老父のつぶやき

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2022年12月16日

喪中はがき

テーマ：喪中葉書(20)

カテゴリ：視・紙・誌面から

年末になると何通かが届く。「佐藤・・」という心当たりのない差出人で、文面を見ると「長男Ｔが・・・」とある。差出人は父君だった。なんと！

佐藤君は大学寮時代の知り合いで、彼は理学部、私は農学部だったので深いつきあいではなかったが、私が失職して再就職した化学会社にいたのである。学生時代は硬式テニス部で真っ黒になっていたのだが、30年後は色白でオセロのごとく変わっていた。声を掛けると、覚えていてくれ、その後も何かと気遣いをしてくれた。

同僚から聞いた話では彼は「自分は短命だから」と、結婚もしなかったと言うことだったので、それ以上深い事情は知らなかった。
定年で彼は「親を見ないといけないから」と、故郷の岡山に帰って行った。それが親よりも早く亡くなってしまったと言うことだ。彼の予測は不幸にも当たってしまった訳だ。父君の胸中やいかに、と言う気持ちだ。

2年前に母を見送った時、94歳だった。弟が8年前に亡くなっており、妹と「見送れてよかったな」と話したが、佐藤君の場合は逆、父君も母と同年代だと思うとなんと返すべきか、言葉が見つからない。

振り返って我が子供たち、今は子育てに忙殺されているが、後20年は健康でいろよと祈る次第。

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