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またソフトバンクに負けた。
スコアは0-3。
数字だけ見れば完敗。でも、試合を最後まで見ていたライオンズファンなら、この試合は「高橋光成が打ち込まれた試合」なんて絶対に思わないはずだ。
むしろ、「光成に勝ちをつけてあげられなかった試合」。
そう言いたくなるゲームだった。
今季ここまでソフトバンク相手に4戦4勝。
防御率0.56という圧倒的な”鷹キラー”だった高橋光成。
この日もその姿は変わらなかった。
4回までノーヒット。
110球を投げ切り、8回4安打3失点。
スコアだけ見れば3失点だが、内容を見れば責められる投球ではない。
勝たなければいけない試合だったからこそ、本人は「勝ちきれなかったのは悔しい」と語った。
でも、一番悔しかったのは本人以上にファンかもしれない。
試合が動いたのは5回。
1死から初ヒットを許し、連打と四球で満塁。
正木の打球は浅いレフトフライ。
仲三は懸命にバックホームした。
それでも山本恵の足が一枚上だった。
あれを刺せたら最高だった。
西口監督も試合後に「あそこは刺してほしかった」と振り返った。
そして続く周東。
ライナー性の打球にカナリオは一度前へ。
そこから必死に下がり、最後はグラブに当てた。
あと少し。
本当にあと少しだった。
捕れていればチェンジ。
結果は2点タイムリー三塁打。
高橋光成が思わず両膝に手をついた姿が忘れられない。
野球は残酷だ。
記録はヒット。
でも、流れを知っている人なら「あの1イニングだけだった」と感じたはずだ。
西口監督も
「光成は本当によく投げてくれた。内容も良かった。あの1イニングだけがもったいなかった。バックも守り切れなかった。なんとか助けてあげたかった」
と語った。
その言葉が、この試合のすべてを物語っている。
一方で打線も苦しかった。
相手先発・前田悠伍の前に7回までわずか3安打。
7月1日の対戦でも7回3安打無得点。
これで2試合連続、前田悠から得点を奪えず、三塁すら踏めなかった。
3回2死一、二塁。
先制できるかもしれない場面で林安可が三振。
その後も良い当たりはあった。
でも外野の頭は越えない。
外野の間も抜けない。
最後まで「あと一本」が出なかった。
今季10度目の完封負け。
光成を援護できなかった悔しさは大きい。
それでも前半戦を振り返れば、このチームは本当によく戦った。
53勝40敗3分。
貯金13。
堂々のパ・リーグ2位。
交流戦では14勝3敗1分。
勝率.824という交流戦史上最高勝率で、球団史上初の交流戦優勝を成し遂げた。
長谷川信哉は打率.367、2本塁打9打点で交流戦MVP。
しかも西武初、育成出身選手としてもNPB史上初の快挙。
昨年を思えば、この位置にいること自体がどれだけ価値のあることか。
シーズン前、この順位を予想できた人はどれくらいいただろう。
ただ、課題も見えている。
交流戦後になると失速する流れ。
今年も同じような苦しみが続いている。
西口監督も
「交流戦が終わった時点ではいい位置にいた。去年同様、交流戦後に負けがちというパターンに陥っている。オールスター休みを挟んで色々考えていかないと。対策はしっかり練って、この位置を死守して、もちろん上を目指していく」
と話した。
監督自身も現状をしっかり見つめている。
だからこそ、後半戦には期待しかない。
首位ソフトバンクとは5.5ゲーム差。
3位日本ハムとはわずか0.5ゲーム差。
決して楽な位置ではない。
でも絶望するゲーム差でもない。
残り47試合。
まだ何だって起こせる。
去年のライオンズなら、この順位にはいなかった。
今年は違う。
苦しい試合でも投手は踏ん張る。
守備で反省すべき試合もある。
打線が沈黙する日もある。
それでも53勝積み上げてきた。
それが今のライオンズの実力だ。
今日の敗戦は悔しい。
光成に勝ちをつけたかった。
守備で救ってあげたかった。
あと一本が見たかった。
ファンなら誰もがそう思ったはずだ。
でも、この敗戦だけで積み上げてきたものは消えない。
むしろ、この悔しさを持ってオールスター休みに入れることを前向きに捉えたい。
課題がハッキリした。
だから改善もできる。
残り47試合。
ここからが本当の勝負。
まだ優勝は諦めるゲーム差じゃない。
ライオンズは、必ずもう一度上を向く。
そう信じて、後半戦も最後まで一緒に戦おう。
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