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黒澤明監督のこの映画は、50年ほど前の映画だが、映画史上不朽の名作である。 ところで、この映画に一つのミスティリーがある。それは、七人の侍のうち、映画の上では三人の侍が生き残るが、出演した俳優の実人生とは、逆になったということである。 この映画では七人の侍のうち、四人が死ぬ。いずれも種子島(鉄砲)でやられている。残った三人は、俳優では、志村喬、加東大介、木村功である。ところが、実人生では、この七人のうち早く亡くなったのはこの三人。逆である。ミスティリーである。しかも、七人の中で、一番早く、種子島にやられるのは、前哨戦での、俳優千秋実であるが、実人生では、彼が七人のうちで、最後の99年に亡くなっていて、かつ、一番長生きであった。 そこで、下記のように、一覧表でまとめてみた。人物名役柄俳優映画上の生死順実人生の生死順勘兵衛リーダー志村喬生き残る 82年2月74才3五郎兵衛参謀稲葉義男本戦初日戦死298年4月77才6七郎次名秘書役加東大介生き残る 75年7月64才1平八温和な調整役千秋実前哨戦で戦死199年11月82才7久蔵孤独な剣の名人宮口精二本戦2日目戦死385年4月72才4勝四郎雑用係の若者木村功生き残る 81年7月58才2菊千代反抗的な乱暴者三船敏郎本戦2日目戦死497年12月77才5 ちなみに、巨匠黒澤明は98年9月に亡くなっている。88才であった。 こういう個性的な名優ぞろいの映画はもうできないであろう。 「七人の侍」の前半は町での七人の侍の編成と、村に行き戦いの準備(人的、物的資源の準備)をするのが中心である。面白いのは組織つくりで、いろいろな性格・技量の人材を選抜している。プロ野球の巨人のように、ホームランバッターばかり集めるような組織つくりではない。組織の妙を心得ている。 後半は、いよいよ、四十人くらいの山賊との戦いである。前哨戦があるが、本番の戦闘は、村の中の二日間となる。最後の日は、残った敵十三騎との雨中の戦いとなる。戦いの始まる前、「一本の刀じゃ五人と斬れん」と菊千代が刀を何本も土に刺しているシーンがある。 いろいろ、失敗もあったが、ようやく賊を殲滅する。 映画の最後、戦死した四人の墓に風が吹きつけるシーンで勘兵衛は七郎次に「今度のいくさもまた負けだな。」と言う。七郎次が「エッ」と怪訝な表情をすると、勘兵衛は視線を田植えする農民に向けながら最後の有名な言葉を言う。「勝ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない。」
2006.06.06
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私:昔から「英雄、色を好む」と言われるが、教師、警官、検事、役人、裁判官などというお堅い商売の人ほど、意外に裏では色を好む行為が多いと言われているね。 ストレスが高い上に、はけ口が少ないからかね。 若いときから真面目なタイプほど免疫性がなく弱いようだ。 俺が若い頃、知っていた有名大学教授はもう故人だが、ブルーフィルム、今でいう裏ビデオの収集で有名だったね。 不思議なことにお坊さんは「生臭坊主」と言われるように、大目に見られているようだね。 クリントン大統領もあれだけのスキャンダルだったが、問題にされたのは偽証問題だったらしいね。 ケネディ大統領の女癖の悪かったのも有名だね。A氏:以前、フランスのミッテラン大統領に愛人がいたことも公然の事実だね。 例のベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」でフランス国民から“スフインクス”とあだ名をつけられた大統領だ。 ヨーロッパは歴史的に神父だって性的スキャンダルがあり、僧院の男色は歴史的に有名だね。私:日本では1989年(平成元)に竹下内閣がリクルート問題で首相を降り、生まれた宇野宗佑首相が女性スキャンダルでゆれ、参議院選挙で敗北。 総理在任期間は僅か69日でつぶれ、海部内閣となるね。 日本では政治家の女性スキャンダルは厳しくなったね。A氏:昨日の日記ように、欧米は「良心」と「良識」を使い分ける「二段構え」なんだろうね。 欧米は「政治家だって男なら女性のあやまちは仕方ないだろう」と現実的な人間性悪説的な「良識」が働くのかね。 しかし、「良心」だけの「一段構え」の日本では、人間性善説的に裁かれるのかね。A氏:この宇野内閣登場のときは、竹下氏の後継としては阿部晋太郎、宮沢喜一、渡辺美智雄らの有力者がいたんだが、皆、リクルートに多少関係があったために、突然、リクルートに関係が薄かった予想外の宇野氏になったのだね。 阿部晋三新総理のお父上の貴重な総理へのチャンスだったのにね。 親子総理になったかもしれなかったね。私:話は変わるけど、昨日、本を整理していたら、植草氏の「日本の総決算」という本が出てきたのだよ。 1999年の発行だね。 彼は、東大を出て野村総研上級エコノミスト。 当時、まだ40才にならないのに、日経の人気エコノミストランキングでは第1位だね。 こういう秀才型で真面目タイプほど、女性問題に溺れやすいね。 当時、小渕内閣だから、景気回復で公共投資が積極的に行われる。 植草氏は積極投資のほうだ。A氏:例の手鏡事件で逮捕されたときは、2004年で、小泉内閣のときだから、植草氏の考えと合わなくなっている。 だから、この事件は小泉、竹中の陰謀だという説まで流れたね。私:その小泉首相が去り、竹中氏も去るときに、偶然とはいえ、また、植草氏の痴漢逮捕だね。 実は、かなりまえだけど、京都大学に人気教授で矢野暢という人がいた。 