戦国ジジイ・りりのブログ

戦国ジジイ・りりのブログ

2012年01月30日
XML
カテゴリ: 旅日記(中国)
今回の旅での二大萌えスポットのうちの一つは、

萌え中の萌え~な一角へと向かう。

奥にあるのは、「七盛塚」。
平家の方々を祀っている。

ああ、ついに来た・・・!

でも、塚の手前には「芳一堂」があるので、こちらをまず先に。



芳一堂はその名の通り、耳なし芳一を祀るお堂で、
昭和32年、地元の有志によって建てられたものだそうです。


あります。

耳なし芳一は、小泉八雲の『怪談(Kwaidan)』の冒頭を飾るお話で、
古くには「耳切り団一」といったそうです。

芳一さんの不思議なお話については、お話によってディテールに差があるようですが、

 ・平家の亡霊のために、芳一さんが夜な夜な野外コンサートを行っていたこと
 ・芳一さんがとり殺されることを心配した和尚さんが、体中にお経を書きつけたこと
 ・うっかり者の和尚さんが耳にお経を書き忘れたために、芳一さんが亡霊に
  耳を持ってかれちゃったこと
 ・とにかく芳一さんは命拾いをして、皆で平家の供養に努めたこと

という重要なファクターについては、おおむね共通してるみたいですね。

「史跡めぐりの根っこ」 にも少し書きましたが、


怪談なんて、大嫌い。
『みみなしほういち』の『みみな・・・』くらいで、耳をふさいで
「やめてーーーっ!!」
て言うくらい嫌い。怖い。怖かった。

それが、まあ年を取って感覚が鈍くなったせいか、


むしろ、今から思うとなんであんなに怖かったんだろう?と
思うくらい、昔は怖がってた。

しかし、芳一の名前すら聞きたくはなくても、
そこはホレ、物好きなガイジン・・・いやいや、
小泉八雲氏のおかげで世界的にも有名なお話ですから、
ストーリーだけは知ってた。

けど、今回の旅にあたって、あらためて芳一さんのこととか
いろいろ調べてみて初めて知ったこともあった。
それに、今は現実的な視点であれこれ考えちゃうので、
結構楽しめたな(笑)

私、いつからこんな人間になっちゃったんだろう・・・

付き合いの長い友達は、私をして



と評するので、年取って図々しくなって、現実主義的側面が
増幅されたのかもしれないね。

ので、今回の日記でおちゃらけてるように見える表現もあるかもしれないけど、
別にふざけてる訳ではありませんので、あしからず。
まあ、怖い話についての事なので、あえて怖くないように
書いてる部分もありますが。


さて、芳一さんに話を戻して。

彼は赤間神宮の前身・阿弥陀寺の僧だったという設定もあれば、
阿弥陀寺の和尚さんが芳一さんの神業的な琵琶に惚れこんで囲って・・・
じゃなくて、寺に住まわせて、ギャラリーがたった一人の
ミニコンサートを開かせては癒されていたとか、いくつかのパターンがある。

で、肝心な夜にはお寺総出で芳一さんに留守番をさせる訳ですが、
そんなに心配なら、近所の人に宿直を頼むとかすればいいじゃん・・・
とか思っちゃうのは私だけでしょうかねえ(笑)

しかも、和尚さんは詰めが甘かった。

ただ、亡霊の方もうっかりさんだと思うんだよね~。

耳以外の部分は見えてなくても、空中に2~30センチ間隔で
耳が見えてたら、見えない部分に本体があるとなんで思わないのか。

耳だけ持ち帰ったって芳一さんの琵琶が聴ける訳じゃないんだから、
耳を持ってってどうするつもりだったのか。

「いないぜチキショー!芳一のやつう~!!」

ってパニクって判断力を失ってしまったとしか思えん。
な~んて、もどかしい思いが頭の中を駆け巡る訳ですが・・・
(どっちの味方だよ、オイ)


