戦国ジジイ・りりのブログ

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2015年10月27日
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カテゴリ: 江戸めぐり
東山御物はそれぞれのお宝自身に相当の価値があったことはもちろんだけど、


たとえば絵画などは輸入してそのままの形で鑑賞された訳ではなく、
時には大胆に絵を切断したりして室町時代人の好みに合うスタイルに変更されたし、
その他の各工芸品も後世へ影響を与えた。
独自の美の発展の基となったことがまず1点。

それから、6代・義教に仕えた同朋衆の能阿弥以降の座敷の飾り方を
能阿弥の孫の相阿弥がまとめたとされるのが『君台観左右帳記』で、
その飾り方の方法は後世にも指南書として引き継がれ、

あるそうで、さらにそれをお手本とした大名家の中で個別の発展を遂げていく。
レイアウトが長く武家社会の模範として生き続けたことが2点め。

そして、御物そのものの価値プラス、将軍家が所有していたという事実によって
由緒にハクが付いたことが3点め。

3点めはかなり重要なファクターで、室町幕府崩壊後、
安土桃山から江戸期にかけては室町将軍家の価値感や様式が取り入れられたそうで、
あらためて足利将軍家御物の価値が見直されて収集され、
のちの世になって「東山(殿)御物」という表現が誕生した。

ただ、何でもかんでもありがたがられたという訳でもないらしく、
たとえば葉茶壺と抹茶壺。

 【葉茶壺は葉茶を蓄える茶壺であり、抹茶壺は茶入で、いうまでもなくいずれも唐物

  将軍家の御物にもあるが、今は飾らないという。また抹茶壺に至っては十九種の
  茶入の器形が図示され、およそ覚えている分を記したとある。】
 (『東山御物の美』図録掲載/「足利将軍家の調度と茶具」赤沼多佳より)

ところが、この後の茶の湯ブームを受けて茶壺の価値も急上昇したことは
有名ですね。


相当のもの。
10コや20コじゃないんですよ。
めんどくさいので数えてませんが(笑)。
天皇をお迎えするのに並べられた選りすぐりの品がこれだけあるのなら、
ピーク時の御物の総数というのは一体どのくらいあったのだろうかと思いますね。

が、東山御物として現在伝わっている調度品や茶道具というのは、
絵画に比べて大変少ないんだそうな。
その中でも茶道具は茶の湯の世界に伝わったものだというんだけど、
模範としながらも利休のワビサビの世界とはマッチしないものもあっただろうし、
時代のトレンドを勘案しながら取捨選択が行われたこともあったかもしれない。


さて、少なくとも8代・義政の頃から下々へ少しずつ流れていった御物は、
最終的に幕府崩壊とともに世間へ出回ることになったと思われる。
往時の膨大なコレクションからすれば、現在確定している御物は
悲しいほど少ないけど、それでも現存の品でどんな大名が所持したかが
わかっているものもある。

おそらくその多くは徳川将軍家から下賜などされたんじゃないかと思うけど、
図録に紹介されている名をピックアップすると、

 ・尾張徳川家 ・紀州徳川家 ・芸州浅野家
 ・井伊家   ・黒田家   ・足守木下家
 ・若狭酒井家 ・津軽家   ・前田利家
 ・久松松平家 ・吉川家   ・小堀遠州

などおなじみの大名家が並び、もちろん秀吉や豊臣秀次の名もある。
さかのぼっては平重盛(清盛の子)なんて名前もあって、
この場合はもちろん重盛の所有品が御物に加えられたということになるけど、
御物を手にしたのはなにも高貴な方ばかりではなく、

 ・津田宗及  ・茜屋宗佐

なんて堺の会合衆(えごうしゅう)の名なんかもある。

中には名物らしい華々しい由緒を持つものもあり、たとえば

 ●唐物肩衝茶入 銘遅桜
  足利義政⇒篠原宗久⇒藤堂高虎⇒蒲生忠郷(氏郷の孫でイエアスの外孫)⇒徳川将軍家
  ⇒松平忠明(奥平信昌の子でイエアスの外孫)⇒徳川将軍家⇒甲府・松平徳松⇒
  徳川将軍家⇒徳川宗家⇒室町三井家

 ●遠浦帰帆図
  村田珠光⇒織田信長⇒荒木村重⇒徳川家康⇒松平正綱(知恵伊豆の義父)⇒徳川家光
  ⇒戸田家⇒田沼意次⇒松平治郷(不昧)⇒吉川家

なんて実にゴーカな顔ぶれ。

そんな名だたる有名人たちも賞玩した東山御物が一堂に会したこの特別展は
実にシアワセなひとときを提供してくれました。

三井記念美術館にはよいシステムがあって、会期中にリピートすると
料金が割引になるらしい。
結構じっくり観た方だけど、また来ちゃおうかな~とマジで思いました。
ま、結局体調不良が長く続いていたのと、高野山の企画展にも行ったので
リピートはできなかったんだけど。

