ワルディーの京都案内

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2021/09/08
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テーマ: 京都。(6436)
カテゴリ: 若冲と応挙
【2021年9月8日(水)】

 昨日午前中は年イチの健康診断で、隣のニュータウン内のエミナースに二人で行きました。二人とも、毎年オプションで付けている、標準腫瘍マーカーの検査もしていただきました。結果は約1ヵ月後に郵送されてきます。

 昨日の午後と、今日は、在宅で会の諸事を進めました。締めきりの明確な内容は、一昨日までに済ませたので、プレッシャーをあまり感じることなく進めることができました。


 「若冲と応挙」の第41回、「絵を比べてみる」の最終回です。


◆第4章 若冲と応挙を比較してみる(続き)

4-1 絵を比べてみる(続き)

 最後に風景画。若冲の風景画となると、人物画よりさらに少なくなります。その一つが以前にも紹介した点描を使った 図1「石灯籠図屏風」 です。近景と遠景を明確に描き分け、間には雲海を置いて、山は暈したうえで小さく描いて遠近感を表現しています。 図2応挙「江州日野村落図屏風」 。応挙らしい作品です。両方とも六曲一双の屏風(ここでは片隻のみ表示)で若冲は金泥引を、応挙は金砂子を使っています。若冲の絵は寛政年間(1789-1800)の作、応挙の絵は安永5年(1776)の作です。若冲の絵のほうが後です。若冲が「俺だって風景が描けるんだ。」と、応挙と同じように金を使って六曲一双の屏風で描き上げたとも考えられます。ただ同じ技法では面白くないので、点描画という斬新な技法を取り入れたのかもしれません。

図1 若冲「石灯籠図屏風」紙本墨画金泥引 六曲一双の右隻 京都国立博物館蔵(再掲)


図2 応挙「江州日野村落図屏風」紙本墨画金砂子 六曲一双の左隻 宮内庁三の丸尚蔵館蔵


 もう一つだけ、風景画のジャンルに入る絵を比較しておきます。 図3 は以前紹介した 若冲「乗興舟(じょうきょうしゅう)」 図4 はやはり以前紹介した 応挙「淀川両岸図巻」 です。若冲も応挙も伏見から大坂まで淀川を船旅して描いたようです。若冲作品は木版正面摺で、中国の風景かと思わせるような描き方です。応挙作品は、絹本着色の標準的なスタイルですが、左岸の建物が上下逆に描かれた部分があり、俯瞰図ながら船上の旅人の視線で描いているのが特徴です。同じ対象ながら、全く異なった作品に仕上がっています。若冲作品は明和4年(1767)作、応挙作品は明和2年(1765)作で、応挙作品のほうが少しだけ早く描かれています。若冲は応挙の作品を意識したうえ、正面摺の中国風墨画という応挙絵にはない技法で対抗したのかもしれません。当時、伏見から大坂への船旅が盛んだったことも、この2つの絵から窺い知ることができます。


図3 若冲「乗興舟」紙本木版正面摺(部分) 京都国立博物館蔵(再掲)



図4 応挙「淀川両岸図巻」絹本着色(部分) (公財)アルカンシエール美術財団(再掲)


 若冲、応挙二人の絵を、よく似た画題を取り扱った絵を中心に比較してきました。美術書には、この絵は応挙が若冲を意識したかもしれないとか、若冲が応挙に対するライバル意識丸出しで描いた絵かもしれないなんていうことはあまり書いてありません。たまたま両人の絵を同時に研究することになった私の個人的な見解でしかありません。見当違いかもしれませんが、その場合はこの浅学の身をお許しください。


(続きます)


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最終更新日  2021/09/12 02:23:55 PM
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