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7/1(金)おはようございます。今日から月も新たに頑張りましょう。月初にして金曜日というのが何となくいい感じ。花村萬月『触角記』文春文庫。次郎は17歳で、日々怠惰に過ごし、学校へもろくに行かない生活を送っている。ただ、ギターだけは別で、吉祥寺で週二回、芸大出身の晶子の「お嬢様部屋」まで通っている。晶子はスタジオがあるビルのオーナーの娘で、最初は講師として生徒を受け持っていたのだが、そのわがままのせいもあって生徒が離れ、「お嬢様部屋」と呼ばれる晶子だけのスタジオで次郎にレッスンをしているのだった。そんな晶子と妙にウマが合う次郎は、晶子に誘惑され初体験をする。晶子には体験を重ねると自分が見えてくると教わった。浮世離れした次郎には、女性に何か訴えるものがあるらしく、同級生の芙美子もまた次郎のことが気になっていた。初体験をした後、自慰を母に見られた次郎は、母の視線に女を感じた。そしてある日、母とも関係を持ってしまう。そんな自分を持て余し気味の次郎だったが、芙美子ともついに関係を持ってしまう。その芙美子に誘われバイクで行くあてのない旅を一緒にすることを決めた。明日のことを考えたことも無かった次郎だったが、芙美子とともにバイクで無限の時間に踏み込んでいくと何かが見えてくるような気がした。エロ小説に近い感じだけれど、この著者が描く世界は何とも言えない独特の雰囲気が漂ってるんだよね~。大体、この著者の作品の特徴は、暴力、音楽、性の描写なんだけど、この作品は暴力が無い仕上がりかな。解説で室井佑月さんは自分の芸名に月を入れた理由が、花村萬月さんの本が好きだったからということ、そして文章を書きながら、ホステスをしていて、萬月さんに文章を褒められた翌日にホステスを辞めたことも書いていますね。取っ付き難い感じがある作家ですが、読んでいく内にハマる可能性大だと思います。ちなみに、このブログでも紹介しましたが、「ブルース」は傑作です。 【中古】文庫 触角記【10P24J...価格:150円(税込、送料別)これは最速!飲む気失せるね・・・非常食?励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村
2011年07月01日
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3/3(木)おはようございます。天気も良くすがすがしい朝です。昨日が二日酔いでBadだっただけかもしれませんが・・・ひな祭りということで元気を出して頑張りましょう!今日は、ベルの誕生日。花村萬月『わたしの鎖骨』文春文庫。短編5編を収録。相変わらず何とも言えない味がある作品でした。妻がある私とカオルとの濃密な時間を描いた「カオル」、バンドでギターを担当する錠一郎とその追っかけのブスとその兄との諍いの裏にあるボーカル聡美との不器用な愛を描いた「ハコの中身」はまさに真骨頂と言った作品です。「新宿だぜ、歌舞伎町だぜ」も、廃業し今は用心棒としてマリオの下で働く蒼ノ海と、元警視庁の切れ者だった猫を絡めた、暴力あり、笑いありのドタバタが印象に残ります。この作品の解説は真保裕一さんが行っており、それもうれしいおまけでした。今までの花村作品を俯瞰し、花村自身の言葉を引用しながら、その特徴を解説しています。良く出来た解説で、今まで花村作品を読んだことが無い人でも、その特徴を掴むことが出来るものとなっています。かなりの絶賛ぶりです。そういった意味でもお買い得といって良いかもしれません。【送料無料】わた...価格:510円(税込、送料別)何屋かな?イージー過ぎるネーミング・・・ブリトニーの正体見たり・・・アホがここにも・・・皆様いつも大変感謝しております励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村
2011年03月03日
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2/15(火)おはようございます。雪が積もってます。新幹線が遅れて、車内で泊まった方もいるようです。凍結に注意してお出掛け下さい。今日は、ガリレオ・ガリレイの誕生日。花村萬月『イグナシオ』角川文庫。修道院で生活をする混血の美青年イグナシオは明確な殺意をもって、親友とまで言われていた下山をバットで撲殺した。警察の厳しい追及にも、IQ178の頭脳を駆使し、事故で決着した。事故現場をたまたま目撃した修道女・文子は、その母性もありイグナシオに沈黙することを約束し、遂にはイグナシオが施設を脱走する最後の晩に結ばれさえする。新宿に出たイグナシオは幸子という女性と知り合い、幸子に連れて行かれたバーで働くことになるが、そこのマスターがホモでイグナシオとの関係を迫ったため、イグナシオはまたも殺人を犯してしまう。その現場に居合わせたヤクザの親分・大谷はイグナシオを事務所に連れて行き、美貌の妹・茜に世話を命じ、一緒に住むことになった。茜と同居しながらも関係を持てないイグナシオは、時として訪れる暴力衝動を抑えきれず、そのはけ口として幸子を訪ねるが、その際幸子の彼氏である左翼の男をまたも殺し、幸子を荒々しく抱くことでようやく衝動が治まるのだった。そして遂には、世話になった大谷をも手にかけることになる・・・。著者の特徴でもある暴力・性・音楽が融合された傑作との声が高い作品。己の居場所を求めて彷徨うイグナシオの魂の叫びが聞こえてきそうな程、切なく、悲しい物語。この著者の作品はとっつきにくいし、合う合わないがあると思いますが、1回読めば何故かハマってしまう方は多いんじゃないかな?そういう魅力のある作家です。【中古本】 イグナシオ ...価格:200円(税込、送料別)How much?何を売ってるんだろう?何をそんなに?皆様いつも大変感謝しております励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村
