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2008.07.25
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カテゴリ: 人生と思想
ランダム読書日記 「銀文字聖書の謎」  
小塩節 (おしお たかし)

新潮選書 211頁 ¥1200 2008.2.20 初版第1刷 発行

[目次] 

プロローグ 銀文字聖書との出会い

I. ゲルマン語聖書の誕生
 ドナウ河のほとりで
 ゴートの司教ウルフィラ
 ドナウ河南岸への脱出


II 「神」の発見
 「グス」ということば
 主の祈り

III 銀文字聖書、一二〇〇年の旅
 ゴート語訳原本と民族大移動
 ハンガリーでの発掘
 ヴェルデンの修道院での発掘-一六世紀半ば
 カール大帝
 プラハからスウェーデンへ

IV ことばあれこれ-ヨーロッパの普遍と多様



年表
参考文献

[内容]

ギリシャ人やローマ人が「バルバロイ(蛮族)」と呼んだ北方の民-
長身で金髪、碧眼のゲルマン人-のなかで、三、四世紀のころに

地上にゴート族はいない。ゲルマン民族大移動の騒乱のなかで、
虐殺されて地上から姿を消した。ゴート的という意味の「ゴシック」
の語と、ゲルマン民族唯一の言語文献としての「銀文字聖書」を
残して。

聖書をゴート語に訳したのは、現在のルーマニアに生まれ、通訳、
外交官から司教となったウルフィラWulfila(311-383)でした。
天賦の語学の才に恵まれた彼は、文字をもたないゲルマン民族
のなかではじめてゴート文字を創り、それを基にして旧約・新約聖書
の全巻をゴート語に翻訳した。それは平穏な書斎や修道院の部屋で
行われたものではなく、苛酷なキリスト教迫害と民族の大移動の
さなかに続けられ完成されました。

本書はこの「銀文字聖書」がスウェーデンのウプサラ大学の図書館
から盗まれた話しから始まり、その成り立ちから1600年後の今日
まで保存され伝えられてきた波瀾の経過について、ヨーロッパの
歴史を背景にわかりやすく説明しています。

[感想]

現在の聖書がこの銀文字聖書に大きな影響を受けていることを
はじめて知りました。また文字となったゴート語がヨーロッパの
いろいろな日常用語のもととなっていることがわかり、とても
興味をひかれました。

[頁のかけら] 

○ ウルフィラが旧約・新約両聖書のゴート語訳を四十数年にわたって
営々と続けた年月のなかで、最初に出会った、しかも最も難しい
問題は「神」を何と訳すか、だった。(中略)

そしてついに、ある一語に行き当った。四世紀当時にはもう使われ
なくなっていた古語の「グス」ということばだった。
意味は「話しかけられ、呼びかけられる存在」さらには「相談相手」
である。

ウイルフィラはひとりうなずいて、羊皮紙の上に鳥羽根のペン先を
おろし、「はじめにグス、天地を創りたまえり」と記す決心をした。

これがゲルマン諸族に受けつがれ、のちの英語のGodやドイツ語
のGottとなったのである。

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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.7.25 No.90)








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Last updated  2008.07.27 02:42:11
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