戦国ジジイ・りりのブログ

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2016年04月16日
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カテゴリ: 城(東北・関東)
このたびの地震で被災された方に心よりのお見舞いを申し上げます。

今回は広域にわたって大きな地震が続いていて、
気象庁からも例のない事象だと戸惑いの声が上がっているようですが、
義理の兄が豊後の人なもので、由布院に住む義理の兄のお兄さんのおうちでも
被害が出たそうで、驚いております。

わたくしが勤める部署の分所のようなものが小倉にあって、
わたくしもこの2月にしばし出張に行っていたのですが、
そもそもいつか必ず来る首都圏の大災害に備えて
地震が少ないからという理由で北九州市が選ばれて分所ができたのに、


北海道に作った方がよかったんじゃね?と同じ部署のオジサマ達が話してたけど、
北海道でも頻繁に地震が起こってる所はあるからな。
富山は地震が少ないそうで、富山から転勤で来た人は地震に慣れていないため
小さな地震が起こるたびものすごく怖がってましたが、
地震列島ですからいつどこで地震が起こってもおかしくはない。

本シリーズで参考にしている旅行記を書いたケンペル・申維翰・ツュンベリーの3人も
それぞれ短い江戸での滞在期間中に地震を経験しているしね。
もちろん、彼らが遭遇した地震はごく小さなものですが、
いつの時代も日本では大小含め地震が各地で頻発していたのだから、
しかるべき心構えと備えが必要だとあらためて思いました。


さて、前回の続き。

通常段階を踏んでひとつひとつ階段を登っていくところを
特進となって一気に御中臈に出世する。

ただ、側室となるとそれだけで特別な存在になるかのように思いがちだけど、
職制としてはあくまで御中臈。
6代家宣の頃までは側室や御年寄といったクラスの奥女中は

家宣の頃から身分の差を明確にするようになり、御台ちゃま以外の女中はすべて
長局に住むことになったそうな。

して、将軍のお手がついても子ができなければ側室といっても御中臈のまま。
子ができて、男子を産めば「お部屋様」、女子を産めば「お腹様」と呼ばれて
子のないただの側室よりはランクアップしたようなんだけど、
そうなって初めて独立した自分の部屋がもらえたという。
「お部屋様」の呼称はそこから来ているようなんだけど、
だったら「お腹様」は個人の部屋を持てなかったのだろうか?

それと、お腹様といえば寛永寺シリーズで書いた「 お腹様別当 」を思い出すけど、
「お部屋様別当」というのは聞いたことがないし、
将軍生母の霊廟を管理するのがお腹様別当だったんだから、
「女子を産んだらお腹様」という一般の説明とは食い違いがある。

あるいは、寛永寺の別当のシステムが整えられた頃には
お部屋様とお腹様に分かれていた訳ではなく、子を持つ側室が
一律お腹様だったのかもしれないし、将軍生母のみお腹様と呼ばれていたのかもしれない。
その後、中期以降になって子の性別によって側室を区別するようになって、
でも寛永寺では当初の古い「お腹様別当」という言い方が残った、
ということも考えられるよな。

『図説 大奥の世界』では

 【位の高い奥女中には一人一部屋が与えられたが、将軍附御中臈は、御年寄もしくは
  中年寄との相部屋だった。これは、将軍の跡継ぎを宿す可能性のある御中臈を守る
  一方で、監視も兼ねていたからだとの説もある。】

としている。
まあ時期によって違いはあるんでしょうけど、子を持たない側室は
長局で格上の奥女中と一緒に生活をしていたってとこなのかな。


ところで、めでたく将軍様のお手が付いてもうかうかしてはいられない。
というのも、伽をするには年齢制限があったらしいのだ。
その上限は30歳。
これを「おしとねお断り」といって、30歳を過ぎると、
将軍様の指名を受けてもみずから辞退しなければならないルールになっていたという。

辞退をせずに厚かましく伽を拝命したりすると、
「好女」(すけべえ)と呼ばれてさげすまれたとか何とか・・・

前回紹介したような床入りのルールは側室にのみ適用され、
御台ちゃまの場合は監視役は付かない。
監視する方も(普通の神経の持ち主なら)イヤだったろうけど、
監視される方も当然イヤなもので、ストレスのある環境での「種まき」なら
「種」は「実」になりにくかったかもしれない。

しかし、年を取れば人間誰しも図々しくなるもので、
30歳も過ぎて伽に慣れてくれば監視の耳もものともしなくなるかもしれないのに、
大奥では女としての役目を終えなければならない。
「夜のお相手」だけだったら30過ぎでも充分使い物になるハズだけど、
こういう厳しいルールができたのにはそれなりの理由もあるらしい。

