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息子に「おもろいで」と言われて読んでみた漫画である。ライターは「よしたに」。息子の同窓生に「吉谷君」がいて、時々遊びに来ていたので覚えてしまったのだが、これがなかなか面白い。基本的に四コマ漫画のやや拡張版である。私が農芸化学、息子はロボット工学なのでまずまず理系家族なのだが、夕飯を食べながら小難しい話をしたものである。プログラミングの話まで飯を食いながらするか?と娘にあきれられたこともある。まあ、理系と言っても、機械と化学ではお互い知らないこともたくさんあるので、貴重な時間でもあった。「理系の人々」の作者はIT関係のエンジニアということだが、「自分の使っているものを褒められると舞いあがってしまう」とか、「興味のないことにはほとんど関心を示さない」「営業トークというものを知らない」などと辛辣なことを書いているが、「理系あるある」で、つい笑ってしまう。すでに単行本化されているが、最近「Smartnews」でも一話限りだが見かけるようになって、ちょっと楽しみにしている。同種の漫画に「腐女医の医者道!」(さーたり)もあるが、これもこれで面白い。こちらは外科の女医さんのやや誇張された日記みたいなものだが、自分が手術を受けた時もこんなのだったんだろうか、と楽しんでいる。
2024年09月25日
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自閉君の水泳訓練日。知的障害の子供のプールはマネジメントが大変。特別支援学校の先生も来てくれるが、コロナ以来親の付添が続く。それでも規制はずいぶん緩和された。共用貸し出しのボードが使えるようになり、更衣室に一度に入る人数制限もなくなった。それでも、プールサイドに腰掛けてバタ足をするのは十人十色で、膝を伸ばして蹴る正統派から、ほとんど自転車漕ぎの要領で水しぶきを蹴散らす子までいる。うちの自閉君は顔に水がかかるのを極度に嫌う。隣にそんな子が来た日にはパニック寸前だが、小さい頃に比べればまあ辛抱がきくようになった。プールが終われば兵庫県立こどもの館へ。図書室に行くのが楽しみだが、近ごろイスがめっきり減った。斉藤新知事の意向ではないだろうが、高齢者にはややしんどい。そんな中で背表紙を見て、「こりゃ何だ?」と思った本がある。発泡スチロールがスチロースになっている。一瞬、こんな糖があったかしら?と思ったほどだが、見事な誤植。それを同じ本のカバーでやってる。中身は発泡スチロールの切り方だの、くっつけ方だのだが、こっちの方に気がいってしまった。もう一つ、「いきものがかり」かと見まがう、「いきものがたり」意識したネーミングかと思った。中身はすこぶるまじめと言うか、人類が滅亡させた生物の多いこと、また温暖化の警鐘を鳴らす学者の文が多かった。生物の相が変わって行くのは必然だが、そこに人為的要素が大きく働いて〔特に経済活動〕、変化が不自然なことになっている。昭和以後でも寄生虫はかなり見事に駆除されたが、その代償としてアレルギーや花粉症が出てきたと言う説。信頼性のほどは分からないが、一理あるかも知れない。そういえば、体内にサナダムシを飼っていると言う先生の文もあった。
2023年05月28日
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自閉君は月に2回のプール教室の後は必ず「兵庫県立こどもの館」の図書室に行く。1時間ばかり本を漁って帰るのだが、その時間は私も適当に本を見る。「こどもの館」とは言うものの、こども向けの本ばかりでもない。「三国志」が子供の読む本かと言えば賛否あるだろうが、小学生でも読めそうな三国志も、高校生くらいでないと無理かなと思う本もある。なかなか楽しい。大きなジャンルに分類された開架の中でこのタイトルを見つけた。竹内均監修となっているので「ただものではない?」とは思ったが、果たして10分ほどのとっかかりで引き込まれた。SFみたいなタイトルだが、地球がチリの衝突で出来て行った頃からのスケールの話、まことに地球科学、物理、化学の方面からの分析だ。全部読まずに感想文もないものだが、1999年に初版発行となっている。その後映像化もされたようで、私にとっては、まことに無知の領域だった。潮の干満が月の引力で生じていることはよく知られているが、その運動のために地球の自転速度が影響を受けているとか、地軸の傾きとか、実に興味深い話が満載である。古本でも買ってみようかと思っている。
