“しょう”のブログ

“しょう”のブログ

PR

×

Profile

shchan_3

shchan_3

Comments

渡辺敦司@ Re[1]:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) たびたび恐縮です。 「問い返す力」、本当…
shchan_3 @ Re:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) >5ページでお示しのようなクロスカリキ…
渡辺敦司@ Re[2]:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) しょうさん、ご丁寧な返信ありがとうござ…
shchan_3 @ Re[1]:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) 渡辺敦司さんへ >いつもお世話になりま…
渡辺敦司@ Re:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) いつもお世話になります。早速2件とも賛…

Calendar

2009.10.24
XML
番組 (『セーフティネットクライシス しのびよる貧困 子どもを救えるか』) の紹介を続けます。 

神野直彦(関西学院教授)

本ほど教育に(公的な)お金を使っていない国は(OECD諸国では)ない。 そもそも ヨーロッパでは教育費(授業料)がただの国が多い。 家族支援=〔 教育費支援〕 (グラフ赤の部分) などヨーロッパの半分以下 といっていい。

image001.png

 グラフを見ればわかるように、 フィンランドは公費による教育支出・家族支援が大きい。 大学まで学費無料、しかも2000年はPISAの学力テストで世界一。

司会者

 フィンランドではなぜ、教育に多額の支出をしていくという国民的合意が成立したのか。

VTR

 フィンランドでは、 子育ては親だけの責任ではなく社会全体の責任であるとみなされている。

 ユーリアちゃんの家はお母さんと二人の母子家庭。しかし、学び育っていく上で経済的な不安はない。

image004.jpg

フィンランドでは義務教育にお金がかからない。 子どもに平等な教育を保障する義務は親ではなく政府にあると考えられている。 ノートや鉛筆をはじめ、学習に必要なものはすべて教室にそろっている。

 一クラスの生徒は20人前後。 担任以外に大学院の専門課程で学んだ学習支援教員が授業に参加。 学習支援教員はその教科が苦手な生徒をとなりの教室で教える。 この国に学習塾はない。子どもに授業の内容を理解させるのは学校の責任。

家庭の状況によって子どもたちの未来が閉ざされてしまうことはない。

 フィンランド国家の手厚い社会保障政策によって、生活に困ることはないのだ。

image006.jpg

家庭環境に関わらず、すべての子どもに平等な機会を保障するフィンランド。 その背景には 高い税金や社会保険料を出し合いセーフティーネットを支えようという国民の合意がある。 企業の社会保険料負担 日本の2倍 消費税 基本税率 22%

 しかしながら、子どもたちに平等な成長の機会を保障する フィンランドの原則が、かつて大きな試練にさらされたことがある。 90年代初め、金融危機をきっかけに発生した未曾有の大不況に直面した時期である。

 最大の貿易相手国であった ソ連の崩壊も背景に失業率18% 。不況は教育環境も脅かした。 親が失業し、家庭が経済的に困窮する中、家庭内暴力や薬物依存などの問題が噴出したのだ。

 不況で税収が落ち込んだ 政府はあらゆる予算の削減を迫られたが、 教育も例外ではなかった。

 しかし、この時、 教育大臣に任命された29歳のオリペッカ・ヘイノネンは予算削減に逆行する大胆な政策(高校生への支援策)を打ち出した。 当事、すでにフィンランドは 高校の授業料は無料だったが、不況で親の収入が減少し、生活費さえもまかなえない状況の中、学び続けることが難しくなっていたのである。

 教育大臣の計画した新たな支援策は、 月額2万8千円の就学支援金、2万1千円の住宅補助、低利学生ローン。

image008.jpg

 あらゆる予算を削減した財務省。上記の案には危機感を抱いた。

 それに対し、ヘイノネン教育大臣は、 子どもが学ぶ機会を奪われ仕事にもつけない場合に国が将来負担することになるコストの試算 を財務省に提出。

仕事につけない場合

 国の負担 96万円(年間一人当たり) 生涯で2230万円

仕事についた場合

 税  収  76万円(年間一人当たり) 生涯で1770万円

経済界からの要請

 衰退した造船業などに代わる新しい産業(ITなどの分野で)将来を担う人材を育成してほしいと政府に求めた。

財務省は議論の末、ヘイノネン教育大臣の主張に歩みよった。

教育大臣

「平等と経済の活力は相反するものではなく、教育機会の平等があってこそ活力ある社会が生まれる。」

 「教育の主な目的は、 若者が社会から脱落していくのを防ぐことであり、一人ひとりが社会に参加しその可能性が最大限発揮できるようにしていくことだ

平等な機会を保障するための努力は、この国では子どもが生まれる前から始められている。 出産を控えた家庭には政府から「赤ちゃんパック」という贈り物(子育てに必要な基本的なもの)が届けられる。

この贈り物には、子どもが育つ環境を誕生の瞬間から平等に保障するという社会からのメッセージが込められている。

〔コメント〕

 フィンランドといえば、高福祉・高負担の国として特別視してしまいがちですが、ここから何を汲み取るべきでしょうか。

 大変な経済危機の中で、 教育支援に巨額の予算をつぎ込んでいった 「フィンランドの決断」、「根本的な発想」 にこそ多くを学ぶべきではないか、と考えるのです。

続き

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ 人気ブログランキングへ
      ↑      ↑
よろしければクリックして投票・応援いただけますか

 教育問題に関する特集も含めて HPしょうのページ ​に
(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.03.30 19:05:51
コメント(10) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
モニママ さん
なぜ、いつからフィンランドはこういう考え方が定着したんでしょうね。よく知らないのでとやかく言えませんが、心意気がうらやましくなりますね。
先日学歴社会についてブログ中で愚痴ってしまったばかりなので、シミジミ…。 (2009.10.25 07:58:56)

