戦国ジジイ・りりのブログ

戦国ジジイ・りりのブログ

2015年01月15日
XML
カテゴリ: 日光写真館
では、お梶(♂)の簡単な紹介が済んだところで現地に戻ります。

お梶(♂)の鳥居は重要文化財。
これもお梶(♂)の私費で奉納されたものだそうな。

鳥居の額束の穴に石を通せば願いがかなうというのが
いつから生まれたものかはわからないけど、
みんなここで鳥居に向かって石を投げていく。

前回の写真でカップルがかがみこんでいたのは、
彼らが運だめしに使う小石を集めていたからなのです。
後ろで見ていると、まず小石を拾うのにモタモタしていたので



14史跡探勝路・滝尾神社22・お梶の鳥居


この先に滝尾神社の由来を記した解説版がある。

 【滝尾神社(重要文化財)

  日光二荒山神社の別宮。本宮、新宮(現在の二荒山神社)とともに日光三社権現の
  一つである。女峰山の女神、田心姫命(たごりひめのみこと)を祀る。
  弘仁11年(820)弘法大師が創建したと伝えられる。明治4年の神仏分離までは
  楼門に大師の筆といわれる「女体中宮」の額が掲げられ、仁王像が安置されていたと
  いう。正保3年(1646)の建立。4月の弥生祭の時には、二荒山神社から滝尾の
  神輿が渡御する。】
  (漢数字は戦国ジジイが変換)

で、こちらが鳥居の先にある楼門↓。


14史跡探勝路・滝尾神社23


 【重要文化財 楼門

  重層入母屋造総漆塗り。元禄10年(江戸時代 1697年)に移転新築された。
  それ以前は正面参道石段を登った付近にあり、おなじぐらいの門であった。江戸建築の
  重厚な建物である。】
  (現地解説板より。漢数字は戦国ジジイが変換)


今はなにもない。
神社に仏像である仁王像があるのはマズいから撤去されたんだろうな。

空海たんの揮毫によるとされる「女体中宮」の額もない。
これの現物がどうなったのかはわからないけど、
拓本は現存しており、徳川記念財団の所蔵。
拓本をおさめた箱には慶應元年(1865)とあるという。

空海たんが神の降臨を祈った時に現れたのが女神だったというのは、
つまり滝尾の地の背後にそびえる女峰山=田心姫命が現われたって意味なんだろうな。
ゆえに姫神を祀る滝尾の楼門に「女体中宮」を掲げたのだろう。

輪王寺の宝物殿で販売している図録『日光山 徳川四〇〇年の文化』には、

 【空海が題字を揮毫したという伝承は、輪王寺に伝わる鎌倉期の写本
  『日光山瀧尾建立草創日記』にすでに見えている。】

とあるので、「滝尾神社の創始者は空海」という伝承は相当古くから
あったものらしい。

空海の記事の中で過去に「密教21フォーラム」様のサイトを
参考にさせていただいてますが、空海の年表もあり、その中では
日光における伝承も採用して弘仁11年(820)に関東へ来たという記述になっている。

しかし、どうなんだろ、コレ・・・
ホントに空海たんは日光へ来たのだろうか。
もし来ていないとしたら、なんでそんな伝承が生まれたものか。

そこで思い浮かぶのが、勝道さんの依頼を受けて空海たんが撰したという
「 沙門勝道歴山水螢玄珠碑 」。
これの描写があまりにリアルで臨場感モリモリだったので、




ってことで「空海日光に来たる」の伝承が生まれたかな、と思った。

それから、「女体中宮」の扁額。
これはかなりインパクトのある文字で、この頃にはすでに「三筆」として
活躍していた時期でもあるようなので、案外この扁額はホントに
空海の真筆なのかもしれない。

ただ、「沙門勝道歴山水螢玄珠碑」と同じように、
日光に来なくても扁額は書くことはできる。
日光から依頼を受けて京で揮毫したものが滝尾に安置され、
これまた「空海日光に来たる」の伝承を後押ししたかもしれない。
ただ、時期的にどうなんだろ?って疑問もある。

もともと山岳信仰から始まった日光では本地垂迹も取り入れられ、
それぞれの神が姿を変えて3体セットで色んな形で祀られた。
整理するとこんな感じのようです。

・男体山=大己貴命(大国主命)=千手観音
・女峰山=田心姫命= 阿弥陀如来
・太郎山=味耜高彦根命=馬頭観音

で、男体山がパパ、女峰山がママ、太郎山がベビーといった具合に
ファミリーとされた。
が、ウィキペディアによると【二荒山大神に現在の神があてられたのは
12世紀頃だとされている】という。