2023年01月08日
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自閉君はプールの後に兵庫県立子供の館に必ず行く。お目当ては図書室。子供向けの本がたくさんある。大人が読んでも結構面白いものがある。「冬の星座」この頃は本当に星を見上げなくなった。寒い時期でもあって、夏ほど心身に余裕がない。久しぶりに見上げると東の空にオリオン。左のベテルギウスの名前を思い出すのに時間がかかる。その左にシリウス、右下にリゲルが輝く。子供の頃には1等星をほとんど覚えていたが、今は皆目わからなくなっている。あの星までいくの何年かかるだろう。 さて、地球の裏側ではクロアチア。
2022年12月05日
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自閉君の図書館ツアーに付きあって、たまたま見かけた本である。時間が限られていたので、廃棄物の処理のところを中心にしか読めなかった。桜井よしこ・奈良林直氏の対談形式である。原発推進派の言い分を目にする事は少なかったので読んでみたが、およその内容は「白金族の他の金属と混ぜれば半減期は短くなり、千年で1/4となる・・」と言うような記述だった。要するに「薄めれば影響はなくなる・少なくなる」と言う事だと思った。これは公害が華やかな1960-70年代の「濃度規制」の論法である。その後「総量規制」となったのは、「希釈を大きくすれば排水を流して良い」が通用しなくなったからだ。さらに、「ガラス封入物の管理は二千年の歴史が有る日本であれば可能」などとも書いてある。これも無責任な話。将来が千年単位で保証される合理的根拠はない。「反原発は感情論が強く科学的根拠に欠ける」との記述もあったが、自己矛盾といえよう。核サイクルに関する部分もあった。「ロシアや中国が高速増殖炉の実験に成功した、日本は置いて行かれる」広大な土地があり、人が住んでいないところがあちこちにある国と、密集する国とを同じレベルで語るには無理があろう。放射線は物理現象で、これを完全に制御する事はできない。重力を消す事と同じくらいに困難だ。高速増殖炉にしたところでゴミは出て、始末はできない。そんなものを子孫に残すくらいなら、再生可能エネルギーを個人で持つ方がよほどいいと思う。そしてそれは実現不可能ではない時代だ。あくまでも「核のゴミ」の部分を読んだだけの感想である。
2018年12月25日
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自閉君の図書館ツアーに付きあって、たまたま見かけた本である。時間が限られていたので、廃棄物の処理のところを中心にしか読めなかった。桜井よしこ・奈良林直氏の対談形式である。原発推進派の言い分を目にする事は少なかったので読んでみたが、およその内容は「白金族の他の金属と混ぜれば半減期は短くなり、千年で1/4となる・・」と言うような記述だった。要するに「薄めれば影響はなくなる・少なくなる」と言う事だと思った。これは公害が華やかな1960-70年代の「濃度規制」の論法である。その後「総量規制」となったのは、「希釈を大きくすれば排水を流して良い」が通用しなくなったからだ。さらに、「ガラス封入物の管理は二千年の歴史が有る日本であれば可能」などとも書いてある。これも無責任な話。将来が千年単位で保証される合理的根拠はない。「反原発は感情論が強く科学的根拠に欠ける」との記述もあったが、自己矛盾といえよう。核サイクルに関する部分もあった。「ロシアや中国が高速増殖炉の実験に成功した、日本は置いて行かれる」広大な土地があり、人が住んでいないところがあちこちにある国と、密集する国とを同じレベルで語るには無理があろう。放射線は物理現象で、これを完全に制御する事はできない。重力を消す事と同じくらいに困難だ。高速増殖炉にしたところでゴミは出て、始末はできない。そんなものを子孫に残すくらいなら、再生可能エネルギーを個人で持つ方がよほどいいと思う。そしてそれは実現不可能ではない時代だ。あくまでも「核のゴミ」の部分を読んだだけの感想である。
