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2008.08.09
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カテゴリ: 文学


三輪茂雄 (みわ しげお)

新潮選書 200頁 ¥770 1998.5.20 初版第1刷 発行
副題-石臼からハイテクノロジ-まで

[目次] 

まえがき

第1章 なぜ粉の文化史なのか
第2章 紙テープ年表をたどる
第3章 粉づくりの一万年史

第5章 開花した粉の文化
第6章 食文化の伝統
第7章 粉のダイナミックス
第8章 現代を演出する粉
第9章 消えたせせなぎ
第10章 白砂のロマン

あとがき
参考文献

[内容]

石ウスと粉を追って日本中を歩いた著者の、粉談義です。

パンを焼くための小麦粉からはじまり、お茶の葉、ソバ、豆腐、

ベンガラ、戦国時代の鉄砲の火薬などの歴史的な粉、
さらにはセメント、レンガ、セラミックス、コピー機の粉、
テレビの蛍光体粉末、磁気テープの粉磁石などの現代の技術
の粋である粉体、最後に自然界の鳴き砂、巨大な砂時計の話
など、よくもまあこれだけ集めたものだと思うほど話題豊富です。


楽しめる本になっているのは、著者の長年の深い知識と経験と
粉に対する並々ならぬこだわりによるのでしょう。

[感想]

面白いと思ったこと:

1. 石ウスは、その目のつきかたから必然的に「反時計まわりに
  まわす」ように決まっている。(時代劇のときに注意してみよう)

2. 抹茶を作るための茶磨(ちゃうす)は千分の5ミリ(5ミクロン)
  の粉を作るためのもの。ちなみにコーヒーミルでは0.5ミリの粉
  しか引けない。
  「石臼芸より茶臼芸」
  どんな芸でもこなすが荒っぽいのを石臼芸、一芸に秀でるのを
  茶臼芸という。

3. 融点が2700度という高い金属でフィラメントを作る方法。
  溶かすのではなく、粉を固めてつくるという発想の転換で成功した。
  オスミウムの細かい粉を、糖蜜で練って、均質なペ-スト、
  つまりネバネバのものにしてから、これを細い孔から押し出して、
  細い線状にし、これを乾燥した後、加熱して糖蜜を分解すると、
  オスミウムと炭素からなるフィラメントが得られる。つぎにこの
  フィラメントに電流を通して炭素を分解した後、熱でオスミウム
  金属を焼きかためることにより、目的の白熱電灯用フィラメント
  を造ることができた!(1897年 オ-ストリアのウエルスバハ)

[頁のかけら] 

○ 徹底的に洗浄された石英質の砂が鳴き砂の本体である。
  汚れの正体は各種の微粒子の付着だが、肉眼や光学顕微鏡
  ではほとんど区別ができない。電子顕微鏡でやっと確認できる
  ようなミクロの汚れが砂を鳴かなくする。

  足を強くこすりつけなければ鳴かないのは、もはや鳴き砂では
  なく、泣き砂であって、消滅寸前の危険信号である。
  (湿った砂や水中でも鳴く。雀が歩いても鳴く、というのが本物
   だそうです)

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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.8.9 No.93)







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Last updated  2008.08.09 16:05:29 コメントを書く


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