戦国ジジイ・りりのブログ

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2015年08月09日
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カテゴリ: 江戸めぐり
橋本左内の墓のすぐ隣にあるのがこちら↓。

南千住・回向院19・吉田松陰の墓

こちらが吉田寅次郎松陰先生のお墓です。

先生の埋葬の経緯について少々ネットで調べてみましたが、
ま~幕末随一の過激な人であり有名人で人気者の先生ですから、
先生を扱った物語などにもかなりフィクションが混じり込んでいるらしく、
そういう怪しげな情報がさも史実かのようにネットで飛び交っているので、
自分で史料などにあたっていないわたくしには何がホントで何がガセなのか
判断できない・・・


小伝馬町の御椓場(おたくば)で刑を受けた先生の遺体はここ回向院に運ばれ、
「高杉晋作らが金を握らせて埋葬させた」という話もネットで読んだけど、
橋本左内の件を考えれば全くあり得ない話でもなさそう・・・

ただ、もしそういうことがあったとしても、左内も立派な墓を建てることは
許されなかったんだから、せいぜいのところ簡単な埋葬ぐらいだったんじゃなかろうか。
春嶽公は「幕末の四賢侯」と謳われ、幕府の政事総裁まで務めた方だけど
(ただし公の政事総裁就任は安政の大獄以後のこと)、
そういう方のバックがあってさえ、左内は堂々とした墓石を建てることが
許されなかった。
まして一介の長州藩士が金を握らせたところで、
ちょっと穴を深めに掘るぐらいが関の山だったんじゃないかという気がする。


高杉ら門弟によって松陰先生の墓も改葬された。
その改葬先が現在世田谷区にある松陰神社で、
ここで初めてまともな埋葬がなされたんじゃないかと思われる。

つまりは左内と同じく現在の回向院の墓はからっぽという訳だけど、
さすがに松陰先生のお墓というだけあって枯れた花が残っている。


南千住・回向院20・吉田松陰の墓

それにしても、超有名人のお墓だというのに解説板も碑もないのが意外だったけど、
左内の墓と違って松陰先生のお墓の前には

南千住・回向院21・吉田松陰の墓

ナニコレ・・・
なんで1円玉と5円玉限定なのだ?
不思議な光景に首をひねっていると、すぐ近くを日比谷線が走っていった↓。

南千住・回向院22


ええと、松陰先生のお墓のすぐ脇には頼三樹三郎の墓もあったようなんだけど、
そういう記憶は暑さで綺麗に昇天してしまって、先生のお墓にお参りして
満足したわたくしは、まっつぐ墓地の入口まで戻った。

もともとここに墓があることは知らなかったし、
今回南千住で降りたのはアレを見るためだったんだけど、
アレがないな、アレが・・・
史跡エリアとは別に回向院には墓地が広がっているので
アレを探しにそちらの墓地へ入ろうとしたら、こんな貼り紙が目に入った↓。

南千住・回向院23

迷惑って
しかし、この貼り紙のおかげでアレが回向院にないことがわかった。
そう、クソ暑くてヘロヘロな中わざわざ南千住で降りたのは、
「首切り地蔵」へお参りするためだったのです。
え~、お隣のお寺ね・・・

お隣っていうから当然隣接してるもんだと思って、
とりあえず回向院を出て線路沿いの道を歩いていった。
ここはJR常磐線とメトロ日比谷線が通っていて、確かどちらの窓からも
首切り地蔵が見えていたはずだから、線路から離れなければいいんだろ?と思って
回向院と線路の間の道をしばらく歩いていったけど、寺なんかどこにもない

CIMG2091


途中の道沿いには何やら人だかりがあって行列などを作っていたので、
まさかこれじゃないよな、と思ったけど、どうやらそれは食べ物やさんだったらしい。
このクソ暑い中、食事のために列に並ぶなんて元気な人達だ・・・

しばらく歩いても寺らしきものは見つからなかったので、
途中で引き返しながらすまほで検索してみた。
「お隣の寺」としか書いてくれてないんだもんなあ・・・
「○○寺です」って書いてくれればいいのに。

で、手前にあるJRの線路を越えたところに「お隣の寺」があるとわかったので
地図を見ながら歩いていくと、高架をくぐったすぐ先にその寺はあった↓。
(場所は こちら )

南千住・延命寺-2

すぐ脇には日比谷線の線路が通っている↓。

南千住・延命寺2-2

そうか、JRと日比谷線のどちらからも見えるんだから、
線路に挟まれた場所にあるってことだな。
つまりはどちらの線路もケージョーの中を突っ切ってるってことで、
どちらも平日の通勤時間帯なんかはものすごいラッシュですから、
1日で小塚原を通過する人数は相当のものになります。