2018年12月24日
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女性蔑視の代名詞と言うべきか。浄土真宗の御文章は蓮如上人の手紙だと聞かされているが、その中にこの言葉が何度も出てくる。wikiによれば五障(ごしょう)とは、ブッダ入滅後かなり後代になって、一部の仏教宗派に取り入れられた考えで、女性が持つとされた五つの障害のことである。「女人五障」ともいう。女性は梵天王、帝釈天、魔王、転輪聖王、仏陀になることができない、という説である。(以上引用)本来ブッダの説いたものから変質しているようだ。三従(さんしょうとも読むらしい)は「生まれては親に従い、嫁しては夫に従い、老いては子に従う」と言うやつで、これを並べて使うのは何やら木に竹を接いだような気がする。まあ、書いた時期がもう数百年前の事で、今とは同列に語れないが、出産した女性を祭りに出さなかったり、女の子を屋台に乗せないなどの習慣はあるようだ。ただ、少子化になっているので今は制限が緩くなっているそうだ。しかし、男子とて母親無しには生まれないのだが。あえて罪があると言うならキリスト教でいう「原罪」を持った子供を産み出す、と言うくらい無理なこじつけが必要だ。信者の寄進で成立している宗教団体が、子供を産み出す女性を蔑視と言うのはどうも理屈に合わないが、「宗教は理屈ではない」と言ってしまえばそれまでかな。
2018年09月25日
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書を読んだ訳でなく、プライムビデオの視聴だ。百田氏の原作は読んでいないので脚色の影響はあると思うが、堀越二郎氏のゼロ戦開発の話は読んだことがある。とんでもない要求仕様を満足したばかりに搭乗員に過度の負担をかけたことは事実だろうなと思う。戦闘中はもちろん、足が長いばかりに行き帰りにも搭乗員に精神的な負担を強いた。堀越氏が直接設計主任を務めたのは11型であり、エンジン(発動機と言うべきか)と機体の組み合わせによって52型までできた訳で、52種の零式戦闘機があったわけではない。激務のために体を壊した話はよく知られている。あまりにそれまでの戦闘機とかけ離れた性能であったためにその改良、改造に走って結局バランスの悪い機体になってしまったこと、アーキテクチャーを見直さないために新型戦闘機の開発が遅れたことも知られている。物資の流通を止められたらひとたまりもない資源小国にとって、ABCD包囲網下での長期戦は敗戦に結びつくことは容易に考えられることだが、時の権力はそれを無視し、精神論にしがみついたための悲劇だった。ドラマはTV東京の制作のもので、主演は向井理。劇場版の岡田准一とはまた違っていたのかも知れないが、特攻志願が実質の命令であったというような、父親から聞かされた話は描かれていない。憲兵であった父が言っていたのだから間違いあるまい。このあたり、日大アメリカンフットボール部の事件と重なるような気がする。日本、格闘は変わってないんだなあと。大相撲の不祥事もあったし。
2018年05月30日
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日本の外交はただ乗りだ、と北朝鮮が批判しているが、これは尤もだと思う。韓国と北朝鮮が会談すると聞けば「拉致の問題も話するように頼んだ」「共有した」アメリカが行くと言えば同じように「拉致の解決を」頼む。昔、高橋真梨子氏だったか、「友達ならそこのところうまく伝えて」と歌っていったのを覚えているが、なんとも頼りにならんやつだなと思っていた。「友達だから」と押し付けずに自分でやれよ、人を通すと何言われるかわからんぞ、と。それを助長する高橋真梨子はなんだ、と言う訳で。「全力で取り組む」と言う割には何もしない。歴史上も、実際に北朝鮮に行ったのは小泉首相だけだった。本気で取り組む姿勢が見劣りする。尤も、行かないことも一つの作戦とも言える。日本の経済援助をいかに引き出すかで(要するに金をよこせ)北朝鮮の利益になるかを諮っている。核の保有はこれからもやるだろうが、「他国が攻撃」する訓練をやめたら水爆を捨てると言うが、今まで真偽に満ちたメッッセージをやたら送って来たのは事実だ。
