戦国ジジイ・りりのブログ

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2014年05月05日
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カテゴリ: 江戸めぐり
え~と、それじゃまず、吉良邸侵入の状況から。


両国・吉良邸跡19


ガラスケース越しなもので、写りが悪くてすみません

最近のドラマなどではどうだか知らないけど、
歌舞伎・講談の「忠臣蔵」では上の絵のように事件当夜は雪が降っている設定だそうな。

が、『忠臣蔵外伝 その日の吉良邸』によると、この日は快晴。
ただし、かなり冷え込んだ夜ではあったらしい。


それから、討ち入りの装束。


両国・吉良邸跡19-2




新撰組みたいなギザギザ模様のおそろいの派手な衣装をまとっている。
が、実際は鎖帷子の上に火事装束を身にまとった完全武装で、
火消し役人の偽装をしていた。


表門隊のリーダーは大石良雄(内蔵助)。
『忠臣蔵外伝 その日の吉良邸』には、大石良雄の外見について

 ・創作・・・恰幅のいい大男。
 ・史実・・・小太りの小男で、梅干のような丸顔。

とあって笑える。
いやいや、人様の外見で笑っちゃいかんな。

ドラマでは必ずといっていいほど、大石良雄は大ベテランの
カッコいい俳優が演じるけど、すでに配役の時点で極めつけのフィクションです


吉良邸内の剣客が

「あれぞまさしく、山鹿流・・・!!」

と討ち入りに気付くのが「忠臣蔵」だけど、ウィキペディアによると
【合図の笛と鐘は用意したが、太鼓は持っていなかった】そうな。

『吉良供養』でも、表門隊はまず持参した梯子で静かに塀を乗り越え、
数人の浪士が邸内に入った物音を聞きつけた当番の表門番足軽が出てきて、


外側から梯子で塀に登ったあと、内側には塀の上から飛び降りたりしたので、
ウィキペディアによると、ここで足をくじいた浪士もいたらしい(笑)。
そりゃそうだよね、人の背丈以上の高さがあるんだもん。
現代でも、自分の年を省みずちょっと高いところから飛び降りたがために
骨折したりするお茶目さんは結構いるもんです。


裏門隊は力づくで門を開けて邸内に侵入。
表門隊・裏門隊ともに邸内に入ってから「火事だ!火事だ!」と叫んでいる。

東の表門と通りをはさんだお向かいさんの旗本・牧野一学は

「火事のようだったので様子を見にいきました」

と言い、西の裏門前の住人の仕立屋は

「えっ、火事!
そりゃ、てえへんだ!!」


と鳶口を抱えて勇ましく駆けつけたという。(『吉良供養』より)


前回、吉良邸の描かれた古図を掲載しましたが、
吉良邸は東・西・南は通りに面しており、北側だけが2軒のお隣さんと
地続きになっている。

そのうちの1軒、お隣の旗本・土屋さんは火事だと思って出てみたら
喧嘩のようであり(『吉良供養』より)、塀越しに吉良邸に声をかけたところ、
浅野家臣を名乗る者が吉良義央を討ち取って本望を遂げたと言う声を聞いたそうで、
土屋さんは吉良邸との境近くに灯りを掲げて射手を置き、

「ウチへ入ってくる者があれば
すべて射落としちゃってよ」


と命じたそうな(ウィキペディアより)。


表門隊により5人の吉良家臣が犠牲になったところで、
異変に気がついて様子を見に出た足軽の丸山氏が必死になって
屋敷を抜け出し、日比谷の上杉邸へ注進に走る。

通りに面した三方は浪士が固めてたんじゃないかと思うんだけど、
他にも自力で吉良邸を抜け出した家老もいるし( 「忠臣蔵(後)」 参照)、
門のある東西以外は案外手薄だったのかもな・・・

ま、丸山氏が知らせに走る前に、近所の豆腐屋さんが
すでに日比谷へ走っていたそうな。
と、ご近所さんの対応はさまざま。


知らせを受けた上杉家の当主は、吉良義央の子の綱憲。
吉良さんと上杉さんの関係はこうなります↓。


吉良家関係図-2



大昔に観た「忠臣蔵」では、綱憲がすぐさま飛んでいこうとするのを
家臣に抱きかかえられて止められ、

「父上!
ぢぢうえ~~~~!!!」


って大泣きしてるシーンが印象に残っていてジジイの涙を誘ったけど、
ウィキペディアによると、綱憲は江戸に赤穂浪士が多いことを警戒して、
自分の領国である米沢での隠居をオヤジに勧めており、
討ち入り当日の吉良邸での茶会はそのお別れ会だったとある。

