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ざり8727

ざり8727

2006年05月02日
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カテゴリ: うんちく
昨日の続き。


未だに多くの蔵元に新潟系淡麗辛口の面影が見えるという話でした。


端麗辛口というイメージって、きっと僕ら消費者以上に蔵元や杜氏さんに根深く浸透しているんだろうなぁと思う。それくらいバブル前の吟醸酒ブームっていうのはインパクトがあったのでしょう。


もちろん新潟酒ブームを支えた今の50代前後の世代は今でも淡麗辛口を好むから、消費者ニーズに合っているともいえるけど。


でも、ひとつ腑に落ちないのが、「創業数百年の我が蔵は伝統ある製法を守って・・・」などというコピー。これは嘘でしょ。


醸造アルコール添加は確かに江戸時代から柱焼酎という技法があったから拡大解釈すれば伝統ある製法のひとつかもしれないし、火入れ、加水はその通りだからいいと思う。


しかし。


活性炭濾過はどうだろう。過去の経緯は詳しくないけど、少なくとも新潟系淡麗辛口ブーム以降急速に技術の進歩と共に普及してきたイメージがある。


確かに活性炭濾過は安定した酒質を保つためには必要かもしれない。しかし、伝統ある製法ではないだろう。





私がここで強調したいのは、 活性炭濾過が悪ではないということだ。


活性炭濾過は雑味も取れる反面、うまみも取られる。つまり、いい酒を造っても多少悪く造っても濾過を強くかければ最終的にはあまり違いがない酒ができあがることになる。


大手が資本にモノを言わせて活性炭濾過バリバリの淡麗辛口酒を安価に出せる時代に、中小の蔵元は何を目指して酒造りをすべきなのか。私は少なくとも大手のように機械に頼って醸せる酒を追随するのだけは避けてもらいたいと思ってる。


同じ醸造酒であってもワインと日本酒の最大の違いは技術である。多少の米の優劣や気候の差違があっても、杜氏の高い技術によって日本酒は安定した酒質になり得る。酵母菌と麹菌が共存して複雑な醸造過程を経る日本酒独特の製法が、杜氏という世界最高峰の技術者集団を作りあげた。


今巷に氾濫するただ廉価だけを追い求めた(ように見える)淡麗辛口酒にその素晴らしい技術が果たしてどれほど活かされているのだろうか。私は甚だ疑問でならない。


活性炭濾過は安定した酒質を実現できる画期的な技術であることは間違いない。しかし、弊害として酒質の無個性化と技術の低下があるとすればそれはとても悲しいことだ。


ぶっちゃけ、東京の有力酒屋でも日本酒プロデューサーでも、高木酒造でもどこでも誰でも構わないから、日本酒業界自体を新潟淡麗辛口のイメージから日本酒本来の味わいを残した酒へと転換するきっかけがでれば、日本酒は劇的に変わると思う。


と、まあそんなことをつらつら考えながらこっそり持ち込んだ酒で一献傾けながら露天風呂を満喫してきたのでありました。ちゃんちゃん。





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最終更新日  2006年05月02日 22時04分08秒
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