2018年05月08日
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これは朝日新聞の投書欄「声」に投稿された20才の女性の質問だが、その返信が今朝載っていた。「男性の考え方が分かるようになり、仕事に役立った」「家庭を作る喜び」などが年配者から寄せられていた。生物の生活史を見ると、結局誕生→成長→生殖行動→死亡を繰り返すのだが、人間だけが「葬儀」と言う行為をやってもらっている。自分の死後には自分で出来ないので、子孫に遣ってもらうのが一般的だが、場合によっては子孫の葬儀をやる事もある。自分自身、40年連れ添った女房がいるが、結婚、出産、子育てとやってきて一応子供は自分で食ってくれるようになった。生活史上はあとは死ぬだけなのだが、たぶん私の方が先に死ぬだろう。たぶん、だが健康でいればたぶん葬儀をやってくれるだろうと思う。もし出来なくても子供がやってくれるのではないかと期待する。人間が他の動物と異なることは、「経済活動にかかわらなければならない」ということだ。継続する社会にするために、子供を産み、育てなければならない。いわゆる「余生」になってそろそろ自分が生きているうちにやっておかねばならないことに気が行くようになった。基本的には「子供に負担をかけない」だ。借りている農地には父が色々と木を植えている。返す時には「原状復帰」が原則だからこれをことごとく始末せねばならない。引き続き借りるならそれでよいが、そんな意思は今確認できる状態ではない。平均寿命まで15年ほどあるから、少しずつ自分で処理できるならそうしようと思う。子供が言った。「植木なんて自分で手入れする趣味か、財力がなければ持たん方が良いな」名言である。冒頭の問題。結婚すると言うことは自分の最後の始末をしてくれる人を持つことだ。しておいた方が良いんじゃないか?
2017年08月01日
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いわゆる理科系人間にとっては最も対極にあるのがこういう本ではないかと思うのだが、自閉君が買い集めている本の中に「100分で名著」というEテレのテキストがある。三木清の「人生論ノート」を拾い読みしてみると、結構興味深いものがあった。「利己主義者には想像力がない」 アメリカ・ファースト」を掲げる御仁はパリ協定を脱退するという。この人は言うことは明快で分かりやすいが、「一手」は軽いと思う。記者会見よりもツイッターを重視しているように感じるが、話が感情的で「フェイク」と論点を変えて論理の応酬になるのを避けているように見える。端的に言えば「アメリカさえ、自分の支持者さえよけりゃあそれでいい」とも読める。二酸化炭素の排出量世界2位という。温室効果ガスの蓄積が地球環境をおかしくしていることは仮にフェイクであってもそれなりの事象による説得力がある。それに対し、彼は感情的に「フェイクだ」と強弁するだけで、どうも「次に何が来るか、何をするべきか」を想像する力に欠けると思う。異常気象は食物の収穫を直撃するだろう。「錆びついたベルト」の復興は公約だが、工業は食料確保の上での話だろうと思う。鉄のかたまりだけで人間は生きてはいけない。短い文章だけの引用だが、少し読んでみようと思う。
2017年06月07日
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もう40年以上前の作品だと思う。まだ学生だったが、 えらくマニアックな漫画が出てきたもんだと思った。作/池沢さとし。漫画読破!を久しぶりに見たら上がっていたので本当に久しぶりに読み切った。今あらためて読んで見ると、巨人の星並みに進行の遅いこと。そして繰り返し同じような場面に登場人物が変わって出てくる。四輪ドリフトとか一般ドライバーにはあまり縁のないテクニックとかいうようなものも毎度出てくる。ただし書きにもあったが、「より広い層に読んでいただくため一部を改編しています」確かに私が学生時代に読んだものはちょっと「いいのか?」と思うようなセリフもあったような気がする。主人公の風吹裕矢ももっと不良っぽかった。それで当時はあまり夢中にならなかったような・・それからしばらくしていわゆる「スーパーカーブーム」が起き、聞いたことのない「名車」が見られるようになった。近所の医者がランボルギーニに乗っていて驚いたものだ。当時は普通だったMT車も今は少数派。軽トラックさえATの時代だ。アメリカじゃ90%がオートマなんだって、と聞いていたが確実に日本もその後を追いかけた訳だ。そしてエンジンもコンピュータ制御。暖機運転なんて言葉は聞かなくなった。私自身もエンジンをかけて5秒もしたら走り出す。