この人もセックススキャンダルでやられた。 このことを連想で思い出したんだよ。 日曜日に「題名の無い音楽会」という長寿番組があって、これは、亡くなった作曲家の黛一郎氏が、日本系の石油会社のスポンサーを得て作った番組で、クラシック音楽を大衆に親しんでもらおうという趣旨のものであったように思う。 これに矢野氏が出たことがあるA氏:たしか、黛氏の奥さんは、確か、女優の桂木洋子であったんだろう。 清楚な美人である。われわれ世代は、あこがれたものだよ。私:矢野教授の専門は文化人類学だと思うが、タイの村落に研究で2年ほどいたという。 しかし、音楽にも造詣が深く、指揮もできる。 このテレビでは、最初、舞台の一角に、バーのスタンドがあり、ここで矢野氏がワインかなんかを飲んでいるところからスタートした。 そして、カラオケを歌出だす。 演歌だったね。 曲名は忘れたが、カラオケもうまい。 そして、最後にオーケストラの指揮までやったように思う。 別のNHKの番組で、経営のことで座談会に出席していた。 当時、QCサークルが盛んであった。 しかし、氏はその活動を何故かよく知っていて、「あれは、日本人の後進性の象徴である。」と批判的であった。 日本人として初めてスウェーデン王立科学アカデミー会員となった。A氏:多芸多才の人だったんだね。 そういえば、当時、よくテレビで見たよ。私:このように、才能豊かな人であったが、十年位前に秘書とセクハラ問題を起こし、京 都大学を去る。 セクハラを受けた女性秘書の方が「悔やむことも恥じることもなく」という本を出しているね。 また、裁判記録の「京大・矢野事件」という本も出ているね。 教授は、一時、隠遁生活をするが、ウィーン大学の客員教授として招かれたという。 ウィーン大学は「良識」があったんだろうね。 数年前に63才でウィーンでなくなったという。 学者としては若い死だね。 しかし、最近は、アメリカなどもセクハラ問題はこわいね。 優秀な頭脳を失うことになりかねないね。 こういうのは阿部内閣の再チャレンジの対象にはならないかね。 なお、ウィキペディアによると、お笑いコンビくりぃむしちゅーの有田哲平は矢野教授の甥であるという。 セクハラがネタとして使われている(「親戚にいる大学教授のオジサンを見習えと言われていたが、その人セクハラで訴えられた」)。
2006.09.24
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私:今も、最後の激戦地「バルシャガル高地」北縁に旧ソ連軍の陣地跡がある。 地元の研究者も全く知らない戦跡だった高台約1キロの間に4重の塹壕が掘られた、多層防護の構造が特徴だという。 旧ソ連軍の野戦陣地の基本形とされる「縦深陣地」の跡だという。今は、随所にさびた有刺鉄線が転がっているという。 小説家の五味川純平氏は記録作品「ノモンハン」(1974年)で、「縦深陣地」に繰り返し言及していた。 「『陣地が厚いというか、縦深がともかく深いから、一線を抜いても、二線に引っかかって潰されてしまうんだ』。作中、従軍の元兵士は語る。『(敵戦車は)火焔瓶で面白いように燃えた。しかし、あれは窮余の一策だね。まともな戦法じゃない。何十トンもある鉄の塊が走って来るんだろ、それへ人間がサイダー瓶を持って跳びかかって行くなんて、正気の沙汰じゃない』」 A氏:ノモンハンの停戦時、五味川氏は23歳。「兵隊が支援砲火もなしに戦車と闘わされているということが、強烈に心に灼きついた。いつの日にか、私たちもそうなるであろう」と、当時の感慨を作品の冒頭に記した。 そして6年後、関東軍兵士となった彼ははるかに劣勢の戦場へ投入されたね。 私:第2次大戦最末期の45年8月13日、彼は旧満州(現・中国東北地方)東部国境でソ連軍戦車部隊に遭遇。中隊158人中、生存は4人。「手榴弾を二発結束して戦車の腹へ叩き込んだが、牛の腹に小石を投げたほどのこともなかった」という。 6年間で進んだのは兵器の性能よりも、人間を消耗品と見る日本軍の発想だったと感じられたという。 A氏:五味川氏は生き残った兵士らを指揮して満州を逃げ延び、日本へ奇跡的生還を果たす。この体験を基にした長編小説「人間の条件」(58完結)は、全6巻で計1300万部を超えるベストセラーとなったね。 私:兵器の劣勢は兵士の血と肉で補われた。「勇敢だけでは砲弾の炸裂には耐えられない」。作中、五味川氏は軍幹部らの無策を怒りながら慨嘆した。 「ノモンハン戦はそれを証明したが、帝国陸軍はその証明を認めようとしなかった。砲火に対しては夜襲による突撃を、戦車に対しては肉攻を、という基本方式を変えることなく、大戦へ突入した」ことになるね。 ノモンハン事件は、2年後に始まる太平洋戦争の結果を予測していたね。
2015.05.15
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孤塁の名人私:この本はどこかの書評にあったので図書館から借りた。 ちょっと、ご無沙汰したが、日本人の武術を中心とする身体文化の知的街道だね。 「『密息』で身体が変わる」、「希望のしくみ」、「密息」「骨盤後傾」とサッカーW杯?、 「身体感覚を取り戻す:腰・ハラ文化の再生」、「呼吸入門」、「椅子と日本人のからだ」、、愛国心と身体文化、「身体から革命を起こす」と続いた。A氏:秋葉原無差別殺人事件で象徴されるように、何か日本人が弱くなっているね。 「身体から革命を起こす」では、その弱さを指摘しているね。私:この本ではやたらに、「合気」で人が飛ぶシーンが出てくるね。 この本の著者は有名な作家だが、佐川幸義の伝記を書いてくれということで、昭和63年、85歳になる佐川氏の道場に行くが、そこで小柄な佐川老人が、若い大男の手首に触れたとたん、その大男が何メートルも吹っ飛ぶのを目撃する。 