現代では医学が発達しているので高齢出産も夢ではないけど、
経年初産婦(年取ってからの初めての出産)は高いリスクが付きものだし、
若くても今なお出産で命を落とす人もいる。

昔ならなおさらのことで、出産による母子の命の危険を防ぐために
30歳ルールができたともいわれる。
ので、「側室という名の御中臈」を抜け出すためには
30歳までに子を産んでおく必要がある。

「(18)」 で高級女中には休暇がないと紹介しましたが、
『考証 大奥』によると格下の女中の場合の休暇は

 【宿下がりのできるお目見以下の女中でも、奉公によって三年間は外出をとめられる。
  三年たつと一回につき六日間、それから三年目ごとに許されるにすぎない。】

というものらしい。
しかし、側室になればいつ「ご指名」が入るかもわからないので休暇はない。

宿下がりができないのはお手付きではない高級女中も同じだけど、
代参などで外出の機会もある彼女らに対し、側室にはそういうこともない。
将軍が死んだら落飾して御用屋敷などで余生を送り、
病気になっても実家に戻ることはできず、死んだら桜田の御用屋敷で葬儀が行われ、
死んでも実家には帰れない。

側室といえば聞こえはいいけど、子を産まなければ
現代人の感覚では不自由な生活を強いられることになる。
まあ、経済的な面では何の心配もないんだけどね。

それと、側室といえば御台所との確執をネタにするフィクションがあるけど、
身分の差がきっちり明確に分けられていたので、実はそういうバトルはないんだそうな。
ただし、本人同士のバトルはなくても、女中同士の間で張り合うというようなことは
あったらしい。

おかしなことに、大奥では将軍のお手がついた御中臈を「汚れた方」と呼び、
お手がつかない御中臈を「お清(きよ)の方」と呼んでいたという。
女がうじゃうじゃいる特殊な世界の大奥が「女の修羅場」みたいな感じに仕立てられて
面白おかしく語られるのも、こういう様々な変わったエピソードが元になっているのだろう。

まあ、もちろんそういうドロドロした話も実際にはあったんでしょうけどね。
でもホントかどうかわからないような刺激的な話を持ち出さなくても、
充分大奥は面白いとわたくしは思うので、本シリーズではそういうスキャンダル的な話題は
すっぱりカットしました。


さてと、それでは久々に現地に戻りますか。
「(14)」 以来だから、20話近くあれこれ歴バナ書いたことになるな
できれば今月中ぐらいに本シリーズを終わらせたいな。

「(14)」では大奥の裏手を登って現在の宮内庁書陵部があるところで
動画が終わってますが、これが書陵部の建物↓。


東山御物展・江戸城・書陵部(大奥跡)-2


ここでは平成26年に刊行されて話題となった『昭和天皇実録』ができるらしく
(注:訪問した平成26年10月時点の話で、3ヶ月ほどの期間限定イベントだったらしい)、
50分を1回として1日を7回に分け、火曜日~木曜日は各回定員12名、
土日・休日は各回定員18名で開放しているとある。

『昭和天皇実録』はフツーに本として出版されてるし、
1冊あたりのお値段はそう高くないから
わざわざここで閲覧しなくてもいいだろうと思うものの、書陵部前の看板を見ると


東山御物展・江戸城・昭和天皇実録


ここでは和綴じ本が閲覧できるらしい。
宮内庁のホームページを見ると、写本が閲覧できるとあるから、
天皇陛下に献上した本の写しってことかもしれないな。

書陵部の奥はかつて大奥の長局の並んでいた場所。

奥配置


これは以前にも使った大奥の簡単な配置図で、長局は一棟しか描きませんでしたが、
右側に二の局、三の局、四の局まで順に並べていくと、御台ちゃまのお部屋の辺りの右側に
長局と囲まれた空間がぽっかり出来上がるでしょう?
そこが天守のあった場所で、現在では天守台しか残ってませんが、
時代をさかのぼって太田道灌さんの時代には書陵部から天守台にかけての場所に
道灌さんが城を築いたと言われてます。

本丸~三の丸を含む皇居東御苑では、当然本丸域が最も高台にある訳だけど、
本丸域でも微妙な高低差があり、北の方・・・
すなわち、大奥や天守台のある付近の標高がもっとも高い。
ので、道灌さんは一番の高台に城を築いたということになります。



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最終更新日  2016年04月18日 22時40分27秒


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