それと、綱憲を止めたのは上杉家臣ではなく、
居合わせた縁者の畠山氏だそうな。



さて、それじゃ吉良さんちへお邪魔しましょう。


両国・吉良邸見取り図-6



これが吉良邸の見取り図。
画面のすべてがかつての吉良邸の敷地です。

現在、「吉良邸跡」として史跡整備されている場所にもこの絵図がありましたが、
こちらもガラスケース越しで写りが悪かったので、
『忠臣蔵外伝 その日の吉良邸』に掲載されているものに若干加筆しました。

この見取り図は結構あちこちに出回ってますので、
詳しく配置を観たい方も入手はしやすいかと思います。

で、ピンクのラインが現在の道路部分。
これも目分量なので多少のズレはあるかもしれませんが、
まあ大体こんなとこだと思われます。

赤の星の部分が両国小学校裏の小道を抜けた先あたりで、
ここから道路に沿って西へ歩きます。
この南には表門があり、表門隊も西へ向けて侵入するので、
ちょうど表門隊と並行して進むような形になります。

少し進むと、これが現れます↓。(場所は こちら )


両国・吉良邸跡



両国・吉良邸跡2



 【赤穂義士遺蹟 吉良邸跡】

別名・本所松坂町公園。
この石碑は墨田区長さんの書によるものだそうだけど、
ずいぶんと綺麗な字だなあ・・・
じゃなくて、上の図で黄緑の区画がこの公園にあたります。

かつての吉良邸は2,550坪(約8,430平方メートル)。
現在の本所松坂町公園は29.5坪(約98平方メートル)で
当時の86分の1のサイズだそうな。

入ってみると、実際本所松坂町公園は小さい。
庭が持てない小さめの一戸建てが建つぐらいのスペース。
そうは言っても、ここは都内ですからね。
地価のことを考えるとバカにしちゃいけません。


 【本所松坂町公園由来

  この公園は「忠臣蔵」で広く知られる、赤穂義士の討入があった、
  吉良上野介義央(よしなか)の上屋敷跡です。
  その昔、吉良邸は松坂町1、2丁目(現、両国2,3丁目)のうち約8,400
  平方メートルを占める広大な屋敷でしたが、年を経て一般民家が建ちならび、
  いまではそのおもかげもありません。

  昭和9年3月地元町会の有志が、遺跡を後世に伝えようと、旧邸跡の一画を購入し
  史蹟公園として、東京市に寄付したもので、昭和25年9月墨田区に移管されました。
  周囲の石壁は、江戸時代における高家の格式をあらわす海鼠壁長屋門を模した
  造りで、園内には、元吉良邸にあった著名な井戸や稲荷社などの遺蹟があり
  当時をしのばせております。また内部の壁面には義士関係の記録や絵画が
  銅板で展示されております。】
  (現地解説板より。漢数字は戦国ジジイが変換)

とのことで、地元の有志によって始められた史跡だそうです。


『両国物語』によると、【両国は「吉良びいき」が多い土地柄】だそうで、
地元の古老が語った面白いエピソードが載せられている。


 【「両国はお膝元だから、吉良様びいきが多く、吉良の悪口をいう人はいません。
  昭和40年代のことですが、12月14日になると、メリヤス会社の社長と
  社員47人が討入り装束に身を固め、陣太鼓をたたきながら、両国橋を渡って
  やってきていました。

  吉良邸跡前まで来ると全員で『エイ・エイ・オー』と勝ち鬨を挙げ引き揚げて
  行くんですが、地元の血の気の多い連中とケンカにでもなるんじゃないかと、
  いつもひやひや。10年くらい続きましたが、社長が亡くなってからピタッと
  来なくなりました。

  社員に聞いてみると『討入りの後に、社長からボーナスを手渡されていたので
  休むわけにいかなかった』とのこと。地元の連中も、そんな軟弱な義士たちを
  わざわざ門を開けて待っているんですから、どっちもどっち、間抜けな話でした」。】
  (『両国物語』より)


なんつーか・・・江戸っ子だなあってカンジ

討ち入りの直後から、多くの江戸っ子が浪士達にやんやの喝采を浴びせたというのに、
その一方で現代に至るまで吉良びいきの人たちがいる・・・

前回書いたように、ここに吉良邸があった期間はごくわずか。
高家筆頭の義央、あるいは討ち入り当時の当主であった義周(よしちか)自身が
親しく町人とご近所付き合いをしたとも思えないのに
両国の人達が「お膝元」の意識を持ってるのは、
世間で義央が一方的に悪役扱いされる不条理に江戸っ子の人情が働いたのかもしれない・・・
そんな風に思った。


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最終更新日  2014年05月05日 20時28分05秒


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