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2004年08月07日
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テーマ: 中国&台湾(3345)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 あわただしい展開だった。「人民帽」は僕と一緒にランドクルーザーをチャーターするために、ここまで一緒に付いてきてくれている。僕も一人でランドクルーザーをチャーターするのは、何かと危険が付きまとうので、是非とも彼と一緒にラサを目指したい。お互いの利害は一致している。けれども問題はビザだ。この街で延長出来ると思っていたのに、それが無理だと分かるといきなり計画が狂ってしまうのだ。そして、過酷なバス旅行を終えたばかりの僕はどうしてもすぐに成都を目指す気にはなれない。

 今後の具体的な計画が固まらないまま、とにかくこの街の旅行会社を周って、いろいろと情報を集めて見ようということになった。街をうろつく。「人民帽」が持っているガイドブックの地図に「康定旅行社」というのがあったので、そこで話を聞くのが良いだろう。そう思いガイドブックにしたがって、歩いていくのだが、ガイドブックの地図の所にはその旅行社は存在しなかった。と言うより、存在し得なかった。なぜならその地図の指し示す場所はちょうど川の上にあたってしまうのだ。これだからやはりガイドブックはあてにはならない。

 ここでまた電話帳作戦を実行することにする。ホテルで電話帳を借りて、旅行会社をさがそうと言うわけだ。中旬で一度ホテルを探すのに電話帳作戦を実行して味をしめており、旅行会社を探すのなど訳ないと思った。そこで一度ホテルに戻って、フロントの姉ちゃんに旅行会社を探したいから、電話帳を貸して欲しい旨を筆談を通じて伝えようとした。その時だった。隣で電話をしていたお兄ちゃんが、僕が苦労しているのに気が付いて、「ラサに行きたいんですか?」と日本語で話し掛けてきた。僕がうなずくと、「車をチャーターするととても高いですよ。成都から飛行機で行った方が良いですよ」といままで耳にタコが出来るほど聞かされてきた同じセリフをはいた。僕がどうしても陸路で行きたい旨を伝えると、「北京JEEPでないとだめなんですか?」と聞いてきた。というのは僕が筆談でホテルの人に伝えようとした時に、ランドクルーザーというのをどうやって中国語で伝えて良いか解らない僕は、とりあえず「北京JEEP」という固有名詞をだしたのだ。「北京JEEP」と中国でもっともポピュラーなランドクルーザーである。もちろん「別になんでもいいです」とと答えると、彼はどこかに電話を始めた。

 最初僕は彼がどこかの旅行会社に電話をして話をつけてくれているのだと思った。けれども、電話を終えるや否や、僕を駐車場の方に連れて行く。そして彼は思わぬ事をいった。「これが私の車です。これでどうですか?」つまり、彼は彼自身で僕らをラサに連れていってくれようと考えているのだ。あまりの急展開にとまどうと共に、彼がどうも胡散臭く思えてしまう。けれども情報だけは聞いておこうと思い、料金を聞くと、僕らの人数を確認した上で「1万6千元」と言った。前に一度アメリカ人3人を連れていって、2万5千元だったのだそうだ。けれども、僕らは二人だから1万6千元で良いと言う。けれどもそれは僕らにとっては大幅に予算オーバーだ。僕らは最高でも1万元までしか出せないんですよ。と言うと、彼はしばらく考えていたが、それでも良いという。あっさり6千元も下がってしまう。これもなんだかあやしい。 

 けれども、彼はずいぶんと経験豊富なようだし、それに日本語と英語ができるのでガイドとしてはこれ以上望むべくものはない。この後二人で相談して、今晩の8時に結論を出すと言う事で、話を切り上げた。ところで出発は月曜日だという。ここでビザの問題が再発する。もし彼の話に乗るのだとしたら今日中に成都に行って、明日、金曜日中に申請をし、ここに戻ってくる必要があるのだ。彼は胡散臭い点もあるのは否めないが、話をしていると悪い人間とも思えず、信用出来るところも多々ある。そもそも彼の話に乗るのかを、「人民帽」と話していたところに、彼、トンカさんから電話があった。

 実は僕らはこのホテルに二泊するつもりで、既にお金を払い込んである。ところが、なにやら共産党のお偉方がこの部屋に泊るので、僕らにホテルの部屋を替わって欲しいというのだ。話を聞くとここよりも多少良い部屋に移る事が出来るようなので、僕らはトンカさんと一緒に部屋を移ることにした。そしてその時に、僕にビザの問題があるのだという事を伝えておいた。そうするともし今日成都に行くのだとしたら、3時のバスがあるということを教えてくれた。

 3時までに結論を出さねばならない。「人民帽」と一緒に激論を重ねる。けれどもお互い、少しの疑念を持ちながらも、彼の話に乗ろうと言う事に話が傾きつつあった。そして、僕が成都に行っている間に「人民帽」が彼の様子をもう少し探ると言う事でほぼ話が固まった。どちらにしても僕はビザを延長せねばならないし、それは早い方が良いのだ。今日のホテル代を既に払い込んでしまっているが、もうそれはしょうがないだろう。せめて3時までのんびりベッドで横になっていよう。そう考えた矢先に、また誰かがドアをノックした。

 トンカさんだった。彼は少し慌てた様子で、「バスは3時ではなくて、1時でした」と言う。今度はこちらが焦る。何しろ今は12時45分だ。慌てて準備をする。重たい荷物は全部「人民帽」に預けることにして、身軽な格好で、急いでバスターミナルを目指した。トンカさんも一緒に付いてきてくれた。バスはまさに出発するところで、ぎりぎりセーフで滑り込む。このバスは寝台バスで、ラッキーな事に一つだけ席が開いていた。僕はなんだか急な展開に少し戸惑いながらも、それを楽しみながら移りゆく窓の景色を眺めていた。それにしても、この先いったいどんな展開が待っているのだろう?





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最終更新日  2012年04月16日 00時00分00秒
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