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カテゴリ: 今日のつぶやき
夏に数々放映された「終戦特集番組」の中で、例年になく多いと感じたのが、「戦争体験者の話を聞く」企画でした。

40年経っても50年経っても口に出せなかった強烈な記憶を、60年目にやっと語れるようになった、ということでもあるのかもしれません。
が、恐らくそれ以上に
「もう、今聴いて(語って)おかないと、10年後には皆この世にいないかも」
という危機感が切実になってきたのでしょうね。

あの『朝まで生テレビ』も、「旧帝国軍人が語る!」というテーマの座談会を2回に渡って放映していましたが、出演された多くの方が耳が遠くて会話が聞きづらそうだったり、休憩からすぐに席に戻れなかったり…という状態でした。

70年代後半に作られた、NHKドラマの名作「男たちの旅路」。
ここで、主演の鶴田浩二さん演じるガードマンの吉岡は「特攻隊の生き残り」という設定でした。

ということは、あの吉岡が今まで生きていたら、「朝生」に出ていたあのご老人たちということなんだなぁ…


この日放映された「シルバーシート」については、 まろ0301さん が読み応えのある感想を書かれています。

ドラマの中で起こる大きな出来事は、4人の老人がホームを抜け出し、都電の車庫で一台の電車を乗っ取る、という事件。

「4人のおじいさん」と「犯罪」という組み合わせで、先日見た 「死に花」 という映画を思い出しました。

「シルバーシート」の老人たちに比べて、「死に花」の主人公たちは、会費が何千万も必要な超高級老人ホームに暮らし、企む犯罪は「銀行の地下金庫破り」と、同じ「老人犯罪もの」(そんなジャンルないですけど)でも、全然スケールが違う話なんですが…

『老人』と『若者』という二つの異なる世代がぶつかり合う…という設定は両方の作品にあるのですが、その間に挟まる「中年」の存在感が、21世紀に作られた「死に花」では、吹き飛んでしまっています。

「男たちの旅路」では、「若いやつは嫌いだ」と言い切ってはばからない鶴田浩二に、それでも水谷豊や桃井かおりは、反発しながらも相談をもちかけたり、思いをぶつけたり…
(あの人なら、どう言うだろう?どう感じるだろう?)
という存在として、目上の年長者がきちんと機能しているんですよね。

すでに「若者」の世代からは足を洗おうとしている私、では「中年」としての存在感を発揮できるか?と言われたら、うぅーっと口ごもるしかないのが情けないのでした…



私も何度も見ているんですが、老人や障害者という「社会的弱者」に目を向けながら、クライマックスでは、彼らに向かって、主人公が真正面から「キッツイこと」(by水谷豊)を言うわけです。
一段高いところから見下すようなドラマにはしない、という、山田太一脚本の意思と力量を堪能します。
多くの人に、忘れられずに受け継がれてほしい作品です。

【水谷豊、若い頃のあの躍動感はすばらしいです!】
男たちの旅路 第3部 -全集- 死に花

それにしても、笠智衆さんが「おじいさん役なのに何だか若い」というのが、いつ見ても不思議な感じです。


「死に花」では、最近お見かけしないなぁと思っていた長門勇さんの怪演を堪能しました。





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最終更新日  2005.10.11 00:30:13
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