東山御物が集まる機会というのもそうないかもしれないけど、
もしあれば是非ご覧になることをオススメします。

特別展には2時間ほどいたのかな・・・
一通り最後まで見てから、堆朱などの気に入ったものをもう一度観に
戻ったりしてたからな。

三井記念美術館を出たのは12:30ころ。
ここからはもうひとつの「将軍たちの宝」を観に日本橋の街を歩いていきます。


三井記念美術館があるのは ここ 。
前々回、室町3丁目交差点の写真を載せましたが、
その近くに江戸で最初に設置された石町(こくちょう)の時の鐘がありました。
現在、 小伝馬町の十思公園にある情けの鐘 ね。
だから、かつては三井記念美術館のあたりは時の鐘が大きく鳴り響いていたでしょう。

で、中央通りを南へ向かいますが、すぐ先にあるのが三越本店↓。

東山御物展・みつこし

この辺りを歩いていた時、通りの向こう側にどこぞの県のアンテナショップが
あるのが見えた。
地図を見ると三越の向かいには「奈良まほろば館」が描かれているけど、
わたくしが見たのは確か島根だか鳥取だかのショップだったような・・・
そうか、都内ならアンテナショップも展開してるから、
広島のショップがあればわざわざ現地まで行かなくても
はっさく大福 が食べられるかもしれないんだな・・・
とか考えてました。

ま、はっさく大福のリンク先の記事で「お取り寄せしたいんだけど」と言っていた同期は
後日、お店に電話してホントにお取り寄せしてたので、
買おうと思えばいつでも買えるんだけどさ。

三越に背を向けて進行方向へ向き直るとそこにあるのが「日本橋」。

東山御物展・日本橋

 【国指定重要文化財 日本橋

  日本橋がはじめて架けられたのは徳川家康が幕府を開いた慶長8年(1603)と
  伝えられています。幕府は東海道をはじめとする五街道の起点を日本橋とし、重要な
  水路であった日本橋川と交差する点として江戸経済の中心となっていました。橋詰には
  高札場があり、魚河岸があったことでも有名です。幕末の様子は、安藤広重の錦絵でも
  知られています。

  現在の日本橋は東京市により、石造二連アーチの道路橋として明治44年に完成しました。
  橋銘は第15代将軍徳川慶喜の筆によるもので、青銅の照明灯装飾品の麒麟は東京市の
  繁栄を、獅子は守護を表しています。橋の中央にある日本国道路元標は、昭和42年に
  都電の廃止に伴い道路整備が行われたのを契機に、同47年に柱からプレートに変更
  されました。プレートの文字は当時の総理大臣佐藤栄作の筆によるものです。
  平成10年に照明灯装飾品の修復が行われ、同11年5月には国の重要文化財に指定
  されました。装飾品の旧部品の一部は中央区が寄贈を受け、大切に保管しています。】
  (現地解説板より。漢数字は戦国ジジイが変換)

これが時代劇でもおなじみの日本橋。

上の写真を撮った場所は橋の北詰の西側のたもとで、
魚河岸は北詰の東側にあり、問屋が軒を連ねていたという。

三井記念美術館の入っている三井本館の西隣には日本銀行の本店がある。
当初、日銀にも寄る予定だったんだけど、特別展でまったりしてしまったので、
今回は時間の都合でカットした。

日銀に何の用事があるのかって?
別に銀行強盗しようってんじゃ~ありません。
日銀のある場所はかつて「金座」があった場所なんですよ。
江戸期、この界隈は経済の中心地であり、
「花のお江戸」にふさわしい賑わいを呈していたことでしょう。


当時の日本橋はもちろん木製で、現在の橋は20代目にあたるそうな。
橋の名称ははじめから「日本橋」と命名されていた訳ではなく、
日本の中心の江戸のそのまた中心の橋ということで、
いつしか日本橋と呼ばれるようになったらしい。

歴史ある日本橋を後世に永く伝えようという地元の取り組みは様々あるようで、
そういう保存会の方達を中心に昭和46年から毎年7月に「橋洗い」という
お掃除イベントもあるそうな。


さて、北詰西側にはいろんなものがある↓。

東山御物展・日本橋2


奥側に写ってるのがこれ↓。

東山御物展・日本橋3

これが解説にある道路元標(どうろげんぴょう)。
ウィキペディアによると、もとは明治6年の太政官達第413号によって
東京は日本橋に、京都は三条橋に起点が置かれたそうなんだけど、

 【1952年(昭和27年)施行の現行道路法では、第2条第2項第3号で道路元標は
  道路の附属物とされているだけで、設置場所や道路元標を路線の起終点にするなどの
  特段の規定はなく、道路の起終点は道路元標と無関係に定められている。】

とある。

柏を走る国道6号線は西進すればそのまま都内へ入るんだけど、
国道沿いには「日本橋まで○○Km」という標識が立っている。
ウィキの解説によると法律上はもう道路元標に縛られてはいないみたいだけど、
一口に日本橋と言っても結構広いので、6号に表示されている「日本橋」は
地名としての日本橋ではなく、たぶんここの「日本橋」まで何キロって意味なんだろうな。



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最終更新日  2015年10月27日 22時59分05秒


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