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気品と緊張感、佐藤文吉 60 代後半一つの完成形

昨日に続き 60 代後半の作品。文吉としては天童に移住してから落ち着きを取り戻して自在な作風をいよいよ深めて一つの完成に到達した時期である。匂い立つ気品と緊張感とでもいえるもの。
及位時代後半の強烈な面描は影を潜め、なめらかな眉、左右対称な目、小さな鼻、頭部の形態はやや横長となって安定する。向って右の眉と目はやや小さい。これはこれ以前 50 代に入ってからの特徴でもある。
画像の 3 本は向って右から、髷付で胴模様は牡丹、手絡(頭)と重ね菊、伊之助型でろくろ線に椿と自由である。この胴模様はこの頃の定番であるがどれをとってもバランスがいい。
この 3 本は鼻がやや長鼻になっていることが、これまでとは異なる。昭和 62 年、昭和 63 年と胴底にあるもの。つまりは 65 歳から 66 歳である。なお胴裏に書く年齢はこのごろから満年齢になる。これも一つの心境の変化かも知れない。
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