竜胆輪道 (りんどうりんどう)

竜胆輪道 (りんどうりんどう)

June 5, 2009
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100頁ほどと短い物語ですが、面白く読めました。

物語自体は人情噺で予測の域を出ないですが、安易に落とし所へ行き着くということはなく、読ませます。

物語の展開を予想よりも引っ張るのが上手く引きつけるのだろうなと。


何よりも魅力的だと感じたのは、話しているそのままを文章に起こしたような落語調、講談調の語り口で、読んでいてとても心地よい!
(読んでいると、落語や講談を聞きたくなる作品)

日本語の(言葉の)リズムが好きな人なら、一つ一つの文章を味わいながら読むことが出来ます。

主人公は、「のっそり」とあだ名され、周りからはうだつが上がらないと見られている大工の十兵衛

兄貴分(親分?)の源太に対抗して、五重塔建立を自分に任せて欲しいと願い出る。

源太は申し出に対して、折衝案を提示するが…





このモデル的な交渉の仕方だと思いました。



「二寸三寸の手斧傷に臥て居られるか居られぬ歟、破傷風が怖しい歟仕事の出来ぬが怖しい歟、よしや片腕奪られたとて一切成就の暁までは駕籠に乗つても行かでは居ぬ、ましてや是しきの蚯蚓膨に」

職人気質とはこのこと。

やるべき仕事は誰が見ていようと見ていまいと、責任を持ってやり遂げる。

思うところがあれば頑固に貫く。


特に源太は、現代のどんな仕事に就いても成功するのではないかなと。

源太の言葉
 ↓
「世間は気次第で忌々しくも面白くもなるもの故、出来るだけは卑劣なを根性に着けず瀟洒と世を奇麗に渡りさへすれば其で好いは」


源太の描写
 ↓


「義には強くて情には弱く意地も立つれば親切も飽くまで徹す江戸ッ子腹の、源太は柔和く問ひかくれば」


描写も美しい!

「飛石の画趣に布れあるところ、梧桐の影深く四方竹の色ゆかしく茂れるところなどめぐり繞り過ぎて、小やかなる折戸を入れば、花も此といふはなき小庭の唯ものさびて、有楽形の燈籠に松の落葉の散りかゝり、方星宿の手水鉢に苔の蒸せるが見る眼の塵をも洗ふばかりなり」

「紅蓮白蓮の香ゆかしく衣袂に裾に薫り来て、浮葉に露の玉動ぎ立葉に風の軟吹ける面白の夏の眺望は、赤蜻蛉菱藻を嬲り初霜向ふが岡の樹梢を染めてより全然と無くなつたれど、赭色になりて荷の茎ばかり情無う立てる間に、世を忍び気の白鷺が徐と歩む姿もをかしく、紺青色に暮れて行く天に漸く輝り出す星を背中に擦つて飛ぶ雁の、鳴き渡る音も趣味ある不忍の池」


青空文庫


五重塔改版







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Last updated  June 6, 2009 12:33:53 AM
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say-zz @ Re:カルーゾ男だ!! ジロ第二十ステージ(05/30) ビルバオ最後の登りまで引いて凄かったで…
JAJA♪ @ Re:カルーゾ男だ!! ジロ第二十ステージ(05/30) とにかくビルバオ、今日は誰がなんと言お…
say-zz @ Re:未舗装で総合変動 ジロ第十一ステージ(05/20) 山とTT以外に差がつくのは強風が吹いた時…
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