2016年02月19日
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柳田国男。民族学者ということだがこの本は民話の集大成みたい。民話の集大成みたい。妖怪も河童も出てくる。河童はなぜか川童と書いてある。緑色が基本と思っていたが赤いのもいるそうだ。娘がかどわかされ、馬や蛇の女房になって助けに来た親を追い返すような話は私の地元にもある。結局こんなお話は子供がいなくなったり、死んだりするのが珍しくなかった時代、その言い訳作りになったのではないかなという気がしてきた。知的障害のある子供が産まれたら「きつねが宿した子」とか「狐憑き」になったのではないか。口減らしだって行われただろうが暗黙の了解で「神隠し」にして片づけたのかも知れない。神もきつねも無実の罪?を着せられていた訳だ。発想は稚拙だが当時の教育レベルならそれですんだのかも知れないが。 「訳の分からんものの存在」が認められていた時代のほうが暖かかったかもしれない。
2015年11月18日
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スマホ向けに著作権の問題がないものがいろいろと電子化されている。青空文庫とかこの豊平文庫とか。おかげで古典から何からいろんなものが読める。その中に「所得倍増」を謳った池田勇人と論戦をする元社会党委員長の浅沼稲次郎の演説がある。面白いことに、池田の主張はアベノリクツと同じ論法だ。アベノミクスなどとオリジナリティーを謳っているけれど、自民党の親玉の言うことは50年変わっていないのだ。安定多数を取ったあとの行動を見ても当時浅沼氏が指摘したことは現代にそのまま通用する。この途中で右翼の少年に刺殺されるのだが、原稿はそのまま掲載されている。引用しても丸写しになってしまうので「ただだから読んでください」で終わりかな?
2013年10月17日
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「風立ちぬ」というアニメの評判をあちこちで聞くが、まだ見に行けないでいる。堀辰雄の小説は読んだことがあるが、堀越二郎氏のものは読んだことがない。高校の国語の先生が堀辰雄のファンで、「ぜひ読んでみろ」と言われて読んだはず。堀越二郎氏は三菱のエンジニアだから書き物が得意だったかどうかは分からない。実際に彼が自分の仕事について記したのは3冊ばかりらしい。本屋に行くのも面倒だし、例によって先延ばしにしていたが、amazonの中にkindleの本として買えることを知り、買ってみた。amazonで買い物手続きをするとすぐにicloudに送られ、ipadでもiphoneででも読むことが出来る。やっぱりiphoneは読むには少し画面が小さく、ipadのほうが快適だと思う。内容はいかにもエンジニアの文章で、私自身とは分野は違うけれども利害反する問題をどう解決するかに知恵を使う物語だ。飛行機というのは三次元の運動を自由にできる乗り物で知らないものが見ていても面白く、あこがれを感じる。ラジコンなどはそういう運動性が乗員のこととは関係なくできるからなお面白い。宮崎駿のアニメはさしずめラジコンの世界に近い。この開発の仕事は激務で、堀越氏は体を壊し、軽井沢で静養する。ここがどうも堀辰雄との交点(実際はどうだったか知らないが、舞台は一致する)らしい。アニメのコンテには逆ガル翼の機体が描いてあったりして、これは後に堀越氏が手がける烈風かとも思うが、ファンタジーあふれる今までの作品とは少し違うのだろう。見には行きたいが何年か後にテレビ放送を見ることになるのかも。私にとってはその確率のほうが高い。
2013年08月15日
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三木清は地元出身の哲学者としてよく広報などに名前が挙がっているにもかかわらず一度も、何も読んだことがない。それ以前に「哲学書」を読んだことがない。「哲学書を読まないのが哲学」等と屁理屈を並べて。それでもやはり一つぐらい読むべきかも知れないと思い直した。やっぱり読みにくかった。 半分義務感で読んでいるわけだから、まあ気の進まない宿題を手がけているようなものだが、理科系の論文に比べると、やはり一文が長い。ギリシア語ともドイツ語とも判別のつかないような言葉が出てくるけれどもいちいち調べるのも面倒である。また青空文庫特有の事情で元の文言を説明する部分まであるので読みにくさに輪をかける。割り切るべきだ。わかるところだけ読めればいい、と。何にしろ、書物全部を覚えることは絶対出来ない。自分が賛成できるところと、反省するところだけ読めばいい。古典の哲学なんて、それでいいじゃないかと。そうなれば賛成できるところは楽しいし、反省するところは深刻に読む。「人はどこから来てどこへ行くのか」永遠のテーマだが「親から生まれて子を育て、無に帰る」DNAは子供が引き継ぐ。微生物から人間まで同じだ。
2012年07月15日
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・・・今は秋!ではなくて堀辰雄の小説。昔はこんなストーリーの小説とか映画とか多かったような気がする。不健康で薄幸な美少女と文筆家の恋物語。舞台は八ケ岳高原のサナトリウム(結核療養所)だが、時代が時代だけに、今の清里高原辺りとは全く似ても似つかぬことだろう。若いときに読んだら感激したかも知れないが、こういう不健康な娘だったら多分始めから遠慮してしまうだろう。恋愛だけで生きられるならこんなのもアリかも知れないが女房は多少不細工でも健康が一番。この頃は結核も不治の病ではないし、よほど栄養状態が悪くなければ結核の感染も少ない。結核菌自体は太陽に3時間も充てれば死んでしまうと言う。時代の産物といえる作品だ。結構引き込まれて、リルケを奉る人間は好きな人と離れて暮らすことでその愛情を余計高めるとも書いてあったが、どうも私はその手の人種ではない。一緒に暮らすことが基本だと思う現実主義者。 八ケ岳は学生時代にいったきり。また行ってみたい。
2012年06月30日
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「ああ玉杯に花受けて」佐藤紅緑一高寮歌で有名なこの歌を題にした本で、どんなものかと読んで見たら悪い事をしていた人が良心に目覚めていい人になって行くと言う立身出世みたいな本である。昭和2年の刊とある。その一部を取り出す。コピペが出来るので実に楽だ。これらの代議員が国政、県政、市政、町政を決議するので、その主義を共にする者は集まって一団となる、それを政党という。 政党は国家の利益を増進するための機関である、しかるに甲の政党と乙の政党とはその主義を異にするために仲が悪い、仲が悪くとも国家のためなら争闘も止むを得ざるところであるが、なかには国家の利益よりも政党の利益ばかりを主とする者がある。人民に税金を課して自分達の政党の運動費とする者もある。人間に悪人と善人とあるごとく、政党にも悪党と善党とある、そうして善党はきわめてまれであって、悪党が非常に多い。これが日本の今日の政界である。要するに当時も今も全然変わってないわけで、失われた何年どころではない。政党助成金をよこせなど論外。身を切る姿勢も道筋も見えなくて消費税を上げると言う法律には反対だ。全然論旨が違うけど。
2012年06月28日
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林芙美子の放浪記をやっと読み終えたが、この手の作品は苦手だ。文が時系列になっていないのでいわばつぶやき風の日記だ。行商の子供に生まれ、しかも父は養父。これが仕事もせずに博打にばかりなけなしの母の収入を入れてしまうのに、母はそれを咎めもしない。母1人なら何とか養おうとする主人公だが、これがまたあれば使ってしまう、欲しいものは借金をしてでも買うと言う始末の悪い性格。赤貧状態で時々原稿料が入ってくるが、故郷に帰る旅費やら何かに使ってしまう。仕事は長続きせず、結局日給や出来高の女給や内職しかない。 詩をたくさん書いて、その赤貧ぶりはまあ同情にも値するが、「金持ちはいいなあ、自分のとこにも回ってこないかなあ」と嘆くばかりで結局就職、離職、転居と居直りを繰り返すのみ。時代設定の背景もあろうが重苦しい小説だった。アホちゃうん、ともいえそうなストーリー。森光子さんはこれを2000回も上演したのか・・・私には耐えられない。
