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岩波新書 青版 このところこればっかりを借りて読んでいる。そう言えば、先日のテレビで草思社の倒産が報じられていた中で、「売れ筋ランキング」に入らない本は売れる見込みがないのだそうだ。要するに「みんなが読んでるから」「読んでないと話題についていけない」これって、テレビのアニメや子供向け番組の是非が話題になる時と同じだ。日本人、かくもアイデンティティーを失ってしまったのだろうか。岩波書店も同じ運命にならないように、たまには有料で本を買わなきゃいけないかな?
こういう、歯ごたえのある本を読まなきゃ、特に若い学生時代には必須だと思うのだが。このほんの著者は湯川秀樹、朝永振一郎、坂田昌一。冒頭にこう書いてある。
全体的破滅を避けるという目標は他のあらゆる目標に優位せねばならぬ
1963年に第1刷が作られているが、今でも十分に通用すると言うか、平和と言うものの考え方が当時からほとんど進歩していない(戦争がおさまらない)事をひしひしと感じる。人間はバカだ。
目次のあと、科学者京都会議声明の全文が載せられている。時は1962年5月9日。そして、ここに記名している人を見て驚いた。江上不二夫、大内兵衛、大仏次郎、茅誠司、川端康成、菊池正士、桑原武夫、坂田昌一、田島英三、田中慎二郎、谷川徹三、都留重人、朝永振一郎、南原繁、平塚らいてう、福島要一、三村剛昴、三宅泰雄、宮沢俊義、湯川秀樹、我妻栄
もうほとんどが鬼籍にはいられた方々と思うが、(実に46年前だから無理もない)ノーベル賞受賞者が3人もいる。また、科学というと自然科学を思うものだが、人文科学者、社会科学者も含めた科学者の会議である。日本の頭脳が集まったような会議。ここに一人でも政界に進む人がいたら、その後の日本も変わっていただろうにと残念である。
本論はこれからだ。まず読むこと。自然科学に偏らないことを期待している。
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