次から次に簡単に吹き飛ぶのを見て衝撃を受け、「魔法を見た」と書いている。A氏:著者の津本陽氏は、「柳生十兵衛七番勝負」を書いているが、たしか佐川名人の師である武田惣角の伝記「鬼の冠」を書いているね。私:その前に、同じく武田惣角の弟子で、戦後、合気道会を組織した植草盛平の伝記小説「黄金の天馬」も書いているね。 だから、話に「合気」で人が飛ぶという話は聞いていたが、目の前に見たのはこのときが始めてらしいね。 著者は佐川名人を知ってから、講演会などでその見た話をする。 あるとき、知り合いの紹介で、プロ野球の王氏をつれて佐川道場に行く。 王氏は、小柄な老人が大の男を軽く飛ばすシーンを見て、一言、「ただふしぎだと思います。私には理解できません」と言ったという。A氏:体力と異なる何かのエネルギーなんかね。私:そうかといって、体力と無関係ではないらしい。 事実、85歳当時の佐川名人は、毎日、腕立て伏せなどを何百回もしているという。 その肉体を鍛えながら、あるヒラメキが出るらしい。 佐川名人は、90歳のとき、心筋梗塞の予後を調べるために、病院で運動心電図を計るので、何か運動をしてほしいと医師に言われ、即座に腕立て伏せを300回やってみせ、医師を驚かせたと言うね。 96歳でありながら、現役で聖路加病院で働いている日野原氏も、エレベーター、エスカレーターを使わず、階段を2段飛びで駆け上がるし、毎日、筋力トレーニングをしていると言うね。A氏:武芸家の甲野氏が新しい技は無限だと言っていたね。 その意味では、科学的追及と同じだね。私:「合気」の発想はスポーツと違うね。 勝たないと意味がない。 一瞬の油断が負けを生む。 そのために、相手の動きより早くないといけない。A氏:空手なんかでも、突くときに、一旦、腕を後ろに引く。 それだけ、突きが遅れるから、「合気」の発想では、その間を遅れとして嫌う。 これは甲野氏も同じことを言っていたね。私:しかし、今度の水着の問題も、イギリスのメーカーは勝つために徹底的に考えて開発されたと言うね。 日本のメーカーの「勝つための」科学的な追求力が甘かったようだね。 この本の題名の「孤塁」は佐川名人が団体を作ると、雑事で個人的な追及ができないということで、「孤塁」を守ったという。 これは、佐川名人の師の武田惣角は明治期から昭和18年まで、武道にかかわる人々、すべてに敬遠されながら世を去った天才であるのと同じだね。 武田惣角は無教育で字を書けなかったという。 だから、東大を出て国際的に通用するスポーツである講道館柔道を創始して、オリンピック競技種目とした嘉納治五郎と表裏をなす生涯だったという。A氏:佐川名人も「合気」をビジネスにせず、「合気」の修得だけに心を傾けた天才だと言うわけか。 結局、著者は、なんで「合気」で人が簡単にとぶのか解明したのかね。私:それは明日考えてみよう。
2008.06.18
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私:この判決の1例で派遣先企業に左右される派遣社員の不安定な労働の実態が浮かび上がってくるね。 A氏:今年7月、大手派遣会社アデコから日産自動車に6年近く派遣された後に「派遣切り」された女性の裁判の判決の内容だね。 原告の女性はアデコに登録し、2003年10月から日産本社で働いていた。 私:女性が日産の面接のため、アデコの担当者と日産を訪れたのは03年9月下旬。 アデコの担当者と会ったのはこの時が初めてだったという。 A氏:判決によると、面接した日産社員は、「英語は使えるか」「エクセルの関数は使えるか」「職場の飲み会には参加できるか」などと質問した。時間は約20分。 私:どの人を派遣するかを決めるのは派遣会社だというのが決まりで、派遣先が派遣社員を選ぶことは「特定行為」として禁止されている。 判決は「派遣法が禁止する『特定行為』が行われていた疑いが強いというべきである」と述べた。 A氏:女性の仕事は派遣法が定める「5号」。 パソコンを使ってデータを入力する仕事。 今の派遣法では専門的だとされ、無期限に派遣を使える仕事の一つだ。 しかし、女性は「1年くらいはコピーやホチキス止めなど。社員のためにお菓子や弁当を買いにも行った」。 無期限に派遣を使える契約を結びながら、実際には違う仕事をさせることは違反。 判決も女性が庶務の仕事をしていたことを認めて、「日産本社で就労していた期間を通じて5号業務には該当しなかったものと認めるのが相当である」と述べた。 私:判決は、アデコの担当者が女性の仕事内容を確認することを怠っていたとして、「派遣元事業主としての責任を果たさず、多くの派遣法違反を招いていた」と断じた。 また、08年6月ごろ、同じ仕事をしていた正社員が産休に入るため、他の部署からの異動か中途採用で補充するらしいという話を聞いた。 派遣法には、同じ仕事で正社員を採用する場合、派遣社員が優先されるという規定があったが、これも守られなかった。 今月11日に成立した改正労働者派遣法は、派遣社員が同じ派遣先で3年働いた場合、派遣会社が派遣先に直接雇用を依頼することなどを義務づけている。 「希望する人には正社員への道を開く」と政府が主張する根拠だ。 でも、女性はこう言う。「すべては派遣先次第。派遣会社がどうこうできる話ではありません」という。 少子高齢化でも正社員減少、非正社員人増は当分の間、続くのか。
2015.09.19
