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2009年07月04日
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■気になる本 - 脳死移植 いまこそ考えるべきこと -


 ある男性は、「臓器提供意思表示カード」を保有して
います。自信をもって言えるのは、そのカードを運転免許証
とともに保有しているのを実際に見ているからです。

 どの臓器を提供するか、しないかはわかりません。
詳しくそのカードをみておりませんから。
但し、決して胃は提供できないでしょう。彼には、
胃は全部嫡出してないのですから。


運転免許試験所などに設置されています。また、公的な
施設以外にも、コンビニエンスストアなどに置かれています。

 今年の6月15日から全国のセブンイレブン店
約12,000店舗で臓器提供意思表示カードを再度、
一斉設置しています。

 「臓器の移植に関する法律」(平成11年12月22日法律第160号)
は、難産のすえ誕生しました。

 その制定過程をウィキペディアから参照します。


 この法律案は、1996年12月に第139回国会衆法第12号として
中山太郎議員他によって、議員立法として提出され、

 参議院では、1997年6月17日に一部修正の上可決され、
衆議院に回付された。衆議院では、参議院からの修正回付案に
同日同意が与えられ、成立した。法律の施行日は、
1997年10月16日。このように、衆議院で無修正の上可決された
法案が、参議院で大幅修正の上もう一度衆議院で同意が与えられ




(参考) 臓器の移植に関する法律
(参考) 臓器の移植に関する法律施行規則
(参考) 臓器の移植に関する法律附則第11条第1項の法律を定める政令


 さて、対象となる臓器は次のものです。
「人の心臓、肺、肝臓、腎臓その他厚生労働省令で定める内臓
(膵臓及び小腸)及び眼球」と法には定められております。

 あはっ、胃は対象ではなかったですね。すみません。


 ところで、「死」とはどんな状態をいうのでしょうか?。
著者は、次の3つを満たせば死亡というのが慣例といっております。
■呼吸の停止
■心臓の停止
■瞳孔(どうこう)が散大

 ようは、次の臓器の停止を確認しているだけです。
■肺機能の停止
■心臓機能の停止
■脳機能の停止

 そして、脳死についつては、時間をおいた2回の判定が
必要であると規定があります。

 そもそも、この法律は附則2条で定めているように、
施行後3年以内に見直さなければならないのです。
 ところが、政権与党は、この見直しを一切してきません
でした。


第二条  この法律による臓器の移植については、この法律の
施行後三年を目途として、この法律の施行の状況を勘案し、
その全般について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な
措置が講ぜられるべきものとする。



 法律の施行日は、1997年10月16日ですから、
2000年10月には、見直さなければならなかったのです。

 何故ですか?って。それは、同じ脳死でも移植対象か否か
で天と地の差があるからです。

 医学的に同じ脳死状態としても、移植のための臓器を提供する
人は、脳死と判定され、死体として移植用に利用されますが、
移植に反対した人は、生体として扱われるという矛盾がある
のです。


 いま,「脳死移植 いまこそ考えるべきこと」
(著者 高知新聞社会部「脳死移植」取材班、
出版社 株式会社河出書房新社、発行年月 2000年03月)
を読み終えました。

 著者の高知新聞社会部「脳死移植」取材班のプロフィールは
次の通りです。



高知新聞
 1904年創刊の高知県を中心とする地方紙。
発行部数は約38万2000部(朝夕刊)。
本書のベースとなった、連載企画「生命のゆくえ」は、
1999年の第42回日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)、
新聞労連大賞を受賞。
JCJ賞の受賞は96年の連載「流転-その罪だれが償うか」に
続いて二度目である。
http://www.kochinews.co.jp/



 ということです。

 では、何故、高知新聞がこの本の著者になったのか。
それは、日本で脳死による臓器提供の第一号の方がでたのが
高知県で、その報道に対して疑問を持ったからです。


 では高知での臓器移植はどうだったのでしょうか?

