老父のつぶやき

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2019年03月03日
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カテゴリ: 視・紙・誌面から
ようやっと行ってくれた、と言うのが実感である。生まれて30年あまり、あれこれと思いを巡らすが、とにかくは引き取り手のK君に感謝したい。人間、生まれてきた限りいつかは死ぬ。結婚により阪神大震災以来聞くようになった「孤独死」だけは避けられそうである。まあ今後どんな厄災が降りかかってくるか分からないが、一人では困難でも二人なら乗り越えられるかも知れない。きっと乗り越えて行ってくれるだろうと思う。

自閉症の兄を持って、被害は彼女が一番被ったに違いない。おもちゃを壊され、おやつを奪われた事は数知れない。兄の方に手がかかった分、彼女は「知らん間に大きなった」とも思う。思春期の反抗はこれに起因するかも知れない。中学高校時代、彼女と話した事はおそらく数回。年に1度口をきくかどうかだった。姓名判断の本が読めるようになったら、「最悪の名前」だったらしい。「なんでこんな名前付けたんや!」と怒る。「ほんならはやいとこ結婚せんかい。堂々と改名できるぞ。今が最悪ならそれより悪くはならんだろう」それから約20年、念願かない、「最悪」からは逃れられた。

「お父さんのものと私のものを一緒に洗うな」とも言った。「ほんなら自分のものは自分で洗え。一番確実や」答える私も私だと思うが、さて、2-3日も続いただろうか。悩んだのはやはり進学だったようだ。「どうしたいか、それをはっきりしろ。学資金はとりあえず300万円用意してあるから、どうするかは自分で決めろ」「4年制でもええの?」「かまわん」結局私大に合格し、資金とにらみ合わせながらアルバイトもし、無事国家試験にも合格して近所の病院に就職した。

心を開き始めたのはこの頃からだったと思う。金を稼ぐ事の大変さはやってみないと分からない。兄の障害にはさすがに閉口し、別居して独身生活を始めたが、このことで生活の大変さも親のありがたみも身にしみたようである。特に母親に対しては「帰ったら即ご飯が食べられると言う事がいかに幸せか」を感じ、感謝したようだ。今でも野菜はごっそりともって帰るが、調理済みのものも「ありがたく頂きます」

娘の手紙というのは親を涙させるが、「あなた達の子供に生まれて良かった」が殺し文句である。そして、新しいカップルの子供をしてこう言わせられる親になって欲しいと願う。

不覚にも、式の直前に風邪を引いてしまい、式や披露宴で大きな咳をしたり、声が出なくなってはと危惧したが、幸い賛美歌も歌え、挨拶も出来る程度に回復できた。聞けば新郎の父君も花粉症で鼻詰まりがひどかったそうだが、何とか乗り切った、と男親2人が喜びあった次第。

娘よ、幸せに。





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最終更新日  2019年03月03日 20時51分35秒
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