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私:国内からも「テロ集団の要求に応じて政府が人道支援を取りやめることは論外だし、政府は身代金を払うということもできない」(高村正彦・自民党副総裁)との声が上がっているが、日本政府としては人命第一を掲げているだけに、米英の強硬姿勢に完全に歩調を合わせるところまで踏み込めないようだ。 A氏:米国は身代金の支払いなどに応じない姿勢を貫いているね。 私:イスラム国に誘拐・殺害された米国人ジャーナリストのジェームス・フォーリー氏。家族や、彼を雇用したニュースサイトに対して、殺害前に100億円以上の身代金の要求があり、フォーリー氏の家族は、寄付を募って身代金にあてようとしたが、米政府から「テロリストに資金提供した罪で訴追される恐れがある」と警告されたと明かし、米政府を批判したという。 米国は、身代金の支払い拒否を国際的な合意にしようと各国に同調を求めている。 A氏:ただ各国の足並みはそろっていないようだね。 ニューヨーク・タイムズ紙は解放された人質などの証言に基づき、フランス、ドイツ、スペインなどの人質十数人が身代金と引き換えに解放されたと報じたという。 支払われた身代金は、平均すると1人あたり約2億7千万円以上という。 私:トルコは昨年6月中旬、イスラム国に49人が拘束されたが、トルコ政府は同国東部の部族などを通じて交渉し、3カ月後に全員が解放された。 トルコが拘束したり、負傷して同国内で治療を受けたりしているイスラム国戦闘員約180人との交換が解放の条件だったとのこと。 米国は戦闘員を帰還させないようトルコに要請していたが、イスラム国から「帰還させなければ人質を殺害する」と脅迫され、応じたという。 また米国は対イスラム国空爆の拠点として、トルコ南部インジルリク空軍基地の使用許可を繰り返し求めているが、トルコは認めておらず、米国と連携して攻撃すれば、人質に危険が及ぶとの懸念が、背景の一つにあったとみられるという。 日本人も平和ボケでいられなくなりつつあるね。
2015.01.22
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私:あけましておめでとう。 年末、米国の議会では「財政の崖」で最後の最後まで、富裕層の課税で民主党、共和党のせめぎあいの攻防が続いたね。 しかし、米国の99%の貧しい人の格差対策は、議会ではあまり大きな問題になっていないようだね。A氏:ところで、昨日の朝日新聞の「ニュースがわからん!」コーナーで、米国の銃規制の問題で、全米ライフル協会(NRA)の行動が分かりやすくまとめられていたね。 俺は「世界の99%を貧困にする経済」にあった米国の「レントシーキング」がらみで気になって読んだね。私:昨年の12月14日、米国コネチカット州のサンディフック小学校で発生した銃乱射事件で、小学校の児童20人を含む26人が死亡、1人が負傷、事件当時20歳だったアダム・ランザ容疑者も自殺したという事件が起きた。 これで、銃規制が問題になったね。A氏:ところが、全米ライフル協会は銃規制で解決するのでなく、「米国のすべての学校に武装した警官を配置」という提案をしているという。 問題の認識が全く違うね。 銃規制の方にいかないね。 逆に自衛のための銃増加だね。私:オバマ大統領は一部の銃規制を考えているようだが、議会でまたもめるだろうね。 全米ライフル協会は銃所持の権限擁護が一番の目的で会員が約400万人。 銃メーカーからも献金を受け、資金は潤沢。 今の議会で共和党議員の88%、民主党も11%が全米ライフル協会から献金を受けているという。 典型的な「レントシーキング」だね。A氏:最新の世論調査では銃によっては規制すべきだという賛成が多いという。私:しかし、憲法にも銃所持の規定があり、全体的に銃保持を認める国民の認識が歴史的にあるようだね。A氏:経済で言うと、市場主義、新自由主義が信じられているのと同じだね。私:それと同じで、銃保持の認識は国民の思想の根底にあるだろうし、それに乗じて、全米ライフル協会も、献金をもらっている議員も銃規制に反対するだろうね。 特に共和党は強く反対するね。 富裕層の増税に反対するようにね。 これによって、26人の死者が出ても、「レントシーキング」で、銃規制はなく、銃メーカーはますます、儲かる。 銃社会は変わらないね。 また、銃乱射による国民の犠牲は出るだろうね。 同様に1%の富裕者と99%の貧者という、「富者はますます富み、貧者はますます貧する」という米国の経済格差構造も、「レントシーキング」で今年も変わらないようだね。 日本の方は、今年はどう変わって行くかね。 政治は、悪しき過去の自民党時代にもどるのかね。 デフレも相変わらず続くだろうね。
2013.01.01
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一昨日、常磐線特急で茨城県のある小さな地方都市に行った。 夕方、駅に着き、タクシーで10分くらいのビジネスホテルまで行く。 その夜は、そこで一泊し、翌日、近くの会社で朝から用事をするためだ。 小雨が降っている。タクシーの運転手:この雨は雪になるという天気予報だね。 今のところは雨だがね。 夜中に雪が積もるのではないかね。私:ところで、この地方の景気はどうかね。タクシーの運転手:悪いね。 昨年の12月から急に悪くなったね。 近くに工業団地があるんだが、そこの大手メーカーが大量の「派遣切り」をやった頃から、急にタクシー利用が減少したね。 派遣社員は、宿泊する宿からバスで工場に行っていたが、今は、それがないね。 ときどき、会社にタクシーで行く人もいた。 それから、出張で来る人もタクシーを使っていたしね。 そういう人はほとんどなくったね。私:たしか、その大手の会社は、現在の工場の隣りにかなり大きな工場を増設していたんではないの?タクシーの運転手:そうなんです。 大きな敷地でね。 工事は続けるのか、中断するのか分かりませんね。 なんだかんだで、うちの運転手たちの稼ぎは、一人当たり、月10万円くらいは減ったね。 年間、120万円の急激な減収だよ。 この減収は大きいね。 ショックだね。 そうかといって、代わりの稼ぎはないしね。 当座、先が読めないが、我慢するしかないね。 夜、飲みに出る人も減ったしね。 タクシーはホテルに着く。タクシーの運転手:ありがとうございます。私:頑張ってください。 夜中にホテルの窓から外を見たら雪になっていた。
