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2004年08月14日
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テーマ: 中国&台湾(3345)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 体がだるい。やっぱり昨日の予想通り風邪を引いてしまったか?これは困った。今日はもう出発できないようだし、頑張って一日で直さなければ。僕の体の具合のせいで、出発を延期するなんてことには絶対にしたくない。意地でもなおしてやろう。それにはとにかく栄養を摂って睡眠をむさぼるしかない。そう思い、僕は結局12時過ぎまでベッドでうとうとと現実と夢の間をさまよっていた。「人民帽」は10時頃に起きだして、どこかに出かけたようだ。

 さすがに12時になり、起きる事にする。タイミング良く昼食の準備が出来たようで、またご馳走になる。一人暮らしが長かった僕は、風邪を引くとどうしても飯を作ったり買ったりする気力が無くなって、それでまた風邪が長引くと言う悪循環を繰り返していた。けれども今回は本当に幸運なことにトンファさんの家にお世話になっている事もあって、栄養面では心配なさそうだ。風邪も絶対に一日で治るだろう。ちなみに、いままで腹の調子を二回ほどこわしているが、このような風邪をひいたのは旅に出て初めてである。喉が痛い。これは絶対に熱が出るパターンだ。だから僕はもう既に抗生物質と解熱沈痛剤を飲みはじめていた。お陰で今のところ体調は良くもならなければ、悪くもならない状態で落ち着いている。

 飯も食いおわると、お父さんが僕のコンピュータを見せて欲しいと言い出した。ちなみにこの家は中国でもとても裕福な家で、テレビはもちろんの事、電気洗濯機、冷蔵庫、自家用車、ビデオ2台など日本の一般家庭にも匹敵するような、あるいは上回るような生活をしている。家の調度品一つとってもとても値が張りそうなものが、無造作に置いてある。そしてなんとパソコンまで完備していたのだ。だから、お父さんは僕に「コンピュータと言うものはどういうものなのか見せて欲しい」というというのではなくて、いきなり専門的に「おまえのコンピュータにはどんなソフトが入っているかを見せて欲しい」というような感じで、僕に頼んできた。そして、まずどんなゲームが入っているのかチェックさせろとまるで日本の高校生のような事を言う。

 お父さんの眼鏡にかなうゲームが一つあったらしく、僕がフロッピーにそのゲームをおとして(この辺もいちいち説明する必要が全く無かった)この家のパソコンに移そうとしたが、残念ながら僕のパソコンがウインドウズ95なのに対して、ここのパソコンはウインドウズ3.2だったので、良く分からないが移植には失敗してしまった。お父さんがあからさまにがっかりしているので、その代わりと言うわけでもないが、今度はデジタルカメラを見せてあげて、これがコンピュータで画像を見れるものなのだと言う事を説明した。この辺の理解も早い。大抵の人は(日本人も含めて)僕がいくらデジタルカメラの仕組みを説明しても分かってもらえないものなのだが、お父さんはすぐに「それじゃあその映像をフロッピーに入れれば、家のコンピュータでも見れるんだね」と早速写真撮影大会が始まる。

 この家のコンピュータには、映像を見るソフトがもともとインストールされていて、家族の映像は無事彼らのコンピュータに収まった。普段僕は小さなコンピュータの液晶画面で写真を見ているが、大きなブラウン管で写真を見ると、その写真が僕が予想していたよりもずっと奇麗に写るのを見て、正直言って驚いた。ブラウン管で見た限りにおいては、写真よりもよっぽど奇麗に見える。これで、高画質のプリンターさえあれば、もう鬼に金棒というところだろうか。

 そんなことをして遊んでいるうちに、お母さんが「あなたたち、今日出発できることになったわよ」と笑顔で話してくれた。実は午前中に「人民帽」がトンファさんと話をしていて、その時の情報では明日の朝と言う事だったので、僕らはちょっと驚く。実は僕はその時明らかに熱がある状態で、少しボーっとしていたのだが、この機会を逃すと今度はいつ出発できるとも解らないと思ったので、今日の出発に合意することにした。そこにトンファさんがやってきて、4時に出発すると言う。結局ジープの修理をあきらめて、他の車を手配してきたようなのだ。その時はまだ1時半だったので少しのんびりしていると、2時頃またトンファさんがやってきて「もう準備は出来ましたか?」と僕らを急かした。慌てて準備をして、お父さんやお母さんに別れの挨拶をするも、またトンファさんはどこかに行ってしまった。トンファさんの荷造りももう完璧に終わっている様子なので、僕らは今か今かと彼の帰りを待った。

 結局、彼は6時にようやく戻ってきた。さすがに、帰ってくるなりお父さんにキツクしかられている。彼の目は真っ赤で、なにかトラブルが起きたことが明らかだ。僕はもう彼にすべてを任せるつもりでいて、彼が僕らのためにいろいろと一生懸命手を尽くしているのを知っているので、長く待たされていてもそんなに怒る気になれなかった。まして、憔悴しきっている彼の様子を見るとなおさらだ。彼はきちんと順序立てて事の顛末を教えてくれた。要するに新たに手配したジープの持ち主との間に、金銭の面でトラブルが生じたらしい。本当はもうまさに今出発と言うところまでいったのに、その辺の詰めが甘かったのか、それとも向こうが急に態度を変えたのか解らないが、交渉が決裂してしまったのだ。

 そこで彼は、また次の策を巡らせるために、いろいろと駆け回ってくれた。そして僕らにこういう。「明日、朝、申し訳ないがバスで道浮まで行きましょう。そこに私の妻がいて、そこならジープの手配が何とかなりそうなのです」僕らはうなずく。けっこういらいらしていて、明日いけないのなら僕はもうこのツアーから降ります、とまで言っていた「人民帽」は「僕ももう大船に乗ったつもりで、すべてをトンファさんに任せます。もう文句も言いません。」と彼の様子に感動していた。

 相変わらず、うまい夕食を食って、新たな人が家を訪れるたびにデジタルカメラで写真を撮って、それから今日もまた麻雀で盛り上がった。ひょうたんからコマというのはこういう事を言うのかもしれないが、僕はもう既にこの家族との生活をとても楽しんでいて、場合によってはここでしばらく暮らしてもいいとさえ思いはじめていた。けれども明日は本当に出発しそうな気配だ。トンファさんは僕らを6時半に起こしに来ますと言っていた。だから僕はいちおう6時に目覚しをかけて、それから忘れずに薬を飲んで眠る事にした。幸い熱は下がったようだし、喉の痛みも取れてきた。これで咳がとまれば完璧だ。  





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最終更新日  2012年04月11日 06時44分53秒
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