 それは、NHKのニュースから始まったといいます。
1999年2月25日。19時のNHKニュースで
「臓器移植法に基づく国内初の脳死判定がこれから
行われ・・・」という報道だったといいます。

 地元の新聞社としては、完全に出遅れたと思ったと
述べています。ニュースは、「高知赤十字病院」を
知らしています。


 いままで移植はどのように行われてきたのでしょうか。
著者は、1967年12月に南アフリカのケープタウンで
交通事故により死亡した20歳代の女性の心臓を50歳代
の男性に移植したのが、心臓移植の最初だといいます。
残念ながら男性は、20日後に亡くなりました。

 日本ではどうかというと、1968年8月に北海道で
行われた心臓移植が最初であるといいます。
 世界では30例目です。海水浴中に21歳の大学生が
溺れ、小樽市内の民間病院に運ばれました。
意識はなかったものの、自発呼吸があり、心拍もある
状況だったといいます。

 それが、札幌医大付属病院に転院し、和田教授は、
「患者は脳死」と判断し、同じ病院に入院していた
患者に、心臓移植を行ないました。
(共同新聞社の「凍れる心臓」に詳しく記述されている
といいます。)

 著者によると、転院した患者に、「筋弛緩剤」を打った
といいます。その場にいた麻酔科の医師はびっくり
したが、その部屋を追い出されたとのこと。
そもそも、筋弛緩剤は、蘇生に関係のない薬剤なのです。

 そして人工心肺をつなぐ処置の準備をしだしたと
いうです。あきらかに移植を前提として行動をして
いるようです。

 このような過去の移植時の判定が現場の医者にまかされて
いたものを法整備をしたのが、1997年の臓器移植法の
成立なのです。

 ところが、自民党を始とする政権与党は、3年後の
見直しの議論すら行いませんでした。今日、WTO
(世界保険機構)が、自国以外の臓器移植に難色を示すと
臓器移植法の改正案(A、B、C、D)4案を衆議院に
突然諮り、衆議院は評決でA案に決まりました。
(年齢を問わず、脳死を一律に人の死とし、本人の書面に
よる意思表示の義務づけをやめて家族の同意で提供できる
ようにする。利点は、家族の同意があれば、子供への
臓器移植が可能になってしまう。)

 参議院に送付された臓器移植法改正案は、一部議員の
提案により、もう一つの案が提示されております。
それは、E案と言われており、「内閣府に臨時調査会を
設置し、子供の脳死判定基準などについて、1年かけて
検討する」というものです。

 この背景は、深く暗い闇が存在しています。

 著者が指摘していますが、
■脳死判定医者と移植手術担当医者が同一
■脳死判定基準の見直しの必要性
■臓器提供者への最善の生命回復処置をしたか否か
■臓器移植に向けて治療を止めていないか
■情報がプライバシーとして何もでてこない(密室?)
という問題があります。また、臓器提供者の親族への
ケア、報道姿勢、等広範囲の問題が山積しています。

 政権与党は、この問題を12年もほったらかして
きたのでしょうか。

 たしかに移植で助かる可能性の命があるのはわかり
ます。しかし、だからこそ、誰もが納得できる方法を
選択できるようにしてほしいのです。

 まず、脳死は本当に人の死なのか?
たしか、最近も脊髄に電極を植え込み、脳に電気信号を
与えると、脳が活動したというニュースをみたことがあります。
とすると、脳死(脳という臓器があまり機能しなくても)は、
人の死だろうか という気がします。

 医学的には、脳死としなければ、移植用の臓器が手に
入らない(それ以外は、臓器売買か?)と思うのです。
 心臓が停止し、肺の呼吸が停止しすれば、臓器自体の
機能が低下し再利用ができなくなります。

 再利用のために、今後も生きるかもしれない人の
臓器を利用するのが忍びないです。

 また一方、iPS細胞を2007年末に京都大学チーム
が発見しております。
 この細胞は、臓器を作成する能力がありますので、
本人の皮膚からこの細胞を分離し、培養して臓器を
作成することが可能になるのではないか という夢を
与えてくれました。

 いま、世界中で研究をしております。日本では国家
プロジェクトとしているのでしょうか。こういうものに
ふんだんに予算をまわすことに、私は賛成です。

 臓器移植法による提供者、受給者の関係がいらない
のですから。そして、医療関係者も、提供者の身体に
充分に延命処置を本当に施したのかどうか、疑問に
思います。

 それほど、この問題は、たった1ヶ月くらいの
国会審議で決められる問題ではないのです。

 私は、2000年に見直す必要があったことを
見直していなかった という行政側の不作為について
厳しく問いたいと思います。(まだ誰も責任をとって
おりませんが。というか、この問題を本気で審議して
しなかったということに、憤りを感じるのです。)

 この本を読んで、私は思わず、自分が保有して
いる「ドナーカード」を破りゴミに出しました。

 また記入するかばうかは、法整備の内容と、
医療側の体勢、姿勢の問題が明確になってから
と思っております。

(7/4)


脳死移植いまこそ考えるべきこと





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最終更新日  2009年07月14日 13時03分11秒
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