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2020/11/25
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カテゴリ: 魚のお話
その魚、体長2mほどにして細長く

上顎は剣の如く長く尖り

鈍い青銅の背と銀箔の身体は平たく

大きく青黒い背鰭は芭蕉の葉を連想させる。






そんな魚に、触れる日がやって来る。






標準和名、バショウカジキ。

中型のカジキの仲間で、暖かい海を好む。和名の通り背鰭が非常に大きく特徴的で、英名ではこれを船の帆に見立てて「sailfish」と呼ぶ。水面にこの背鰭を出して泳ぐこともあるらしい。

一説によれば魚類で最も速く泳ぐとされ、そのスピードは100km/hを超えるとも言われる。…が、本当かどうかは定かではないらしい。





2020年10月はじめ頃。


アクアマリンには数々の珍しい生き物や活かすのが困難な生き物の飼育にチャレンジしてきた実績があるが(詳しくは前の日記を参照)、カジキの飼育に関しては未だ長期で成功していない(それでも2カ月くらいは飼育できてたらしい)。

そんな魚の飼育に挑戦するチャンスが、11年越しに巡ってきた。当時だいぶ話題になったからか、Twitterにいる水族館ガチ勢は我先にとアクアマリンふくしまに集っていた(らしい)。

自分は行かなかったのかというと…
まあ、人が一杯で見られないだろうし、いくらなんでもカジキもそんなに長くはないだろうし。TLに毎日流れる写真を見ながらいつも通り過ごしていた。




2020年10月24日。
仕事帰りによく行く魚屋、サカナバッカ中目黒店にバショウカジキが入荷したとのこと。アクアマリンふくしまの個体はまだ若く見えたが、こちらのはなんと30kgもあるらしい。

売り切れはないとは思ったがでっかいボウズギンポが売り切れてしまったことがあったので、念のためお店に連絡。店長さん曰く「明日の分もあるんで売り切れませんよ~」とのこと。

ちょうどこの日は早番だったので、仕事帰りのその足でお店へ。


ディスプレイは頭から身体の1/3くらいまで(吻はさすがに落としてあった)だったが、思っていたより大きい。


頭でっかちで、歩留まりは意外と良くはないらしい。細かいサシが入っているのか、身色がとても綺麗。

鹿児島県産で、国内の主な産地だそう。秋になると接岸し定置網に入るらしい。この事から秋を告げる魚として現地では「アキタロウ」と呼ばれている。そういえばいつだったかKさんがそんなこと言ってたな…。





ちなみにいいのか分からなかったが、ちょっとだけ鰭を触らせてもらった。乾いているのもあったが鰭膜は厚手のビニールのようだった。やっぱり作り物に見える(笑)


というわけで、焼き物用の切り身と刺身用の柵(腹身)を買ってきた。


切り身。焼くのが惜しいくらい綺麗な色。


刺身柵(腹身)。少し筋はあるものの、きめ細かい脂のサシが入っていてめっちゃ旨そう。




切り身はムニエルに。しっかり身が締まって食べごたえがある。しっとりしていて、強い旨味はないけど身質はいい感じ。下の3切れは店長さんにもらったウサギアイナメ。



見た目の割には良くも悪くもさっぱりした味わい。くどくなくて食べやすい脂。身の旨さをじっくり味わうなら背側の柵を買うべきだったかも…?これはこれで美味しいけど。


この日は旬のバショウカジキを味わいつつ、秋の夜更けに酔いしれていた。






そしてぼんやり思ってしまった

「アクアマリン行こっかな…」







………そんなもんだから、来てしまった。
2020年10月27日。アクアマリンふくしまへ。
(バショウカジキ以外の感想は全体編part1、2で)

入口の化石のコーナーの前にも看板が置いてあった。流石に気合が入っている。



順路を進んで福島の淡水コーナーのスロープを下っていくと、メイン水槽の一つ「潮目の水槽」が見えてくる。



あー、いたいた
小さめだけどたしかにカジキだ


搬入されて幾らか過ぎた頃に、もう既に吻はポキポキ折れてしまって最終的に下顎と同じくらいの長さにまでなってしまっていた。

それでも十分。太陽光煌めく水槽で、生きているときのメタリックカラーはなかなか見られるものじゃない。



デジカメを持っていったが、ぶっちゃけスマホの方が綺麗に撮れたりする。時々スピードを落とすときや旋回するときに背鰭を広げるととてもカッコいい。



背鰭は割と見られるが、腹鰭を広げるのを見ることは少なかった。両方ばっと広げるところを撮りたかったな…自分の素人撮影じゃこれが限界。



水槽がかなり広いので(マグロとかいるし)、カジキの存在感は意外にもいまいち目立たない。逆に言えばブルーバックホワイトベリーの役割が分かりやすいともとれるが。


知らないで通りすぎるお客さんも多かった。もっとも、「カジキ?ふーん」なんて人も中にはいるんだろうし。大物トローリングや遠洋漁業でもしない限り、一生のうちで生きているのを見られることはほぼないんだけどな。



小型個体だからというのもあるが、イワシの群れに紛れてしまうのも微妙に存在感が薄い原因?なのか。でもそこが環境水族館。カジキが特別なんかじゃなく、イワシやマグロと青い水の中を生きている姿が特別なのだ。だからこそ、目立たなくていい。カジキ本人?も落ち着いて泳いでいるように見えた。




てかマイワシもすっげえ綺麗。
キビナゴとかはよく見るんだけど、マイワシは潜っててもなかなか見ないので横から見せてくれる水族館はかなりありがたい存在だったりする。



カジキは外洋の魚ではあるものの、マグロやカツオなんかの他のサバ亜目の仲間たちと比べて白身に近い。従って常に高速で泳ぎ回ったりはせず、シイラのようにゆらゆらひらひらと優雅に泳ぐ。


その代わり瞬発力は凄まじく、群れからはぐれたイワシを見つけようものならすぐさま食らいつく。本来なら長い吻でイワシの群れを散り散りにさせたりするはずだ。




ともあれ、カジキがいてくれたお陰で水族館にまた訪れることができた。それに普段出会わないような魚にたくさん出会えたし、バショウカジキという魚をメディアではなく実物で知ることができた。

この先何回もこういうことがあるとは思えないので、有意義な日々だった。


いつの日か海で出会うことがあったら、青い芭蕉の葉に頭を下げておこう。








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Last updated  2020/11/25 07:19:23 AM
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