御神体の3つの山を家族として崇めたスタイルはもっと古くからあったかもしれないけど、
さらにそれを進化発展させて千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音の3仏に当てはめたのは
確かに時間をかけた可能性はある。
平安の初頭を生きた空海の頃に、母である女神を祀るという考え方が
成立していたのだろうかという疑問もある。

そうはいっても、空海の伝承は滝尾だけじゃない。
2つの玉が現われたのはおそらく白糸の滝の付近だろうけど、
大きい方の玉は妙見様として山の上の中禅寺湖畔に祀ったとされるので、
日光における空海伝説の範囲は広い。

ナゾだよなあ、これ・・・
まあ、勝道さんの依頼を受けて文章を書いてるうちに
霊地・日光への興味が空海たんの中に湧いてはるばるやって来たという
想像もできるけどね。
ちなみに、勝道さんの没年は 弘仁8年(817)なので、
空海たんがここを訪れたとしても勝道さんとの対面はなかったことになります。



楼門をくぐるとすぐに拝殿が現われる↓。
相変わらず、写真曲がっとるな


14史跡探勝路・滝尾神社25


 【重要文化財 拝殿

  入母屋造り 総漆塗り
  本殿・楼門とくらべ小規模であるが高床との調和を考えた格調の高い建築で、
  正徳3年(江戸時代 1713年)造り替えられた。古く楼門が参道南方にあった
  時代にはこの倍の規模があり左側は谷下まであり清水の舞台式に高床が造られていた。】
  (現地解説板より。漢数字は戦国ジジイが変換)

へえええ~っ、舞台造りの拝殿!!
それはすごい。
見てみたかったな・・・


14史跡探勝路・滝尾神社27



14史跡探勝路・滝尾神社28


長く尾を引く巴紋は 本宮神社 と同じだな。

裏手の本殿の方へ回ろうとすると、玉垣に囲まれた笹があった↓。


14史跡探勝路・滝尾神社29



14史跡探勝路・滝尾神社31



14史跡探勝路・滝尾神社30


わたくしがここで笹を見ていると、さっきお梶(♂)の鳥居で
わたくしの邪魔をしたカップルが素通りしていった。

おおい、君たち~!
これ縁結びの笹だよ~。
ここは見なくていいのか~い?

・・・まあ、もう結ばれてるから必要ないのかもしれない。
それに、笹の下には「笹の葉を結ばないで下さい」と書かれた
木の札が置いてあるしな。

で、こちらが唐門と本殿↓。


14史跡探勝路・滝尾神社32・本殿


 【重要文化財 本殿 唐門

  本殿は三間社流れ造り 唐門は二脚平唐門 総漆塗り 極彩色
  この建物は正徳3年(1713年)建て替えられたもので、周りの玉垣石畳も
  その時設けられた。ご神体の女峯山を遥かに拝むように本殿の裏壁には扉が付けられた
  造りになっていて全国でもたいへん珍しい。】
  (現地解説板より。漢数字は戦国ジジイが変換) 

「平唐門」(ひらからもん)は 平入り の唐門のことかと思って、
じゃあ妻入りの唐門は「妻唐門」て呼ぶのかと思いきや、
その場合は「向唐門」(むかいからもん)と呼ぶらしい。
アハハ、建築用語ってムズカシイ・・・

本殿には蟇股がいくつか見えたので望遠で撮ってみたけど、
ブレがひどくて諦めました
が、ここも東照宮と同じ流れを汲む江戸期の華やかな蟇股です。

しょうがないので参道を奥へ進みながらいじましく本殿を眺める。


14史跡探勝路・滝尾神社34・本殿


で、こちらが本殿の裏手↓。


14史跡探勝路・滝尾神社35・本殿


解説版にはこれについても書かれていて、「全国的にも珍しい」とあるけど、
山内にはこのテの建築がほかにも存在するのはすでにご存じですね。
はい、日光三社権現のひとつ、 本宮神社の本殿 ですよ。

山を御神体とする日光山内ならではのスタイルだな。
新宮の二荒山神社もこれと同じスタイルの可能性があるけど、
二荒山神社は数えるほどしか行ってないからな・・・
本殿の裏が見られるかわからないけど、今度行ったら確認してこよう。


にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年01月16日 00時04分58秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

りりじい

りりじい

カレンダー

コメント新着

王島将春@ Re:浅草&寛永寺法要編(8) 東国の成熟(01/08) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
よー子@ 墓参り2014(2) 慈眼寺~芥川龍之介と小林平八郎の墓(08/02) 前略 初めてお便りします。 質問ですが、…
伊藤友己@ Re:上野第三編(12) 寛永寺105/清水観音堂~越智松平の灯篭(06/20) 越智松平家が気になって詳しく拝見しまし…

サイド自由欄

よみがえる江戸城 [ 平井聖 ] 価格:2916円(税込、送料無料)






PVアクセスランキング にほんブログ村

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: