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2008.07.22
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カテゴリ: 文学
ランダム読書日記 「座右の名文」  
高島俊男 (たかしま としお)

文春新書 223頁 ¥730 2007.5.20 初版第1刷 発行
副題 「ぼくの好きな十人の文章家」

[目次] 

まえがき

新井白石    自分の優秀さをみずから書きのこした大秀才
本居宣長    神がかり的でもあり合理的でもあり

内藤湖南    日本初の大学出でない大学教授
夏目漱石    「坊ちゃん」は「探偵・恋愛小説」である
幸田露伴    俳諧の注釈にすごみをみせた稀代の博識
津田左右吉   処世のへたな独歩の人
柳田國男    「遠野物語」をめぐる二つの立場
寺田寅彦    「仙骨」を帯びた漱石門下の異才
斎藤茂吉    にじみ出てくる可笑しみ

あとがき

[内容]

書題には「名文」の文字があるので、文章読本のようなものか
と思って買いましたが、文章の話しはさらになく、十人の人物評でした。

面白い。著者が一杯しゃべったのを、ある編集者が泣き泣き(?)
編集したものということで、テンポも軽く読みやすい。

[感想]

とくに「ヘえー」と思ったのは、新井白石と森鴎外でした。
白石は日本人で最初に自伝を書いた人だそうです。


白石は屋久島で捕まって配送されてきたイタリア人ヨハン・シドッチ
を直接に尋問した。聞きただしたことは三つありました。
第一は、どういうしだいで日本にやってきたのかということ。
第二は、地球上のさまざまな地域に、どんな国があるかということ。
第三は、キリスト教とはどんな信仰であるかということ。
シドッチは白石を評して「世界には五百年に一人くらいこういう
すぐれた人物があらわれるものだ」と言ったということです。

第一と第二については、相当こみいった内容を聞き取ったようです。
さすがの白石も第三はお手上げだったようです。もし白石が浄土宗
か浄土真宗の熱心な門徒だったら、きっと共通点をみつけることが
できて驚いたことでしょうに。

[頁のかけら] 

○役所から帰ると子どもたちと遊。学校の勉強を手つだってやる。
  散歩につれだしてやる。縁日を見せてやる。便所につきそう。

 「アンヌコや、パッパコ、アンヌコや」
こんな事を呟きながら、父は私の恐怖が解っていてくれるやうに、
直ぐ電気をつけた。       
                      鴎外の娘 杏奴「晩年の父」

○外国語を書くのに、白石はカタカナをつかっている。現代の
わたしたちとおなじ書きかただ。明治以降に一般的になった
表記法だが、白石はこれを『西洋記聞』で実践している。

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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.7.22 No.89)






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Last updated  2008.07.23 06:57:17
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