2009.03.05
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無差別殺人の精神分析私:最近、集中した若者の無差別殺人について精神分析の専門家による徹底分析だね。 「無差別殺人」とタイトルにあるが、厳密には「無差別大量殺人」だという。 連続殺人と違い、短時間で複数の無差別殺人を行うことだという。A氏:この知的街道は、秋葉原事件と「『J感覚』は日本を救うか」、後部座席シートベルト着用とタクシー、自殺したキヤノン社員の労災認定と「今こそ平成版『所得倍増計画』を」御手洗キャノン会長、経済・財政諮問委員会のメンバー総入れ替え・加藤紘一自民党議員、 加藤紘一議員、八代氏を名指し、「ルポ・"正規社員"の若者たち・就職氷河期世代を追う」、「論争 若者論」1、2、3、2009.06.01殺人容疑者の類似点、殺人容疑者の類似点・その2、と続いたね。 もっとも、中大教授を刺殺した山本竜太容疑者は、無差別殺人者ではないが、同じ世代だね。私:この本で扱っているのは、次の6つの事件の犯人像だね。 生い立ちから、犯行までの詳細な事実を追っている。 2008年6月8日の秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大。 1999年9月8日の池袋通り魔殺人事件の造田博。 1999年9月29日の下関通り魔殺人事件の上部康明。 2001年6月8日の大阪教育大池田小事件の宅間守。 1999年4月20日のアメリカ・コロンバイン高校銃乱射事件の2人の高校生。 2007年4月16日のアメリカ・ヴァージニア工科大銃乱射事件のチョ・スンヒ。 なお、独立した章立てではないが、1938年の「津山三十人殺し」の犯人都井睦雄(当時22歳)も比較のため、登場する。 これを加えて7つの事例を精神分析の観点から共通点をまとめているね。A氏:共通点はあるのかね。私:かなりあるね。 まず、家庭環境だね。 それから学ぶべき点も多いね。 1982年生まれの加藤智大は、1997年の「酒鬼薔薇事件」の少年と同じ年。 父は高卒の信用金庫のサラリーマン。 母親は県下一の進学校、県立青森高校の卒業。 この高校は太宰治や寺山修司を輩出した名門校。 しかし、母親は大学受験に失敗して、コンプレックスを持っていたのか、3つ下の弟とともに徹底したスパルタ教育をする。 友だちとの交際も監視される。 男女交際は一切許されない。 テレビも「ドラえもん」「マンガ昔ばなし」以外はダメ。A氏:しかし、スパルタ教育をするとそれなりの効果はあるのではないの?私:加藤は、中学時代はトップランクを取り続けた。 そして母の母校の県立青森高校に合格。 しかし、秀才ばかりが集まる進学校で360人中300位と低迷し挫折。 母親の期待は加藤から弟に移る。 この頃から母は「成績が悪くなってから言うことを聞かなくなった。 酒鬼薔薇と同じ年で、二人でいるのが怖い」 などとこぼすようになったという。A氏:暴力を振るったのではないの?私:はじめて母を殴ったのは中学3年のときらしいね。 大学は短大を選んだが、これは親へのあてつけもあったのではと考えられる。A氏:弟のほうはどうだったの?私:県立青森高校を二度受験して不合格。 母の怒りはすさまじく実家に2週間ほど帰ってしまったという。 その後、弟は税理士の専門学校に進んだ。 一方、加藤は短大で中学校の教師になりたいと言い出すが、失敗し、大学の編入もならず、整備士の講習を休むなどして、資格も取れず、進路も就職先も決まらないまま、2003年卒業する。 これから、彼の派遣社員の泥沼の罠にはまる生活が始まることになる。 次は明日にしよう。
2009.07.03
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アフリカ苦悩する大陸私:原書は2004年の発行なので、訳では、注でその後の変化もふれているね。 原著のタイトルは「The Shackled Continent」だから、直訳すると「鎖でつながれた大陸」とでもいうのかね。 著者は、アフリカ専門のジャーナリストだけあって、アフリカの現地を飛び回り、よく知っているね。 その点でアフリカを具体的に知るにはいい本だ。 しかし、300頁の大著だから、ちょっと通読するには時間がかかるね。A氏:アフリカは、50を超える国があり、それぞれに個性があるので、問題は多様だろうね。私:貧しい国は、どうやったら、豊かになるか。 それを知るために、著者は日本に来ているね。 大学で日本語と経済学を学んだ。 日本に来て、明治維新から敗戦で奇跡的な経済成長を遂げた歴史を知るためだね。 しかし、著者は、アフリカ現地の実態を見ないとわからないということで、アフリカ取材に回ることになる。 そして、多くの国をまわり、アフリカが今、貧しいのは政府に問題があるからだというのが著者の総括的な意見なようだね。A氏:君が以前、「ジンバブエ選挙強行」ということで、ブログでとりあげていたジンバブエの政治などはその例かね。