2016年01月10日
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戦争前、十代の頃までは
徳島市の東部に住んでいた。
助任川沿いの松並木の下に
小さい家が並んでいた。
朝日は大きい松の枝の間から昇ってくる。
戦後は山峡の田舎町で空が見えないから
太陽を仰ぐことがない。
だから朝日も夕陽もどこから出てどこへ沈むのか
見る機会がなかったようだ。
今ここは徳島市の西部地域で、
ベランダが西に開いているので、
毎日たっぷり夕陽がみられる。
夕陽が山の端に沈む時は「すとんと落ちる」
というような表現をいつかどこかで読んだか、
聞かされた記憶がある。
大きい太陽がすとんと落ちるなんて
大げさな表現だと思っていたが、
事実その通りなのに驚いた。
一筆描いて眼を上げると真っ赤の夕陽は
山の陰にかくれて、まったく見えなくなっていた。
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