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何年ぶりだろう、電車の中で編み棒を使って編み物をしている人を見たのは。赤い毛糸の玉をバッグの中に入れて、黙々と。50絡みの女性だろうか。出来合いのを買って来るのが安くて主流になっているが、こういう基礎力を持っている人もいるのだなあと妙に感心してしまった。
私が学生の頃、手編みのマフラーとかが一つのステータスになっていた時がある。彼女からもらったものならもちろんのこと。女子高生も競うようにレース編みをやっていた。この頃は携帯電話かゲームマシンが通り相場。黙々とキーを押しているだけ。
私の母親も編み機(これも近頃ほとんど聞かなくなったものの一つ)で、毛糸をやかんの蒸気に当てて伸ばし、それを子供の両手にはめさせて玉を作ったものである。ほどいては編み、ほどいては編みのセーターだった。今はもう日の目を見ることもなく、どこかにしまわれているはず。まあ、完成品が980円では対抗のしようがない。
昭和の風景をかいま見た思い。孫のセーターかな?思いは広がり、少し温かい気分になった。
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七詩さん
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