私:アフリカの多くの政府は、国民を食い物にしている。 多くの場合、国で一番の大金持ちは大統領だという。 地位にものを言わせて、富をためこんできたという。 ジンバブエはその代表的な国として、ムカベ大統領の政治の問題をこの本のトップで扱っているね。 ジンバブエの食糧危機は天候のせいではなく、政治のせいだという。A氏:大統領になって冨をためこんだら、地位を手放すことはしないだろうね。 人間は性欲と食欲に限界があるが、カネの欲望には限界がないからね。私:ジンバブエの大統領は選挙で選ばれる。 だから、政治が悪ければ、選挙で落される。 しかし、それでは大統領は富を失う。 だから、野党の徹底的な攻撃と、不公正な選挙の実施となる。 一応、ジンバブエは国連決議で大統領選挙が公正でないと指摘されている。 ようやく、先月末に、ムカベ大統領が、南ア大統領の仲介で、野党党首と話し合いをするところまで、こぎつけたようだが、解決は難しいというのが一般の見方のようだね。A氏:アフリカは天然資源が豊富だから、本来、カネは入ってくるのではないのかね。 それに先進国からの援助もあるしね。私:そのカネが一部の人の贅沢に集中して、国家としての道路、教育、法制度などのインフラ整備に使われない。 著者は例外として、ボツナワの例をあげているね。 1966年に独立したボツナワは世界でも1、2を争う貧困国だった。 独立とともに、ボツナワの砂漠の地にダイヤモンドが発見された。 ボツナワ政府はこの偶然を無駄にしなかった。 ダイヤモンドでかせいだカネは、インフラ整備、教育、保健医療に使われた。 大臣たちは、他のアフリカ諸国と違い、大邸宅やヘリコプターを買うこともなく、大統領が自分で買い物をしている姿を見かけるほど質素だという。 こうして、ボツナワは世界随一の経済成長を記録する。 日本で官僚が国が経済的に厳しいのに、タクシー代にせっせとカネをかけるのと違うね。A氏:隣国には、世界有数の銅鉱山を持つザンビアがあるね。 しかし、ここの経済は、逆に、泥沼だね。 その差はどこから来るのかね?私:著者は、ボツナワが優れた経済政策を立案して、堅実に実行したのに対して、ザンビアはそうしなかった点に原因があるという。 ザンビアでは海外援助は浪費に使われているという。 明日は、民族問題や、エイズの問題についてもふれてみよう。
2008.08.11
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私:朝日新聞の土曜のbe誌には、勝間和代のコーナーがあって、毎週、なにかの教訓が載っているね。 俺は勝間氏のアドバイスは、一言で言えば、「頑張れ」だけで、深い意味はないからこのコラムは読んでいない。 勝間氏のアドバイスは、現実には役に立つこともあるし、役に立たないこともあるからだね。 いつか、コメントしようと思っていた。 例えば、今朝の「先延ばしにすると、余計に面倒になる」というエメットの法則も、逆のほうがいい場合もある。A氏:どんどん手をつけろということかね。 慎重さを失いはしないかね。私:30年くらい前かね。 「ベイズの定理」というのがあった。 意思決定のとき、もっと正確な情報を待ってからにしたほうがいいかどうかの判断の分析方法だね。 すぐに行動せず待つ場合、追加の情報をえるためのコストと決定を延ばすコストを考える。 その合計コストをカバーして、それ以上のメリットがなかったら、待たない方がいい。 追加情報を得るメリットが大きければ、待ったほうがいいことになる。A氏:待って様子を見て「先延ばしにしたほうが、面倒にならない」ということもあるということか。私:勝間氏は「虫歯のような病気やトラブルへの対応も、先延ばしにすればするほど悪化する」というが、この例も問題だね。 現実には、歯医者に行かず、様子を見て治療を先延ばしにする損失コストと、その間、重要なビジネス商談をするメリットの方が大きいことがあるだろうね。 商談の後、歯医者に行けばいい。A氏:手術だって、医者は、いきなりやらず、もっと検査をして、追加情報を得てから決めましょうと「先延ばし」にすることもあるからね。 その結果、手術が不要になり、「面倒なこと」にならないこともある。私:世の中、「手遅れ」もあるが、「早とちり」もある。A氏:だらか、勝間氏の言いたいことは要するに「頑張れ」「イケイケドンドン」だけということかね。 後は一方的な理屈で飾っているようだね。私:一歩退いて、考えるという「相対思考」がないようだね。 原理主義は皆そうだね。 もっとも教祖はそうでないとつとまらないがね。
2010.07.24
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【送料無料】 イスラームから見た「世界史」 / タミム・アンサーリー 【単行本】私:著者はアフガニスタン出身でサンフランシスコ在住の作家。 最近まで、世界史というと欧米中心の歴史であったので、今、問題になっている中近東やイスラームに視点においた世界史を明確にすることが重要だということでこの本を書いたという。 A氏:我々も学校で学習した世界史は欧米中心の世界史でまとめると次のようになろう。 1.文明の誕生――エジプトとメソポタミア 2.古典時代―――ギリシャとローマ 3.中世―――キリスト教の興隆 4.再生―――ルネサンスと宗教改革 5.啓蒙時代―――探検と科学 6.革命の時代――民主革命・産業革命・技術革命 7.国民国家の出現――覇権をめぐる闘争 8.第1次世界大戦と第2次世界大戦 9.冷戦 10.民主的な資本主義の勝利――グローバル化の世界へ 私:これに対して「イスラームから見た世界史」は、次のような段階になろう。 