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夫の墓参を兼ねて田舎に行って来た。仕事と日々の雑用に追われる街騒を離れての4泊5日は、主人の姉の家にお世話になった。沢山のご馳走で迎えてくださり、羽黒山、蔵王での紅葉狩りと滞在中の温かい思いやりの数々は、泪の出るほどうれしく命の洗濯をさせていただいた思い。
東京に住み忙しく暮らし、日々のざわめきにすっかり馴れてしまうと、こんな生活が自分には一番合っているのだと勘違いをしてしまうのだけれど、静かな生活の中に本当の幸せがいっぱいあることを改めて噛み締めた。何処までもつづく田園風景を見ながら、こよなく自然を愛し「この地に眠りたい」と言って、本当に自然に帰ってしまった主人のことを思い出していた。
東京に戻る当日「トトロの木」を見に連れていって貰った。山形県鮭川村指定天然記念物であるそれは、本来は「小杉の大杉」というのだそうだが、ほんにトトロにそっくり。樹の根元には小さな祠があって、巨木信仰のなごりが実感できる。散策の折りに拾った栗を大切に東京に持ち帰り供えながら、楽しく過ごした5日間の報告をした。「辛いことがあると必ずうれしいことがあるよね!生きるってまるでシーソー見たい!」思わず遺影にそう語りかけていた。
笑み栗や夫(つま)亡きあとに姉を得て 姉崎蕗子