2012年06月23日
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例によっての青空文庫。林芙美子の作品は初めてだが、意外と短編が多いんだなと思っていけれども、「放浪記」は長かった。今読んでいる最中だが、1500ページで少々びびっている。まだ1割程しか読んでいない。「お父さん」は、比較的早くに無事復員した父親を、子供の目で描いている短編だ。戦争でなんにもなくなった(シチュエーションとしては梅ちゃん先生も同じ時代)なかで近所の人と助け合いながら成長して行く男の子。今みたいな家庭内暴力とか親殺し、子殺しなんてひどい話に事欠かない時代から見れば本当に安心して読める文章だ。父親を中心にのどかな、古き良き時代のホームドラマ的童話だった。思えば昔はテレビもホームドラマはたくさんあった。パパは何でも知っている、ママちょっと来て、7人の孫、寺内貫太郎一家ぐらいが最後の部類だろうか。今はサザエさんぐらいかな。林芙美子と言えばNHKの「うず潮」を思い出す。(このくらいの老人)自叙伝のようなものらしいが、残念ながら内容はあまり覚えていない。まともに見られるのは夏休みか冬休みくらいなものだったはず。主役の林美智子さんも近ごろは見かけなくなったが、 新人をヒロインに使った初めての作品らしい。大竹しのぶさんとか小林綾子さんも朝ドラデビューと記憶している。
2012年06月14日
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青空文庫でなけりゃこんなもの多分読まない。高村光太郎が嫌いなわけではなく、多分他の作品を選ぶと思う。智恵子は東京に空がないといふ、ほんとの空が見たいといふ。この詩の題は「あどけない話 」だそうだ。精神分裂病で7年間を過ごし、死んでしまう。光太郎は芸術家の頭の中と現実のかい離が大きくて脳が壊れて行った、と書いているが、現代は芸術家でなくてもそんな目に遭う。精神科の受診が増えるのはやはりストレスが大きいからだろう。 うちの女房も鬱に悩まされたことがあったが、まあ何とか直ったようだ。次男の自閉もあり、うちはどうも神経性障害に縁がある?これは「智恵子の半生」と言う題だが「智恵子抄」も読んでみようか。日本の古典もいい。
2012年06月06日
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青空文庫でなけりゃこんなもの多分読まない。高村光太郎が嫌いなわけではなく、多分他の作品を選ぶと思う。智恵子は東京に空がないといふ、ほんとの空が見たいといふ。この詩の題は「あどけない話 」だそうだ。精神分裂病で7年間を過ごし、死んでしまう。光太郎は芸術家の頭の中と現実のかい離が大きくて脳が壊れて行った、と書いているが、現代は芸術家でなくてもそんな目に遭う。精神科の受診が増えるのはやはりストレスが大きいからだろう。 うちの女房も鬱に悩まされたことがあったが、まあ何とか直ったようだ。次男の自閉もあり、うちはどうも神経性障害に縁がある?これは「智恵子の半生」と言う題だが「智恵子抄」も読んでみようか。日本の古典もいい。
2012年06月06日
