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2010年07月20日
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今回、私が参加したコースは、ゴエンカ氏が行っているコース。

この10日間プログラムの間、
参加者は、毎晩1時間半、このゴエンカ氏の講演のビデオを見ることになります。
これはいろんな言語に訳されていて
みんながホールでその映像を見ている間
私と、もう一人いた日本人の方は
別室で日本語に訳されたオーディオテープを聞いていました。

この内容が、私にとって、様々な想いを抱かせるものとなりました。

もちろん、先日も書いたように、
ヴィパッサナー瞑想の意義やその理論
また、潜在意識や心の仕組みなどについての説明に関しては
すべてが納得できることだったのですが
その根本的な世界の捉え方に
素直に納得できないものがありました。

まず、最初の日の講演で
「人生は苦しみである。
その苦しみから逃れるためには、修行していくしかない。
修行こそが解脱への道なのである」

という言葉を聞いて、何だか、どよ~んと重くなりました。

もちろん人生には苦しみはあるけど、それは喜びを感じるためのものだし
もう人生に修行なんて必要ないと私は決めたわけだし
第一、私はこの人生、解脱を目的にしていないし、、

と私は心の中で、ここで語られる言葉に対し
抵抗(反応)しはじめました。

でも、このためにこの瞑想法を行うのだとしたら
その考え方に賛同できなかったら、この瞑想法を
行う意味がないんじゃない?

そう感じて、これは、どう自分の中で折り合いをつけたらいいのかしら?
と考えていました。

コースの中では、食事は2回、朝6時半と朝11時のみなのですが
その後でそれぞれ1時間、また夕方5時にはティータイムが1時間あるので
けっこう瞑想以外の時間があるのです。
コースの間は、電話や人と話すことも、本を読むことも、紙に書くことも
すべて禁じられているので、その休み時間にやることといえば
洗濯をするか、ベッドに横になるか、
センターの裏にある短い散歩コースを歩くことぐらい。
どちらにしても、誰とも話せないので
ひたすら意識は自分のうちに向かってゆきます。

「他の人たちは一体、これをどう捉えているのかしら?
みんなゴエンカ氏の詠唱の後「Sadhu Sadhu Sadhu(私は同意します)」
なんて一緒に繰り返しているけれど、
すべてに反応せず、ひたすら修行をして、あらゆる自我を消滅させて
解脱への道を歩きなさい
なんてことを言っているのに、このすべてに同意し
これから実践してゆくっていうの?
だとしたら、ここにいる人たちは、なんてピュアなのかしら」

そう思い、この参加者の中で私はピュアではないんだな~
という気持ちにさえなっていました。

でも、5日、6日と経つにつれて
実は、言葉なんてどうでもいいんだということに、
ようやく気づき始めました。

解脱って、英語では何と訳されているんだろう?
と思った時に、たぶんEnlightenment?と思ったら
それは光とか悟りという感じであって、
もっと違ったニュアンスに受け取れるだろうな~と思ったからです。
(後でPeterに聞いてみたら、
やはり、ゴエンカ氏はEnlightenmentと言葉を使っていたそう)
そして修行がもしトレーニングだと訳されていたとしたら?

また、ブッタが生きていた時代のインドなんて
まさに苦しみしかないような時代だったでしょうから
苦しみから逃れるためにはどうしたらいいか?
とやってくる人々を諭すのに
「苦しみから逃れるためには~」
という言葉になるのは、自然なことだなあと。

もしも、さきほどの
「人生は苦しみである。
その苦しみから逃れるためには、修行していくしかない。
修行こそが解脱への道なのである」

という言葉を
「人生は喜びである。
その喜びと幸福の実現のためには、自己浄化が必要である。
自己浄化のトレーニングを行うことは、光への道である」

となったとしたら、これは随分感じ方が違うな~と思い
言葉そのものではなく、ただそこにある真理を受け取ればいいのだ、
その事にようやく気づいて、抵抗感はなくなり、一気に楽になりました。

そうして、10日目のゴエンカ氏の講演で
「例え、この考え方のすべてに賛同できなかったとしても
構いません。この瞑想法を実践してゆきさえすれば、
誰でもその恩恵を受けることができるのです」