1.古代―メソポタミアとシリア 2.イスラームの誕生 3.カリフの時代―――普遍的な統一国家の追求 4.分裂―――スルタンによる統治の時代 5.災厄―――十字軍とモンゴルの襲来 6.再生―――3大帝国(オスマン帝国・サファヴィー朝・ムガル帝国)の時代 7.西方世界の東方世界への浸透 8.改革運動 9.世俗的近代主義者の勝利 10.イスラーム主義者の抵抗 著者は、これらの活動が行われた地域を中近東という言葉では適切で無いので、ビザンティウムからインドを含んだ「ミドルワールド」としている。西洋文明が発達したヨーロッパ、「ミドルワールド」、中国文化圏と大きく3つに分かれ、地理的な状況で、15世紀頃まで、それぞれ独自の発展をする。 650ページの大著なので、ポイントを抑えながら飛ばし読みしたよ。 明日は、イスラーム誕生からふれていこう。
2015.03.14
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超マクロ展望世界経済の真実私:俺は水野和夫ファンだから、この新書は新聞広告で知って、すぐ書店で買ったよ。A氏:水野氏は、日本の経済成長神話は終了したという論者で、現在のデフレ脱却のために経済成長をとなえる多くの経済学者やエコノミストから批判されているね。 ある意味、少数派だね。 このブログでは、その知的街道として「下り坂社会を生きる」、「デフレの正体」、「経済成長という病・退化に生きる、我ら」と続いてきたね。私:この本は対談形式だから読みやすいが、奥が深いね。 しかも水野氏の対談相手は、これも異色の政治哲学者の菅野稔人氏だね。 この人は、俺ははじめて知ったが、水野氏より一回り以上年下の気鋭の若手学者だね。A氏:なんで経済に政治がからむだろうね。私:政治抜きでは経済が語れないからだね。 多くの経済学者やエコノミストは、政治と市場経済は独立のものと考える。 しかし、それらは密接に関係している。 例えば、資源価格の高騰だが、これは先進国と新興国のあいだの政治的な力が強く働いている。 新興国の台頭によって、エネルギーをタダ同然で手に入れることを前提にした近代社会の根底が揺さぶられている。A氏:新興国の台頭により、先進国が自分たちの利益を最大化するために、石油などの資源を安く買い叩くという構造の崩壊だね。私:その変化は1970年代から現れている。 先進国の儲けは減少傾向になり、途上国の儲けが上がりだす。 それまでは、先進国が安く原材料を仕入れて高く完成品を売る一方で、周辺諸国は高い工業製品を買って安い原油を売るという構造だった。 1990年代の半ば頃までは、原材料の値上がりは、技術の向上や製品への価格転嫁でしのいできたが、それ以降は限界が来た。 そこで、企業は利益を出すため、今まで固定費だった人件費の削減に手をつけた。 人件費は変動費になった。A氏:だから、日本では02年から07年のリーマンショック以前の6年間は長期の景気拡大をしたけれど、国民の所得は増えなかったんだね。 90年代半ばは、日本では派遣社員や契約社員の非正規労働者が急増した頃で、人件費が変動費になった影響だね。私:資源の高騰によって、景気と所得が分離された。 景気がよくても賃金はあがらないという構造になってきた。 景気が回復するというのと所得が回復するのは別の問題になってきて、連動しなくなった。A氏:先進国は実物経済では稼げなくなったということだね。 背景に先進国と途上国の政治的な力関係の変化があるということか。 経済を市場だけでは語れないということだね。私:先進国では少子化が進んでいるので、国内市場は収縮傾向だ。 そこで先進国は金融で儲け口を見出す。 例えば、最大のエネルギー消費国のアメリカは資源高騰で実体経済の打撃が一番大きかった。 そこで金融経済化の道を進む。 世界の余剰マネーがアメリカのコントロール下に入る。 アメリカの2001年のデータでは全産業の営業利益のうち、金融機関の利益が全米企業の49%を占めるほどになる。 95年から金融危機が起こる08年までの13年間で世界の金融機関で100兆ドルのお金がつくられた。A氏:アメリカの「金融帝国」化だね。私:アメリカだけでなく、先進国の曲がり角に立っていたヨーロッパもシェアが3割で、金融の道を進んでいた。 だから、アメリカだけでなくヨーロッパも今回の金融危機の痛手が大きかった。 明日は、石油価格とイラク戦争の関係に話を移そう。
2010.11.23
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私:サラリーマンになって、工場の生産管理を担当するようになったね。 もちろん、英語とは無縁の仕事だね。 そうして、10年くらいたったとき、会社がアメリカの大手企業と技術提携して、合弁会社を作り、工場敷地内に別建屋を作り1ラインを作った。 当時は、日本はアメリカから学ぶ時代だね。 最初は、アメリカから部品が来て、これを組んで、アメリカに送り返す。A氏:ノックダウン生産だね。私:俺がこの合弁に出向のような形で配属されたのは、英語の力でなく、生産管理の腕を買われたからだね。 アメリカとの合弁ということで、英語を知っておかなければと、会社は残業で駐留軍の若い米人兵士を呼んで、英会話の勉強を週2回位することになった。 最初、ペーパーテストがあり、上位のAクラスと下位のBクラスに分かれた。 俺はAクラスだが、ほとんどのメンバーは設計技術者だったね。 ところが、設計は多忙で、夜遅くまで仕事をしている。 残業時間で余裕があるのは管理部門の俺だけになった。 講習は、実際にはアメリカ人講師と俺の2人だけになった。