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2008.02.21
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カテゴリ: 人生と思想
ランダム読書日記 「世界の教科書は日本をどう教えているか」 

別技篤彦 (べつき あつひこ) (19xxx-xxx-xxxxx)

朝日文庫 270頁 ¥680 1999.9.1 初版第1刷 発行

[目次] 

序章 子どもと教科書
第1章 世界の教科書にみる日本記述の変遷の概要
第2章 各国別にみた日本記述の具体例(1)
第3章 各国別にみた日本記述の具体例(2)

第5章 国を教えるとは何か

あとがき
解説 村上義雄

[内容]

世界の26か国以上について、日本を教科書でどのように
教えているかを具体的に示しています。

広島・長崎の原爆投下についても、アメリカ、旧西ドイツ、
オーストリアなどでどのように異なる記述になっているかが
示されています。オーストリアの「高校用国語教科書(2)」
に載ったカール・ブルクナー「サダコは生きていたい」は

これだけの文章が書けるのだという良文です。

「感想」

多量の情報が瞬時に行き交う時代になっても、他国の歴史や
現況を正しく理解すること、正しく理解してもらうことがどんなに
難しいことかと感じさせられます。


オーストラリアなどの教科書は、日本の現状をかなり正確に伝え
ています。
とくにフランスでは、自国の教科書が世界を興味深く正しく教えて
いるかどうかを再検討すると記述していて、
日本もぜひともその姿勢を見習うべきと著者は指摘しています。

誤った記述をしてい国の教科書は、(1)古い教科書を参考にして
そのまま伝えているための時代錯誤が含まれている(アイルランド
、カナダ)、(2)資料にもとづく検証が少なく、先入観をもって記述さ
れている(アメリカ、ポルトガル)、(3)国家や時の政権の政略・戦略
のために敢えて真相を伝えず自国に有利な捏造や誇張したもの
(中国、韓国、旧東ドイツ、旧ソ連)に分けられます。

日本の社会科教科書は活字がいたずらに大きく頁数も限られ、
事実がただ羅列された無味乾燥なものであるのにくらべて、
欧州や米国の教科書は読みやすく学生に興味深いものになっていると、
著者はたびたび本の中で嘆いています。
私もまったく同感です。学生を勉強嫌いにしている原因のひとつは
教科書だと今でも思います。

[頁のかけら] 

○ 「当時の時間の経過を調べるとアメリカ側の公式の説明
には疑問がある。(原爆)投下以前に米ソとも日本の求めた
降伏のための接触を無視したのである。したがってこの投下
はまったく無意味な手段であった。その目的はただ新兵器の
威力の実験を、他国(とくにソ連)への示威のためであった。」
                 西ドイツの教科書(1970)
トンデモ誤解集:

○「日本人が入浴を好む風習は、家屋のなかに冬は火鉢以外
には体を温めるものが何もないことから発達したものである。
                  アメリカ(1971)

○「(日本の)家庭では食料が不足のため、残り物も料理に使
わざるをえなくなった。果物の皮から菓子を作る方法、魚の
しっぽの料理法などが新聞の家庭欄に載る。電力も不足しがち
で午前八時から午後六時までは停電である。水道の給水も
朝夕三時間だけに限られる」  カナダ(1975)
                (終戦直後じゃァあるまいし)

○「ロシア革命に刺激された労働者、学生などの被圧迫大衆は反抗
して空前の大規模な民衆蜂起としての「米騒動」を起こすに至った」
その参加者は「一千万人、全国の三分の二に及んだ」
                        中国()
実際には、米騒動の参加者は70万人。

○中国の教科書では、天草四郎や大塩平八郎らは不公平な政治
経済に対して立ち上がった英雄とされている。また奴隷制に反対
したローマのスパルタクスが古代最高の英雄とされる。いっぽうでは
日本侵略の「元寇」については自国ではなく兄弟民族であった
モンゴル人によるものとしている。
(実際には、侵略軍の大半は江南出身の漢族で、残りの多くは朝鮮
高麗人だったということです)

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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.2.21 No.72)







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Last updated  2008.02.24 16:59:27
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