戦国ジジイ・りりのブログ

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2014年05月28日
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カテゴリ: 江戸めぐり
さて、見世物見物で浮かれた人が渡ったり、
大切な橋を何とかして守ろうと頑張る人がいたり、
避難路であるはずの橋が焼け落ちてここで死んだ人がいたりと
様々な人の思いが行き交った両国橋をくぐり、
ここから隅田川テラスを北へ向けてしばしの散策です。

電車の中から見下ろしはするけど、間近で大川を見るのは初めて。
水はたぷたぷだし、この時は結構波もあった。


両国・両国橋2



潮位表を見ると、この日は昼すぎが干潮で

だいたい50センチぐらいあったのかな。
にしても、よくこれで水上バスとか通れるよな~。

隅田川テラスは綺麗に歩道が整備されており、
壁には色々な絵などが掛かっている。
前々回の両国橋の絵や、 回向院の勧進相撲の絵 などは
すべてここにあったものです。

隅田川テラスがどこまで続いてるのか知らないし、
こういう展示物は両国付近に限定されるのかもしれないけど、
展示物と大川端の風景を楽しみながらのんびり歩くだけでも、
興味のある人にはかなり楽しめる散策路じゃないかと思います。



でわたくしはといえば、楽しみながらも予定より時間をオーバーしてたので
すべての展示物をゆっくり見た訳じゃありませんが、
撮ったうちの展示物の写真の残りを紹介します。
っつっても、絵はあと2枚なんだけど。


両国・歌川国盛「江戸一目図」



富士山の手前に山のような森のようなものが描かれてますが、これが江戸城。
右から2つめの橋が両国橋で、新大橋、永代橋と続いて東京湾に至る。
画面の右にあるのが不忍池で、この画面の切れた右端に寛永寺があります。


もう1枚がこちら↓。


両国・2代歌川広重「東都両国橋渡初寿之図」
     (2代歌川広重「東都両国橋渡初寿之図」)


タイトルからして、どうやら橋の渡り初めのイベントらしいな。
イベントの主役らしき人達を見ると、こんな顔ぶれになっている↓。


両国・2代歌川広重「東都両国橋渡初寿之図」2-2



ほお、先頭から順に、ジジババ、中年、若いのってなってるようだな。
こーゆーのは昔特有のイベントかと思ったら、
現代でもこうやって3世代にわたる渡り初めの慣習があるんだってね。

ただ、歴史の中では3世代が主役の他にも、
ご長寿の人を渡らせたり、時の権力者が渡り初めの主役になる場合もあったらしい。
橋の開通イベントでこうした式典が行われる由来については、
正確なところはわかってないんだそうな。


両国橋の下をくぐりぬけると、こういう風景になる↓。


両国・柳橋-2



いやもう、位置関係を把握してないところが都内はホントに多くて、
柳橋ってあんなところにあったのか~と今回初めて知りました

柳橋といえば、高級料亭や芸者で有名なところですが、
戦国ジジイの萌えポイントはもちろんそこじゃなくて、
柳橋が架かっている川。
あれが神田川です。

・・・誰ですか、

貴方はも~お、忘れたかしら~
赤い、てぬぐいマフラーにして~


て歌ってるのは(笑)。

じゃなくて、あれがぐるりとカタツムリのように渦を巻いて
江戸城の外堀をなしておるのです。
明暦の大火では、写真に映ってるあたりもものすごい光景が
広がっていたものと思われます。


ここで、最近恒例になってきた短い動画をまた撮ってきたので、
よければ雰囲気だけでも味わってみてください。

両国橋からスタートして、すぐ柳橋、その右が蔵前。
蔵前も歴史のある地名で、かつてその場所に幕府の御米蔵があったことに由来します。
フルスクリーンにしてご覧いただくと、蔵前の先にかかる橋を
ちょうど総武線の電車が走っていくのが見えますが、橋の右のすぐ先が両国駅。
今回はあそこまで隅田川テラスを歩きます。




テラスには水辺らしく小鳥ちゃんも・・・
えっと、これってセキレイだよな?


両国・両国橋付近2



てろてろ歩いていたら、ちょうど水上バスも通りかかった↓。


両国・水上バス



そういえば、昔一度だけデートであれに乗ったなあ。
どこから乗ったんだっけ?
両国にも発着場があるみたいだけど、確実に両国じゃないな。
浅草あたりかな。
そんで、浜離宮で降りたんだ。
今はお台場の方まで行かれるみたいだけどね。

テラスから水上バスを見ながら、船内から陽気に手を振る人がいたら
振り返してあげようかと思ったのに、
あいにくこの時は陽気な乗客はいないようだった(笑)。



花はうーえーのーよ、チョイト柳はぎーんーざ~(ヨイヨイ!)
月はすーみーだああのおお、月は隅田の屋形船~


あ、ヨイショ・・・
つい「東京音頭」なんか出てきますが、
大川には現在も屋形船が浮かびます。

屋形船も昔、職場の飲み会で一度だけ乗ったことがあるけど、
ま~2時間だかの制限時間の中で天ぷらだの唐揚げだの出てきて、
食べて飲むのに一生懸命で周りの風景なんか見ちゃいませんでしたよ

江戸期にも大川には屋形船が浮かんでました。
裕福なお大名や豪商が仕立てた自前の舟での舟遊びは
かなり豪勢なものだったらしい。

「すみだあれこれ」様のサイトによると、暑い夏の大名たちの贅沢は
大川にとどめをさすと言われたそうなので、どんだけ・・・

承応3年(1654)には大川に屋形船を浮かべての舟遊びが流行する。
明暦の大火(1657)の後しばらくはさすがにそれも沈静化したものの、
世間が落ち着いてくるとまた流行り始め、大して金を持ってない庶民も
舟遊びに大金を使うようになったので、天和2年(1682)に町方に対し、
長さ4間3尺以内、屋根の高さが5尺以上の屋形船のレンタルが禁止される。

その2年後には、町民が屋形船を新造する場合は町年寄に届け出て
監修を受けるようにとのお触れが出される。

それでも舟遊びがよほど楽しかったのか、町方の屋形船ブームは続いたらしく、
宝永3年(1706)には市中の屋形船は100艘に制限されてしまう。
さらには正徳3年(1713)、二挺立て、三挺立ての舟は奢侈につながるとして
すべて破却が命じられ、一挺立てのレジャー用の舟は100艘に制限される。

『江戸東京年表』には各種お触れが色々書かれてるけど、
禁令の裏を返せば当時の状況が見えてくるので、見てると面白いッス。



さて、川遊びの話になったので、ここで両国名物の話をば。
現代では隅田川の花火大会が大人気ですが、
江戸期にもその前身となるイベントがありました。
それが両国川開きの花火。

 【室町時代末には、簡単な花火の技術は知られていたと思われるが、鑑賞用の
  大花火が普及したのは、江戸時代に入ってから。江戸の花火師の祖は、
  1659年に大和国から出てきた弥兵衛とされ、鍵屋の初代となったといい、
  1810年、鍵屋から玉屋が分派した。】
  (『江戸東京年表』より)


弥兵衛さんが江戸に来た後の延宝元年(1673)には、
花火の打ち上げやからくり態勢と呼ばれる仕掛け花火は
大川筋海の手以外でやっちゃダメ!って禁令が出ているので、
すでにその頃から打ち上げ花火が広まっていたことがわかる。

市中での花火なんか禁令が出されるのは当然じゃの。
大川では、屋形船の間を花火やさんの舟が漕いで回り、
オーダーをもらって花火を上げていたんだそうな。
おそらく、大して離れてない場所で打ち上げたんでしょうから、
いくら当初は小さな花火だったとしても危ないって・・・

そうして、花火が大川に集められるようになったが、
一大イベントが発生したのが享保18年(1733)。

前回、享保の飢饉のことを少し書いてますが、この頃、
不作による飢饉のほか、疫病(コレラ)の流行で多くの死者が出た。

「すみだあれこれ」様のサイトによると、5月28日に慰霊と疫病退散を兼ねた
水神祭が行われ、両国橋付近の料理屋が幕府の許可をもらった上で川施餓鬼を行い、
花火を打ち上げた。
以後は川開きの初日に花火を上げるのが恒例になったという。


『江戸東京年表』の享保18年のページを見ると、

1月25日、幕府は飢饉救済を目的とする堀さらい事業を諸大名に命じ、
人夫を雇用させた。
12月、全国的な疫病の流行を慮って薬の服用法の出版を町奉行に命じる。

という現実的対策のほか、

4月16日、西国でイナゴによる不作となったため、「虫除呪法」の
出版が許可される。

7月上旬に疫病が流行したため、施薬が行われる一方、
鉦や太鼓を鳴らしてワラで作った疫神を海に流す風神送りが流行。
が、7月20日には幕府がこれを禁止する。

という、 天平エピデミック からあまり変わってない状況を連想させるような記述もある。


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最終更新日  2014年05月28日 22時00分01秒


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