実のところ、芳一さんが実在の人物だったのかはわかりません。
だけど、小泉八雲は、平家の亡霊に呼ばれて琵琶を弾いた場所を
七盛塚の前と設定した。
そんなこともあってか、現在、七盛塚の前の脇っちょに芳一堂があり、
毎年7月15日には芳一堂と七盛塚の前で「芳一まつり(耳なし芳一琵琶供養祭)」
が行われ、琵琶の演奏や神事などが行われているそうな。

ちょっとここで、琵琶法師と平家物語について・・・

琵琶法師
         (高松・平家物語歴史館)

琵琶には2種類あって、
 ・声楽としての琵琶・・・盲僧琵琶、宗教音楽
 ・器楽としての琵琶・・・雅楽、芸術音楽
に分けられる。
このうち、琵琶法師は前者のカテゴリーに属する。

一方、平家物語の登場については諸説あるが、
「徒然草」には次のように書かれていて、有名なのはこの説。

  後鳥羽院の御時、信濃前司行長(中略)が、「平家物語」を作って、
  生仏(しょうぶつ)といった盲人に教えて、これを語らせた。(中略)
  九郎判官義経のことは、くわしく知っていて、書き載せてある。蒲冠者範頼のことは、
  よく知らなかったのか、多くの事柄を書きおとしている。
  武士のこと、弓や馬など戦技のことは、生仏が東国の者であって、武士に尋ね聞いて、
  行長に書かせた。その生仏の生まれついた東国なまりの発音を、現在の琵琶法師は
  学んでいるのである。
  (小学館 日本古典文学全集より、第226段)

範頼(頼朝の弟)は知らね~
ってとこがちょっと笑えるけど、いずれにせよ、鎌倉時代頃には
成立していたらしい。

平家物語もツールによって
 ・語り本・・・琵琶法師などにより、口頭で伝承
 ・読み本・・・その名の通り、読むもの
と分けられる。

語り系の方が、わかりやすくできてるのかな~って感じがするけど、
案外そうでもないらしく、読み本系の方がいろんなエピソードとか
盛り込まれてたりするようで、なかなか奥が深い世界・・・

この平家物語を琵琶の伴奏にあわせて語る「平曲」が出来上がると、
琵琶法師の中でもさらに主として経文を唱える盲僧琵琶と、
平家物語を語る平家琵琶とに分かれた。

ただ、同じ平家物語を扱っていても、近世以降に成立した薩摩琵琶や筑前琵琶というのは
音楽的にはまったく別のもので、平曲とは呼ばないそうな。
う~ん、ムツカシイ・・・

平家物語は、後世の様々な芸能に取り入れられていることが多く、
中でも能はこれに題材を採ったものが多い。
『頼政』『実盛』『木曽』『巴』『兼平』『敦盛』『俊寛』『屋島』などなど、
実に沢山ある。

信長様のお好きな幸若舞の『敦盛』、
あれも平家物語からきてるしね。 
 人生50年~下天のうちをくらぶれば~
って、アレね。

高松の平家物語歴史館にいる敦盛さんはこんな人(覗き込んでるのは熊谷直実)。

平敦盛と熊谷直実

にほんブログ村 歴史ブログ 地方・郷土史へ
にほんブログ村

にほんブログ村 旅行ブログ 個人旅行へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年01月30日 21時14分50秒
[旅日記(中国)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

りりじい

りりじい

カレンダー

コメント新着

王島将春@ Re:浅草&寛永寺法要編(8) 東国の成熟(01/08) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
よー子@ 墓参り2014(2) 慈眼寺~芥川龍之介と小林平八郎の墓(08/02) 前略 初めてお便りします。 質問ですが、…
伊藤友己@ Re:上野第三編(12) 寛永寺105/清水観音堂~越智松平の灯篭(06/20) 越智松平家が気になって詳しく拝見しまし…

サイド自由欄

よみがえる江戸城 [ 平井聖 ] 価格:2916円(税込、送料無料)






PVアクセスランキング にほんブログ村

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: