーテとイタリアの書店
4 貸本屋の登場

6 古本屋の位置
7 三文文士の肖像
8 キオスク書店の開店
9 ドイツの出版社と書店
10 オデオン通りの「本の友書店」
11 シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店
12 ディドロを再考する

あとがき
主要参考文献

[内容]
グーテンベルクによる印刷技術の発明以前の書物の読者


十二世紀末の大学の出現が、学者・教師・学生という新しい
読者層を生み出した。さらに十三世紀末になると市民階級が
読者に加わった。

十五世紀から十六世紀にかけてヨーロッパ各地の都市に
書店が開業した。また地方では行商人による書物の巡回販売


1605年スペインのマドリッドで出版されたセルバンテスの
「ドン・キホーテ」が、出版業界の立ち上がり、ダンテの時代と
異なる近代小説の読者の出現を告げるものであった。

書物は高価だったので、十九世紀になると貸本屋が出現した。
読者層が拡大して、書物の大量生産が始まり、凡庸な小説が
多産されるようにもなる。

出版者として、印刷業者として、活字鋳造所の経営者として、
三度も破産したバルザック。
「私のこの本は決して世に出ることはないでしょう」と出版の
引受け手がない原稿をかかえて意気消沈していたジェイムズ・
ジョイス。
1919年パリに英語文学書の販売と貸出しをおこなう
シェイクスピア・アンド・カンパニーが開店し、アメリカから来た
無名時代のヘミングウエイも会員となった。会員登録の金も
なかったが。

「感想」

作家と出版者との駆け引きが、書物の商業出版が広まった
19世紀初めからすでに苛酷であったということに驚きました。

今でも
HPサイトは豪華だが行ってみるとビルの一室で表札も出さずに
経営している出版社。
催促しても言を左右にして一向に印税を支払おうとしない出版社。
企画した百科辞典が売れ行き不振で、印税はおろか提出した写真
や資料まで差押さえられたのか返してこない出版社。
随筆賞などに応募させて、あなたの文章は感服した、他に作品が
あればぜひ出版させてくれと多額の見積書を送ってくる自費出版社。
などがあるから、ご用心ご要心。

[頁のかけら] 

○ 「私たちが人生を賭けていることも。幾晩も呻吟し、思想
の世界をさまよい、自分の血を流して築き上げた労作で
あっても、出版者にとってすべては儲かるか、儲からないかの
問題にすぎないのだ。書店で君の原稿が売れるかどうか、
これが唯一の問題なのだ」

○「もっとはっきりいえば、本当の意味で「読書」をする大衆という
ものが実に少数であることが分かろう。たとえ書籍の印刷が中止
になったところで少しも痛痒を感じない大衆は実におびただしい
のだ。われわれの研究意欲をそそる学問的著述の広告も、実は
英語国民の中にちらばっている、わずか数千人に向かって書かれ
ているにすぎない。どんな貴重な書物でもその多くのものは長い
時間をかけてやっとわずかその数百部がはけるにすぎない」
          ジョージ・ギッシング「ヘンリ・ライクロフトの私記」
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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.2.12 No.71)






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Last updated  2008.02.14 02:11:32
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