という言葉を聞いて、
「もっと早くそれを言ってよ~~
そうしたら何日もあれこれ思わずにすんだのに~~」

と思いましたが、実は、この私の中の抵抗ー反応を感じたことで
私は今回、私にとって、この人生の意味とは?と
自分の生き方をあらためて見つめ直すことに
つながっていたのでした。

それは,私の過去のいろんな想いや経験から来ていた反応であって、
自分を犠牲にしてでも人に奉仕していくことが、
最も大切なことだと感じていた10年ぐらい前のことや
この人生の目的は、アセンションのためだと感じていた数年前のことも含め、
いろんなことがあるので、とてもすべては説明できないのですが
とにもかくにも、この10日間は、いろんなことを感じた日々でした。
でも、私にとって、先日のマチルダとの出会いが
大きな救いとなっていました。
彼女との出会いによって、私は今の自分が感じるままでいい、
あらためてそう感じることができたからです。
そういった意味でも、このコースを受けたタイミングは
私にとってのベストだったのかもしれません。

そうして、コースの8日目、9日目に
日本語テープでの講演が早く終了したので
みんながいる瞑想ホールでの英語でのゴエンカ氏の講演ビデオを見る機会が
あったのですが、もう、あまりにもその違いに驚きました。

慈愛に満ちた穏やかな表情のゴエンカ氏が語ると、
どんな内容でも素直に受け取れるし、
例え彼がどんな話をしていても、心に何の抵抗も反応も生まれないのです。
日本語のテープでは、通訳者が訳された話をするだけなので
その言葉だけが、ただダイレクトに伝わってくるのですが
ゴエンカ氏の表情を見ることもないし、講演でのニュアンスは、
全く伝わっていなかったことがわかりました。

Miraが
『私は彼のジョークが好き」
と言っていたのですが、日本語のテープを聞いている限り、
その話のどこにもジョークなんて見いだせませんでした。
でも、講演ビデオを見て、彼が大きな愛を持って、そのジョークを
言っているのがわかりました。

例えば、マザーテレサやガンジーやダライラマなど
偉大なる指導者たちが話をする時
私たちは素直にそれを受け取ることができます。
そして、彼らのように生きることは難しくても
少しでもそれに近づくように努力しようと感じるものです。

でも、だからと言って、今日からダライラマと同じく髪を剃って
修行生活に入ろう、とは思わないですよね~
コースの途中から言葉そのものにとらわれないようにした後は
楽になったものの、それまで私は、
まるで「この瞑想法を行うなら髪を剃ることが必要だ」
と言われているように感じていたのでした(←考え過ぎて、自滅するタイプ?)
「アセンション」や「悟り」なら、全くそうは感じなかったと思うのですが
日本語の「解脱」や「修行」とという言葉から
何かそういうイメージを抱いていたのです。

みんなが「Sadhu Sadhu Sadhu(私は同意します)」と
素直に頭を下げていた意味がやっとわかりました。

そして、コースの最終日。
この日、メッタバーバナ瞑想という新たな瞑想法を伝えられたことで
私は本当にゴエンカ氏が伝えたかったことの本質が
ようやく理解できたのでした。

このヴィパッサナー瞑想コースは、10日間のすべてに参加することが
条件となっていて、何度も念を押されるのですが
今は、その意味がよくわかります。
10日間、参加してみないと、そのすべては見えてこないからです。

帰りの車の中で、Peterに聞いたのですが、
男性側では、3人の人がコースの終了を待たず、
2、3日目に帰ったそうです。
あれほど、事前に「このコースに参加するためには
必ず10日間の全コースに参加しなければなりません」
と言われていたにも関わらず、彼らが途中で帰ったのは
たぶん、瞑想自体が苦しかったからではなく
この世界の捉え方、考え方に同意できなかったからでしょう。
でも、もしも賛成できなかったとしても10日間だけはやってみようと、
彼らがとどまっていたなら、きっと違った印象を持ったのではないかと思うのです。

ということで、私の感じたことは、他の方の参考にはならないと思うのですが、、
もう少しだけ書いてみたいと思います~

読んでくださってありがとう~♪







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最終更新日  2010年07月20日 21時52分17秒
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