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相変わらずの青空文庫。宮本百合子の代表作だ。自分の住んでいる所なので前々から興味はあったが、読む機会がなかった(こんなのばっかりだ)。主人公は東京に住み、夫が思想犯として(治安維持法の時代だ)網走刑務所にとらえられている。戦争が終わり、まだまだ混乱の続く中、行方が知れなくなった弟の消息を尋ねて広島まで行くが、そこで水害に遭ってしまう。目的をたっせられずに帰途につくが、山陽線は寸断され、その中で知りあった人たちと助け合いながら東を目指す。 結局播州平野と言う言葉は後ろの方に姫路から明石まで移動するときに何度か出てくるだけで関東の荒さのようなものとは対照的なのどかさなんだそうだ。多分これは作者の自叙伝みたいなものなんだろう。そののどかさを否定するものではないが、最後の方で 六甲が西の方に見える、と描いてある。六甲が西に見えたらもうそこは摂津だ。播州と言うのは明石が東端だ。まあ東京の人にしてみたら大したことじゃないのかもしれない。ところで、宮本百合子は確か宮本顕治氏の妻だったと思うが、東京オリンピックのバレーボールの宮本恵美子さんと半田百合子さんがないまぜになって、宮本百合子選手を作り上げていたことがある。話がおかしいぞと注意され、 赤面した次第。
2012年05月30日
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ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず よどみに浮かぶうたかたはかつ消え、かつ結びて・・・このくらい覚えていれば40年前の高校の卒業生としてはよく覚えている方じゃないかと思うけれど、方丈記って、ここまで位しか取り上げられないのも事実だろうと思う。青空文庫で収録されているのでダウンロードしてみたら、結構長かった。随筆のもうひとつの?横綱級である徒然草がいくつもの段に分かれているのに比べると、方丈記は一つしかない。ところが書いてあることも基本的に「諸行無常」を手を変え品を変えて書いてあるだけなので何やらお経か何かを読んでいるような気になってしまう。当時の暮らし向き、と言っても病気がはやったとか人がたくさん死んだとかなのであまり明るくはないが、 これを読んでみたら、NHKでやっている平清盛のシーンがきたなすぎると指摘した兵庫県の井戸知事も考え直すんじゃないだろうか。今がきれいすぎるだけだと私は思う。
2012年05月25日
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池田菊苗博士がはじめてうま味成分のグルタミン酸を昆布から取り出し、「味の素」の名前を付けて今日に至っているのはあまりにも有名な話だが、そのレポートのようなものがこれ。なんと、昆布の抽出液に鉛の塩を加えて沈殿させたとある。明治40年、まだ鉛害は広く知られていなかったのだろうか。口に入るものに重金属とは・・・ちなみに今流通しているのは水溶性に優れたナトリウム塩。グルタミン酸は実は水に溶けにくい。発酵法でサトウキビを原料に作っているから重金属は縁がない。しかし、時代だったんだなあ。こういうペーパーに近いものも青空文庫になっている。
2012年05月18日
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伊藤左千夫の名作。多分映画にもなったはず。高校の頃に読んでおけと言われた本だが今まで読むことがなかった。もっと長編かと思っていたが、2時間ばかりで読んでしまった。伊豆の踊り子のような出会いの部分もなく、目の前で死ぬ場面もない。伝聞でさらりとすんでしまう。まあこの頃のどぎつい表現に比べたら想像を働かせる上でこんなのがいいのかも知れない。年上婚を反対され、無理に結婚させられ、結局死んでしまうわけだが、そのシーンは回想として語られている。 その話を女房にしたら、何と彼女の父親がファンで、自分の名前をつけたんだそうだ。「もう少し幸せになる人の名前を付けてくれたら良かったのに」と何度か文句を言ったらしい。 姉さん女房のところは予定通り?だったが、主人公と違って色は黒く健康、子供が3人。 これは彼女の名前に漢字でなくかなを当てたからか。但し、かく言う私も産婆をしていた祖母が母から取り上げるなり「色の黒い子やな~」と言ったそうだから相当のものだったんだろう。大人になってから聞いた話だが小学校でも「あの色の黒い子」で通用していたと言う。ま、黒くても何でも大きな病気もせず暮らしているんだから満足している。
2012年05月17日
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