Re[1]:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
shchan_3  さん
モニママさん
>なぜ、いつからフィンランドはこういう考え方が定着したんでしょうね…

 北欧諸国は社会保障の充実、教育の機会均等の保障など、共通点が多いですね。その背景としては、第一次世界大戦後に社会民主労働党が政権を担当し、福祉社会の建設を進めていったスウェーデンの影響が大きいと思われます。

 大学も含む「教育の機会均等」を実質的に保障していく取り組みはほぼ同時期のスウェーデンでも行われていました。

http://sky.geocities.jp/shchan_3/suwedenndaigaku.htm

 確かに、個人がその必要を感じた時にいつでも学べる社会、「(経済格差を背景とする)学歴によって差別されない社会、」といえそうですね。

 北欧を一つの鏡としながら日本の現状(ゆがみ等)を自覚し、よって立つべき発想や進むべき方向性を考えていくことが大切だと思います。 (2009.10.25 14:39:01)

Re:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
いつも、ありがとうございます。

短期的な思考しかできない日本と、長期的な思考ができるフィンランドの違いでしょうか。
最後は、そこに行き着くように思います。 (2009.10.26 04:21:28)

Re:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
green scarf girl さん
立ち寄らせて頂きました。
やっぱりいつ来ても、本当に参考になることばかりです。
勉強して、そしてワンクリックして戻ります。 (2009.10.26 14:25:43)

Re:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
goldberg2006  さん
日本の母子家庭で、32万円の収入があるお母さんは少ないと思いますが、

それも含め「労働者使い捨て」しながら、絞るだけ絞れ・・の発想が貧困なのが日本ですね。

70年代の日本でも、国立大学3万6千円/年。
健保本人の医療費は十割給付でした。

おおきく考えることでなく、ちょっと前向きに考えるだけで、物事は進むんでしょうけれど。
(2009.10.26 19:55:05)

Re[1]:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
shchan_3  さん
けんとまん1007さん

ご訪問、コメントありがとうございました。

>短期的な思考しかできない日本と、長期的な思考ができるフィンランドの違いでしょうか。

 NHKスペシャル『ワーキングプア』を見た時、このままでは社会全体が衰弱して「持続可能性を失う」と強く感じました。

 『ワーキングプア3』では海外の取り組みとしてイギリスなどの取り組みが紹介されていましたが、このたびがフィンランドです。

 短期的な思考の弊害は明らかになっているわけですから、長期的な視点で取り組みを進めて「成功した国・事例」に学びつつ社会的・政治的な取り組みを進めていくことが大切でしょう。 (2009.10.26 19:58:54)

Re[1]:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
shchan_3  さん
green scarf girlさん
>立ち寄らせて頂きました。

 ありがとうございます。

>やっぱりいつ来ても、本当に参考になることばかりです。

 今回はVTRと討論の番組でしたが、類似のテーマで作成されたNHKのドキュメントは大変参考になります。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/workingpoor5.html

 よろしければ、そちらもごらんください。 (2009.10.26 20:10:49)

Re[1]:しのびよる貧困 子どもを救えるか 3(10/24)  
shchan_3  さん
goldberg2006さん

 ご訪問、コメントありがとうございます。

>それも含め「労働者使い捨て」しながら、絞るだけ絞れ・・の発想が貧困なのが日本ですね。

 結局、貧困な発想しか生み出さないのが資本主義の弊害に対して無批判な「市場原理主義」なのでしょうね。

 green scarf girlさんにもご紹介した『ワーキングプア3』では「市場原理主義」が行き着くところまで行ったかに見える韓国の例(非正規労働者が55%)が挙げられていました。  

>70年代の日本でも、国立大学3万6千円/年。
>健保本人の医療費は十割給付でした。

>おおきく考えることでなく、ちょっと前向きに考えるだけで、物事は進むんでしょうけれど。

 そうだと思います。この間の政策があまりにひどすぎたので「前向き」の方向性については比較的容易に合意形成できそうですね。 (2009.10.26 20:37:23)

ワーキングプア  
いちろう さん
ワーキングプアを本人の責任ととらえる社会や教育をすすめる勢力が幅をきかせている政治を改めてほしいのですが、今の教育界に自浄力がありますか?
不安です。 (2009.10.31 23:53:57)

Re:ワーキングプア(10/24)  
shchan_3  さん
いちろうさん

>ワーキングプアを本人の責任ととらえる社会や教育をすすめる勢力が幅をきかせている政治を改めてほしいのですが、今の教育界に自浄力がありますか?
>不安です。

 これまた痛いところを突いてこられますね。
 確かに「進学校」では受験教育が幅をきかせ、そうでなくても大部分の高校において「留年や退学は自己責任だ」といった論が幅をきかせやすい、という現場の弱さに目を向けていく必要があると思います。

 そのような発想で教育を受けた子どもたちは「貧困は自己責任だ」という考えに陥りやすいでしょう。

 しかしながら他方で競争主義に巻き込まれない実践、例えば特別活動をきちんと位置づけて「本当の教育」を目指していく実践が模索・展開されてきたことも事実です。
http://plaza.rakuten.co.jp/shchan3/diary/200903010000/

 近年では現代社会の授業や特別活動の中で行う「反貧困の実践」も注目されています。
http://plaza.rakuten.co.jp/shchan3/diary/200909220000/

 加えて近年研修や実践が進んでいる「特別支援教育」を適切に進めていくことで市場原理主義的な競争主義や「貧困自己責任論」を乗り越えていく別の発想を広げていくことも可能だ(少なくとも追求していくべきだ)と考えています。 (2009.11.01 18:33:53)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: