戦国ジジイ・りりのブログ

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2013年07月03日
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カテゴリ: 城(中国)
伏見櫓からは3方向へ進むことができる。


福山・福山城・伏見櫓から本丸方面


まずは本丸に行って博物館と周辺の遺構をとっとと見に行くべきなんだけど・・・
すぐにはここを去りがたかった。
なんでか?

伏見櫓の真下から来た道を振り返ると、こうなっている↓。


福山・福山城・伏見櫓から大手方面2



この地形と舞台装置、遊びたくなるでしょ~!?
え?なんない?(笑)


ちょうど本丸から女性の観光客が数人降りてきた。

よしっ!
このまま降りてくれれば、いいカモだぜ


と心の中で歓喜しつつ、紅葉などを撮ってるフリをして
土塀に近づいてチャンスを待った。

土塀の向こうでは、カモ・・・
いへ、女性陣が階段を降りていく音がした。

よっしゃあああ~!!

とすかさず狭間にカメラを突っ込んで黄緑の矢印の方向へ覗いたとこ↓。


福山城復元図・白図(5話)



福山・福山城・大手土塀の銃眼から


ほっほっ、丸見え~

ここの土塀は復元だと思うけど、ちゃんと狭間から侵入者を
捉えられるように造ってあるじゃないか。




福山・福山城・伏見櫓から大手方面3


ターゲットが降りていって狭間から見えなくなったので、
図の水色の矢印の位置の狭間へ移動して追撃を試みた↓。


福山・福山城・大手土塀の銃眼から2


お~っ!よく見えるわ!!



ただ、水色部分の狭間はえらい低い位置に取り付けてある↓。
縦長のって一般的に矢狭間って言われるけど、この低さじゃ矢は使えない。
丸い銃眼にしても、ちょっと低すぎない?
でも、座って銃を構えて低いところを狙う分にはこれでいいのか・・・


福山・福山城・大手土塀銃眼



さて、観光客の方々が(本人の預かり知らぬところで)友情出演してくれて
シミュレーションにも満足したところで、本丸へ。



福山・福山城・本丸へ2



左が伏見櫓、右が本丸への入口・筋鉄御門(すじがねごもん)。
この道は少し坂になっていて、ここからは伏見櫓の東面が間近に見える。


福山・福山城・伏見櫓東側



この面、狭間がある・・・他の面にはないのに。
伏見城からの移築が正しいとしたら、伏見櫓の位置の重要性からして
福山に引っ越してきてから東面にだけ狭間を開けたのかもな。

伏見櫓は南北の長さは短いからご覧の通り窓1コしかないし、
窓1コじゃあんまり防御の役に立ちそうにないもんね。



柱形(はしらがた)や長押形を見せるのは南面とは同じだけど、
柱を直接出す北面とはデザインが違っている。



伏見城からの移築の伝承を持つ建築物についてのとある論文を読んだんだけど、
どうもそれによると福山城の研究ってそんなに進んでないらしい。

大ざっぱな流れとしては、築城よりかなり後になってから書かれた古い文献をもとに、
明治に郷土史家が研究成果をまとめた後は、さしたる検証もなされないまま
明治期の研究成果がそのまま定説になってたようなんだよね。

前回、伏見櫓はどの伏見城の櫓だったのか書いたけど、
福山城伏見櫓の通説の知識を持たず、
かつ「伏見城」の変遷を知ってる歴史ファンに

「どの伏見城から来たと思いますか?」

って聞けば、たぶん大体の人が私と同じく

「そりゃ、家康の木幡山伏見城でしょ?」

って答えるんじゃないかと思うんだよね。

でも、福山城伏見櫓については「秀吉の伏見城から移築された」というのが
長い間の定説だったらしい・・・

なんでそーなるのか理解に苦しむところだけど、
しっかりした再検証や考証が長い間されてこなかったのなら、
それも致し方のないことだといえる。

で、伏見櫓北面のデザインが他の面と違うことは、
昨日の記事を書く中で初めて気が付いたことだった。
しかも、柱を見せて長押を見せないってなんか工法が中途半端みたいだし・・・

福山城へはそれなりの人が訪れてるんだから、
この違いに誰1人気付いてないなんてことはないハズだけど、
そもそも一般の城好きの中で城郭建築の知識を持ってる人ってかなり少ないから、
この点について触れてるお城ファンは私は見たことない。

専門家の論文の中にならあるかもしれないけどね。


福山城には結構古写真や絵図が残っているので、
他の建物の外観なんかと比較してもみたけど、
写りが鮮明でない部分も多いし、絵図などから判明した他の建物の外観の中には、
ちょっと城郭建築の原則にあてはまらないものもあった。

これを私の言葉で表現すれば、 「へんちくりん」。


伏見櫓も、考えれば考えるほどへんちくりんな建物に思えてきて、

「ホントにこれ、
伏見城からの移築かな~」


と疑わしくなってきた


それに、伏見櫓の鬼板はこれだった↓。


福山・福山城・伏見櫓鬼板


下の方が見えないから確実じゃないけど、
たぶんこれ、沢瀉(おもだか)だよな・・・

伏見城の遺構であれば、ここは葵紋でも付いてそうな気がするけどね。
なぜ沢瀉(水野家の紋)なのか。

移築の際に遠慮して水野紋に改めた可能性ももちろんあるけど、
同じく伏見城から拝領したという本丸御殿には葵の紋が付いていたという。

長い歴史の中では当然瓦の葺き替えも必要だから、
当初の葵紋が外されたってのはいいとして、
家康の伏見城が建てられてからそんなに年数が経ってないうちに拝領したんだから、
水野時代には葺き替えの必要はまだなかった気がするんだけど。

やるとしたら、阿部時代だよな。

現在の福山城内には土塀なども含め再建された建造物の方が多いけど、
水野紋が圧倒的に多い。
水野氏より阿部氏の統治期間の方が長かったにも関わらず。

どこかでどなたかが、「水野紋を意図的に配置しているようだ」
てなことを言っておられたんだけど、私もそう思う。


「築城したのは水野氏だから、当初の姿を再現したい」

という思いがあるのかもしれないけど、
どうも福山城では見たまんまをそのまま信じてはいけない気がする。

あ、別に福山市の文化事業がうさんくさいとかって言ってる訳じゃないですよ。
明治以前にも修復とか改修は行われてるだろうから、
誰が悪いとかって話じゃないんだけど、総合的に考えて、
少し自分の頭でも考えながら見た方がよさそうだな~って思っただけ。



さて、なぜだらだらと個人的な疑問を書き出したのかというと、
これからご紹介する筋鉄御門もどうにも何ともな面があるからです。

まずは、外観↓。


福山・福山城・本丸・筋鉄御門2



福山・福山城・本丸・筋鉄御門3



 【筋鉄御門は、桁行10間、梁間3間、入母屋造、本瓦葺の脇戸付櫓門で、伏見櫓と
  同じく伏見城から移築された。下層の各柱には根巻き金具を付け、四隅に筋金具を
  打ち、扉にも12筋の筋鉄を鋲打ちし、乳金具を飾るなど、堅固な造りとなっている。】
  (現地解説板より)


昭和8年、伏見櫓と同時に国宝指定(現在は重要文化財)。
扉と柱の筋鉄とはこれです↓。


福山・福山城・本丸・筋鉄御門9



脇の小門にも筋鉄↓。
鏡柱の前のペットボトルは、大きさ比較のためにわたくしが置いたものです。


福山・福山城・本丸・筋鉄御門7



立派な門には違いないのですが、どうもいくつか納得いかない部分がある。
まず、扉↓。


福山・福山城・本丸・筋鉄御門9・八双のナゾ



扉の構造については今回は省略しますが、
長い柄のついた金具を扉板に打ち付けて
鏡柱にぶら下げるようになっているものなので、
金具と扉を補強するために扉の表面に打ち付けるのが八双(はっそう)。

だから、扉の構造を考えれば八双はグリーンの点々の位置にあってしかるべきなのに、
なぜか扉の下にある。
実はわたくし、扉の裏っかわにもぐり込んで写真を撮ってまして
裏の補強部分はこうでした↓。


福山・福山城・本丸・筋鉄御門12-八双のナゾ



う~ん・・・
いちおう、裏は補強してあるワケね。
(てか、補強しないと早晩扉が落下するし)

じゃあ、表側の補強は一体どうしてるんじゃい・・・


他の城門の扉の写真を見ると、八双のない扉もある。
八双が全く見えないのであれば、表面に薄い板とか外張りの金属製の板でも
貼ってるのかもしれないから、それはそれでいい。

が、ここは一体なんのためにこの位置に取り付けたのか
わからない場所に八双がある。
なんなんだ、これは・・・
私程度の知識じゃ、これは解決できない。

万が一、見た目通りに八双がないんだとしたら、
いくら扉の全面に筋鉄を打ちつけたところで、
実は筋鉄御門の扉の強度って大したことないんじゃないかとさえ思えてくる。
まあ、表側の補強が全くないハズは(たぶん)ないんだけど・・・


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最終更新日  2013年07月03日 21時52分04秒


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