わたくしはいまだTX(つくばエクスプレス)に乗ったことはないんだけど、
この辺りはTXは地下を通ってるのかな。

平成10年、ここらあたりでTXの工事をしていた時、人骨が発見された。
工事関係者は仰天してお祓いをし、工事は中断されて急遽発掘調査が始められた。
『南千住回向院別寮埋葬地の調査』(八代和香子・水山昭宏/江戸遺跡研究会会報
NO.91)の図を見ると、調査区域は回向院から延命寺へ向かう途中の
ちょうどJRの高架下にあたるようで、最初の時点では頭骨ばかり104体
(105体とも)出て、のちの調査では「お頭つき」の骨なども発掘されているらしい。

同論文によると、最初に発掘された104体を調査したところ、

 【性別は、男性100体(うち疑問9体)、女性4体(うち疑問3体)。
  推定年齢は成人102体、未成年の個体は2体である。動物の噛み痕は無かったが、
  多くの損傷が見られた。但し、残首の明白な痕跡は確認されなかった。】

だそうな。
のちの調査では

 【馬を中心に猫・犬など100点ほどの獣骨が出土した。驚くべき事に、B区中央の
  包含層基底から出土した木棺は、馬の棺であった。A区も合わせ、骨格が揃っている
  可能性のある馬が数カ所で出土しているが、棺に埋葬されていたのはこの1点である。
  A区では馬頭骨の集積もあった。】
  (前掲論文より)

だそうで、きっと棺に納められていた馬は徳川家で特にかわいがられていた
馬だったんだろうな。

なんでも、この辺りには近世には湧水池があった可能性が高いらしく、
そのため骨の保存状態はいいらしい。
ただ、いいと言っても普通の墓地とは違うので、
かなり散乱しているものもあるようなんだけど。

骨というと白いものを思い浮かべる方がほとんどだろうと思いますが、
空気に触れると骨は白くなるそうで、最初に発掘された頭骨の写真を見ると
どれも黒っぽい。
調査は恐らく限定された区域だけだろうから、
この近辺には今も黒ずんだ骨が埋まっているのだろう。

南千住の駅から日光街道に出るまでの区間にある商店街は
「コツ通り商店街」というそうで、もちろん「コツ」は「骨」のことですが、
文字通りのコツ通りだったことがわかる。


さて、こちら延命寺はもとは回向院の境内だったのが
のちに独立したお寺らしいんだけど、まずは入口にある解説板から。

 【小塚原刑場跡と小塚原の首切地蔵

  小塚原刑場は、火罪・磔・獄門などの刑罰、無縁の埋葬・供養、刀の試し切り、
  腑分け(解剖)などが行われ、また、徳川家の馬の埋葬地としても利用された。
  間口60間余(約108メートル)、奥行30間余(約54メートル)の敷地が
  あったが、明治初年に廃止となり、回向院の境内や官有墓地、宅地などになって
  いった。

  首切地蔵は、寛保元年(1741)に造立された石造の延命地蔵菩薩である。
  無縁供養のため、建てられたといわれる。明治29年(1896)に開業した
  隅田川線の敷設予定地に安置されていたため、工事に伴い移された。
  明治30年代から昭和30年代、毎月5日、14日、27日に地蔵の縁日が
  行われていた。多くの露店や見世物小屋が出るなど大変な賑わいを見せたという。】
  (現地解説板より。漢数字は戦国ジジイが変換)

そうか、もともとは行き倒れの人の供養のためのお地蔵様だったのか。
そういえば、 中山道の行き倒れの人馬を埋葬した場所にあったのも
だったな。
小伝馬町の「穴」の上に鎮座しているのも延命地蔵 だったし、
刑場なのに「延命」なんて変じゃね?って書いてる人を見たことがあるけど、
供養のために「延命」と言挙げしているのでしょう。

南千住・延命寺3-2

中へ入ってみると、檀家さんの法事が終わった時のようだったけど、
あんまり寺っぽくない。 
少し進むと、正面にお目当てが見えた↓。

南千住・延命寺5-2


南千住・延命寺7

あれ?
延命寺は浄土宗だっていうんだけど、こんなとこにヒゲ文字の
なんみょ~ほ~れんげ~きょ~が?
ちとこれの由来はわかりませんが、ともかくこちらが首切地蔵(延命地蔵尊)↓。

南千住・延命寺9

ん~、電車から見てたのとはまた感じが違うな。
と思って眺めていたら、後ろを常磐線が通っていった↓。

南千住・延命寺8-2



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最終更新日  2015年08月10日 22時51分16秒


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