人生の楽しみは後半にあり!

人生の楽しみは後半にあり!

2026年07月31日
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カテゴリ: Oの人生論
2004年の中越地震で被災し、
引っ越した東北で東日本大震災を体験した知り合いがいる。

震度7に2回も遭遇するなんてどういうことだろう?

こんな言い方は失礼だが、
彼のくじ運の悪さというか、良さなのかもしれないが、
その話を聞いたときは驚いた。

考えてみると、
熊本には、
3回も震度7を体験させられた人がたくさんいるわけだ。


3回もの生きる死ぬにかかわる強烈な出来事は、
経験としてプラスに働くようになるのだろうか、
それともトラウマとして残ってしまうのだろうか。

ぼくは1回だけ、
死ぬかもしれないという体験をしたことがある。
30代前半のころだ。
9月だったか、
1泊2日で伊豆の下田へ取材に行った。
仕事を終えて伊豆急下田の駅に向かうバスに乗った。
前の日から強い雨が降っていた。
もう一泊しようと思ったが、

「これくらいの雨なら大丈夫だろう」と帰ることにしたのだ。

バスに乗り込んだら、
雨はますます強くなった。

山間の細い道を駅に向かう。
左側は崖、右は川。

ゴーゴーと音が聞こえてきそうな荒々しさだ。

バスにはぼくと運転手を含め10人くらいが乗っていた。
登山帰りのかっこうのおばさんたちのグループと若い男性2人。

こんな雨でも電車は動いているのだろうか。
東京への帰り道が心配になるほどの豪雨になっている。

「あれ。どうしたのかな」
バスが止まった。
ぼくは後ろの方の席にいた。
ワイパーがせわしく動くフロントガラス越しに前を見た。
えっ!
がけ崩れだ。
土砂が道をふさいでいる。
バスでも乗り越えるのは難しそう。
仕方がない、戻るしかないな。
Uターンできるのだろうか。
後ろを見た。
えっ! えっ! えっ!
後ろも道がふさがっていた。

それも崖沿いにあった家を飲み込んでいるではないか。

バスは前にも後ろにもいけない。
ここで夜明かしだ。
明日になったら救助がくるだろう。

まだ割と余裕があった。

そんなときに、
大きな音とともにバスが激しく揺れた。
崖崩れだ。
バスに直撃。
バスは濁流が流れる川に向かって、
ずずっと横滑りした。

もう一撃あれば、
バスごと荒れ狂う川に流さる。
恐怖が突き上げてきた。
もう余裕はない。
ほかの乗客もバスの外へ出て、
右往左往している。
どうしていいのかわからない。
みおんなパニックだった。
再度がけ崩れがあれば、
ぼくの名前はこの豪雨の被害者として新聞に載ったに違いない。

一番冷静だったのは運転手だった。
地元の人だった。
「ここを登れば蓮台寺の駅がある。そこまで歩けば大丈夫だ」
彼は崩れた崖の横の比較的緩やかな斜面を登り始めた。
ほかの人はどうしていいかわからず、
おろおろしている。
二番目に冷静だったのはぼくだった。
「運転手さんについていくよ。ここを登るよ」
ぼくが声をかけると、
ほかの人たちもぼくのあとに着いてきた。

運転手さんに先導してもらって、
蓮台寺の駅にたどり着いた。
3時ごろに登り始めて着いたのは5時。
雨に濡れてびしょびしょの体だった。

たぶん、
運転手さんがバスから無線で連絡してくれたのだろう。
蓮台寺の駅にレスキュー隊がやってきてくれて、
ぼくたちを救出してくれた。

このブログを書いていて「あれっ」と思ったことがある。
35年ほど前の話だが、
ぼくは今の今まで、
崖崩れでつぶれた家の人たちのことを考えたことがなかった。
数十メートル後ろで家がつぶされていたのに。
作業小屋だったのか民家だったのか、
そこも記憶はないが、
民家だったら、
人が生き埋めになっていたかもしれないのだ。

もう自分たちのことで精いっぱいだった。

そして、
助かったら、
良かった良かったで精いっぱい。

あのとき生き埋めになっていた人がいたとして、
ぼくには何もできなかった。
しかし、
そこに意識が向かなかったことに、
あれっという思いがあって、
今、ぼくは不思議な感覚の中にいる。

バスの運転手から連絡はいっているだろうけれども、
もっと「大変だ! 住宅がつぶれて人が生き埋めになったかもしれない!」と大騒ぎしても良かったのではないか。
レスキュー隊の人に話しても良かったではないか。

それも、
そのことに気づいたのは35年後とはどういうことだろう。

熊本で大地震があって、
イオンの爆発でも、
スタッフの人たちはお客さんを安全なところに誘導して、
ほっとしてお店に戻って亡くなった方もいるそうだ。

自分の身も危険なときに、
人のために動ける人を、
ぼくは尊敬する。

バス会社が手配してくれた宿に着いて、
お風呂に入ったときの幸せ感。
おむすびがおいしかった。
ビールは最高。

その陰で、
35年間、
土砂に埋もれた家のことは覚えていても、
その下にいるかもしれない人のことは考えたこともなかった。

今更ながら、
もしあの家の下で亡くなった方がいたら、
ご冥福を祈りしたい。

でも、なんで今。
たぶん熊本の地震が引き金だろうが、
これまでの災害では思わなかったことを、
今回は・・・。
なんでだろう???




















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Last updated  2026年07月31日 18時46分48秒
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