ひーちゃんのゼミナール 名古屋産業大学(現代ビジネス学科)・大学院環境マネジメント研究科)現代の社会・経済・環境・芸能・スポーツ・宇宙

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2020.03.28
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カテゴリ: 政治・経済
新型コロナウイルスと過剰生産恐慌

「コロナ不況」ということがささやかれるようになってきたのは、2020年2月末、NY株式市場で株が大暴落し、さらに東京市場においても連続して下げるなど、新型コロナウイルスが世界的に拡大していることに市場が反応した時期からだ。最近では「90年前の世界大恐慌に匹敵する世界恐慌に発展する」などと、まことしやかに過大表示する評論家も現れている。ともあれ、世界同時株安という兆候が起きており、しかも工業株が値下がりしており、中国湖南省の経済が壊滅、世界の工場・中国の生産停止を受けて、工業生産のサプライチェーンが寸断されていることを反映しており、製造業の「過剰生産恐慌」という性格をもった景気後退を、株価が織り込んだことの結果の株安と言える。今後とも、ウイルス対策の動向を反映して、神経質な動きを展開するだろう。
 日本では、昨年(2019)秋の消費税率引き上げに伴う消費購買意欲の減少を背景として、実質GDPに陰りが出ていたところへ、豪雨災害の影響が出て、2019年の10-12月四半期は低下に転じた。
 年が明け、武漢発の新型コロナ感染の拡大を反映して、さらにGDPはマイナスを持続し、新型コロナウイルスの世界への蔓延が進むと、このグローバル経済の悲観的観測が一気に噴出してきたように見える。
 コロナ不況は、対応を誤ると世界同時不況、2008年のリーマンショックを上回るパニック(恐慌)へと展開することも覚悟しておかなくてはならない。
 株価の変動というものは「実体経済」の変動を織り込みながら、金融システムのかく乱をもろに反映する。1929年の世界恐慌は、この金融システムの瓦解を反映していたが、幸いなことに、世界実態経済への連鎖は、日本の昭和恐慌を除けば、さほど深刻なものではなかった(と認識しているが、筆者の認識不足かもしれない)。
 今回のリセッション(景気後退)で懸念される不況は、グローバル化した経済と観光・サービス業を含むサプライチェーンの連鎖にひびが入ることで一気に噴出するのではないか。こういう意味で「過剰生産恐慌」という古典的な恐慌になるのかもしれない。
ここで「過剰生産」恐慌ということを、少し、伝統的な経済学で考えてみたい。過剰生産恐慌は、恐慌の背景に、大衆が窮乏していたり消費を制限していたりするところから来る。昨年秋に行われた消費税率の引き上げと、豪雨災害による消費購買力の減退がこれに当たる。
この場合、社会における消費能力の減退分に見合う生産力の縮小が行われれば、経済全体の縮小均衡が起こり、この実体経済の萎縮を反映した株価は下落する。武漢発のウイルスの蔓延にともなう人為的な生産水準の削減は、製造業からエンタメ産業、スポーツビジネスへと波及し、世界経済全体の「底抜け」へと展開している。世界経済全体が縮んだ消費力を反映した「過剰生産」水準にあり、ケインズの「有効需要」の過少均衡へと進んでいる。新型コロナウイルスは、オリンピックという人為的な有効需要をターゲットにし、このメガクラスターを崩壊させることで、「集団免疫」の均衡を得ようとしているように映る。

 2月に開かれたG20でも、今後有効な追加対応措置を出す用意があるとは言っていたが、今のところないに等しい。また韓国、日本の対応も感染の拡大を食い止めるための、目先のびぼう策しか出せておらず、感染拡大の懸念は払しょくされておらず、パンデミックの様相さえ呈している。
(2020-03-02 3/28加筆修正)





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最終更新日  2020.03.28 11:56:12


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