A氏:理想的な家庭教師スタイルではないの?私:Aクラスの基本はフリートーキングだということだが、何を英語でしゃべっていいかわからない。 相手も日本語ができないから沈黙。 しゃべることがないと、今日、日中の仕事のことを英語でしゃべれと言われた。 ところがこれが難しい。 結局、沈黙が多いレッスンとなったね。 会社は欠席が多いので、英語の勉強は3ヶ月くらいでやめたね。 俺の英会話能力は、全く上達せずに終わったね。A氏:合弁会社にいた効果はなかったのかね。私:ところが、変なことから、英会話をすることになった。 それは、アメリカの会社の本社がシカゴにあり、これと毎日、テレックスでやり取りをするんだね。 常駐のアメリカ人は工場にはいない。 そのため、会社が、役員待遇である商社の海外経験のあるベテランを採用していた。 もちろん、英語はペラペラだね。 この人が、最初、シカゴに送るテレックス英語を書いていた。 しかし、この人は工場経験がないから、シカゴの問い合わせに対する返事が遅かったり、正確でなかったりした。A氏:英語がペラペラでも中身がないと意味がない好例だね。私:それに不在のときが多かった。 そこで、工場全体を把握している俺が、自然に返事を書くようになった。 書くのは高校英語で充分だからね。 会社は、そこまで俺が、英語ができるとは思っていなかったようだね。 俺は、誰の指導も受けす、自己流でテレックスの英文を書いたね。 シカゴ側は、正確な返事がすぐに来るので好評だったね。A氏:当時は、メールでなく、テレックスだったんだね。私:俺が英語の原稿を書き、タイピストがパンチしたテープを作る。 これを夕方、テレックスでシカゴに伝送する。 シカゴと時差が半日くらいあるから、シカゴでは朝、こちらの返事を見ることになる。 そして、返事や問い合わせを夕方送ってくる。 こちらには早朝到着する。 俺は、誰よりも早く、工場に来て、テレックスを読む。 それから、皆と協議したり、情報を集めたりして、午前中に返事や質問の英語を書く。 英語の電報は単語数でカネをとられるが、テレックスは語数で料金をとられる。 だから、平易な英語で簡潔さが要求される。 自然に英語が会話調になるね。 A氏:しかし、テレックスのやりとりだけでは、会話練習にならないね。私:その通りだね。 ところが、俺たち世代は、アメリカに負けたというトラウマがあるから、仇討ちのつもりで相手の返事がおかしいと徹底的に追求する。 そういう厳しいテレックスのやり取りを見て、シカゴ側が不安になり、アメリカ人一人を3ヶ月くらいの常駐者として派遣することになった。 彼が、日本に来て、毎日、英会話をせざるようになったね。 この結末は明日の話題にしよう。
2009.03.07
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送料無料/コンビニ人間/村田沙耶香 私:「コンビニ人間」は第155回芥川賞受賞作。 一昨日、近くのコンビニまで行って買ってきた。 A氏:小説「コンビニ人間」をコンビニで買うとは、寒い洒落だね。 私:昼頃、購入し、午後から、夜までかけて、40ページほどの作品を一挙に読了したね。 コンビニという日常、われわれが知っている職場を中心に描き、仕事や店員の人間描写が面白く、途中で投げ出すことがなかったね。 A氏:このブログの「8月8日朝日新聞日曜書評より」でふれていて、ここでは、文芸評論家の斎藤美奈子氏が新種のプロレタリア文学で、主人公が暮らすのは労働疎外の先にある世界であり、読者はときに哄笑し、ときに冷や汗をかきながら、景色が反転する感覚を味わうだろうと評していたね。 私:文藝春秋では、作品の掲載頁の前頁に「芥川賞選評」を掲載しているね。 各選考委員が短いコメントを載せている。 以前、石原慎太郎が選考委員のとき、彼の選評は独特なのでよく読んだね。 彼が推奨した作品はあまりなかったように思う。 同様に、村上龍の選評もよく読んだね。 二人の選評が似ているのは、あまり熱心に推薦しているものがなかったことだね。 石原慎太郎が選考委員をやめたので、特に選評を読むのは村上龍だけになってしまったね。 A氏:しかし、その村上龍氏の今回の「コンビニ人間」の選評は珍しく、べた褒めではないのかね。 私:村上氏は、選評で「現実を描き出す」というのは、小説が持つ特質であり、力だという。 そして、「コンビニ人間」の作者は「コンビニ」という、どこにでも存在して、誰もが知っている場所で生きる人々を厳密に描写することに挑戦し、勝利したと高く評価している。 そして最後に「この作品には上質のユーモアがあり、作者に客観性が備わっていることを示す。このような作品が誕生し、受賞したことを素直に喜びたい」と村上龍氏は選評文を終わっている。 A氏:コンビニには俺達が見ている活動以外に、裏の活動があるんだね。 新人は店長やベテランから訓練を受ける。 マニュアルがある。 交代の始まりに朝礼や夕礼があり、各自の分担や特売の準備などの指示がある。 私:俺はこの「コンビニ人間」の作品を読んでから、コンビニ行ったら、何故か、店員一人一人の動きが気になってきたね。 若い学生アルバイトらしい男子の店員が、サンドイッチの棚の商品を並べ替えしていた。 賞味期限の近いものを前に並べ替えをしているのだろうか。 コンビニの世界が、そのまま世の中の縮図のように感じたね。 今、マスコミはオリンピックだらけだが、それでもコンビニはいつもと変わらず、24時間、営業をしているわけだ。 日本の多くの企業がそうであるようにーーー。 そう感じたね。
2016.08.12
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