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2006年10月12日
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気になる本  - 21世紀日本の情報戦略 - 


 数日前、「21世紀日本の情報戦略」(坂村健著)を読み終えました。

 著者は、東京大学大学院情報学環教授で工学博士であります。彼の
名前が一躍有名にしたのは、1984年からTRONプロジェクトの
リーダーとして、まったく新しい概念によるコンピュータ体系を
構築したことです。このことで世界の注目を集めました。
(参考)著者プロフィール
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2003/sakamura.html

 過去の報道では、TRONプロジェクトが失敗したということが
なされましたが、そうではありません。いまも、その流れは脈々と

デジタルカメラ、FAX、車のエンジン制御と世界でもっとも使われて
おります。

 さて、その本のなかから、非常に面白い部分がありましたので
ご紹介します。(決してコンピュータ等の情報関連の話題では
ありませんから、ご安心を)

 第二章 米国と日本のなかに、こんな表現がでてきます。



 「セロトロン」という脳内物質ある。この物質は不安感を抑える
物質であるが、この物質を受け取るレセプターの量が、遺伝子で
決まっているということが研究でわかってきた。
 このレセプターが少ないと、ストレスに弱く慎重になる。

「一人でも戦うぞ」という意欲がでる。勿論、これは統計的な話
である。
 セロトロンのレセプターが少ないタイプのS遺伝子と多いタイプの
L遺伝子の組み合わせで、日本人は、SS型が7割、SL型もいれると
ほぼ全員に達する。つまり、日本国民のほとんどが「不安に弱い」

いないLL型が3割もいて、逆にSS型は2割足らずである。
 やはり、日本人が駄目になったときの落ち込み方が激しいという
のは、先天的なものらしい。



 これには驚きました。なぜ、日本と米国の対応や対処が
違うのか を狂牛病やその他で問題にしてきました。こんな背景が
あるとは。著者は、だから、日米の文化も教育も制度も影響は
ここからきている(作られている)といっております。

 もっとも、「不安に弱い」ということは、裏を返すと、
著者もいっておりますが、「慎重で責任感が強く規律正しい」
ということになります。


 もう一つ。同じ章なのですが、ある製造メーカから聞いた話として
紹介しています。



 日本で工場を作る場合と外国で工場を作る場合では大きく異なる。 
日本では詳細なマニュアルを作らずともうまくいき、製品の品質を
保証できるのに、外国ではどこの国へいってもこまごまとしたことを
明文化し、細かい注意を明記し、日本人なら当たり前と思われることでも
いちいち言わないと物事が進まない。教育水準うんぬんより、
日本人なら以心伝心でいくことも、外国では細かいコニュニケーション
が必要で面倒。日本では「島の法則」が、そこそこに優秀な粒の
揃った人材を生み、互いに気配ることで以心伝心が可能になる。
 ただ、これも情報化社会では裏目にでてしまう。



 この本は、日本の情報戦略の本です。しかし、これほどまでに
対象とする国や国民を自国と比較してみた著書に出会ったのは
はじめてです。たしかに輸出入等の貿易統計、金融関係収支等の
比較は沢山ありますが、もっと本質を捉えたものがなかったですから。

 著者は、孫子の兵法「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」を
実践しているのです。米国のITバブルからの検証から日本の
情報産業の先にみえるものを指摘しています。

 情報産業に従事している方は、必読の本です。また、一般の方でも
現在のパソコンの行方(著者は消滅するといっておりますが)を
しるのも良書となるでしょう。

 パソコンは、IBMが自社の製品に、マイクロソフトのMS-DOS
というOSを搭載したのがはじまりです。日本では、IBMと対抗
して、各社から独自のパソコンがでてきました。一番の人気に
なったのは、NECのPC9801シリーズでしょうか。

 そのとき、選択できるワープロなどは、一太郎やOASYS、
そして遅れてでてきたWORDでした。

 いま、電器店にいきますと、NEC、富士通、SONY、東芝等
のメーカは、すべて、マイクロソフトのWindowsを搭載しております。

 マイクロソフトは、次期OSであるVISTAのRC1の
提供をはじめています。
http://plaza.rakuten.co.jp/sakae2/diary/200610030000/

 本当に1社が世界中のパソコンOSを集中していいものか、
その国独自のOSがあってもいいと思うのです。超漢字という
OSもでています。

 前回のメルマガで、「トウ小平」という書籍を紹介しましたが、
Windowsでは、「トウ」の漢字がでません。漢字の収録数が
圧倒的に少ないのです。古書を扱う身としては、不便このうえ
ないです。しかたがないので、画像を掲載した次第です。
http://item.furima.rakuten.co.jp/item/66761781/

 漢字国の日本なのに、漢字がパソコンで利用できないものが
でてくる というのは、米国の漢字消滅戦略かと思って
しまいます。(ここは冗談ですが)

(10月12日)

21世紀日本の情報戦略





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最終更新日  2006年10月13日 11時06分45秒
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