2011年02月15日
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1/6(木)おはようございます。今日はジャンヌ・ダルクの誕生日。コールド・プレイのアルバムのジャケットでも有名ですね。それはさておき、今日も頑張っていきましょう風が強くて寒いです。花村萬月『ゴッド・ブレイス物語』集英社文庫。著者のデビュー作。19歳のロックシンガー朝子と、ヨシタケ、タツミ、カワサキで構成された「ゴッド・ブレイス」はライブでも人気のロックバンド。弱小芸能プロダクション社長の原田の言う「割のいい仕事」を真に受けて、ライブまでキャンセルして京都へ出向くが、行ってみて騙されたことを知る。そのため1ケ月もの間、高級クラブで働かねばならなくなった朝子たちの様々な人間模様を描く物語。音楽・暴力・性を生々しく描くことで人間性を露わにする著者独特の作風はデビュー作にして、その端緒を見つけることが出来ます。京都での雇い主である社長の不器用な愛情表現、最後のライブシーンなどの書き方は巧さが光ってますね。後に繋がる花村作品のエッセンスが見られる点でおススメです 【中古】文庫 ゴッド・ブレ...価格:17円(税込、送料別)ん~、座布団1枚!飲食危険!皆様いつも大変感謝しております励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村
2011年01月06日
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12/6(月)おはようございます。今日は暖かいようですね。11月上旬位の気温だそうです。急に寒くならなければいいですね。憂鬱な月曜日ですが、今週も頑張って行きましょう花村萬月『皆月』講談社文庫。一流建設会社に勤務し、橋の設計に携わる諏訪徳雄は、ある日突然、妻の沙夜子に逃げられてしまう。沙夜子は、「みんな、月でした。がまんの限界です。さようなら」と謎の手紙を残して、男と逃げたのだった。諦めきれない徳雄は、沙夜子の弟でヤクザ者のアキラに相談する。アキラは自分を一人の人間として扱ってくれる徳雄のことが好きで、何でもしてあげたいと思うのだが、上手く気持ちを伝えられないでいる。一方、アキラの紹介で知り合ったソープ嬢の由美もうだつのあがらない徳雄をオッサンと呼びながらも、一緒に暮らし離れられないでいる。自分の過去にけりをつけるため、アキラ、由美とともに沙夜子を探しに行く先にあったものとは、一体何なのか?社会の底辺で生きながらも、自分は誰かに必要とされているという気持ちを持って生きようとする3人がとても眩しく感じます。「みんな、月でした」とは、月は自ら光ることが出来ずに、太陽の光を反射しているだけということで、自分の周りには、自分も含めて日を照らすことが出来る人間がいなかったという沙夜子の深い孤独を感じさせるところが印象に残りました。こういう小説を書かせたら巧いですね、この人は。好き嫌いが出る作家かとは思いますが、以前紹介した『ブルース』とともに一読をおススメしたい本です皆...価格:660円(税込、送料別)正しい写真撮影の仕方!先が思いやられる?皆様いつも大変感謝しております励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村
2010年12月06日
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11/15(月)おはようございます。今日は眠い恐らく昼ご飯食べた後は、大きな波がくる可能性大。その対策としてはこれかな茶と言えば花村萬月『ブルース』角川文庫。挫折して今はドヤ街の中年のブルースギターリスト村上、村上に惚れてるのに何も出来ない日本刀を振り回すホモのヤクザ徳山、徳山の唯一の親友にして歌姫の綾の3人を中心に描かれる極めて濃密な物語。巨大タンカーで死んだ村上の友、崔は、労働者を監督していた徳山によって殺されたも同然だった。それを知った村上は何を考え、行動するのか?決して円満では終われない二人の結末はどうなるのか?どっぷりという感じの重さです色々な背景、感情などが入り混じる、まさに題名にもあるブルースというのがぴったりくる濃さ、その筆力はすごいと思います。花村作品の中では1,2を争う名作ではないかと思いますブル...価格:860円(税込、送料別)皆様いつも大変感謝しております皆様の応援が元気の源励みになるので応援頂ければ幸いです。にほんブログ村
2010年11月15日
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