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「夜回り先生」で有名な水谷修は『あおぞらの星』の中で、子どもたちに向かって次のように呼びかけています。
「こどもたち、初めて訪ねた真っ暗な部屋で、小さな懐中電灯を使って、どこかを照らしてごらん。もし、懐中電灯の照らす狭い視野のなかにナイフを見つけたら、ここは怖い殺人鬼のいる場所だと考えますか。でも、懐中電灯を横に向けていろいろな場所を見たら冷蔵庫や流し台が見え(・・・)台所だとわかるかもしれません。(・・・)」
「私たち人間は、子どもから大人へと成長していくなかで、日々生きていくなかで、多くの経験をします。そして、 見方や考え方を広げていきます。懐中電灯でいうなら、その照らす範囲を広げていきます
。そして、いろいろなものの見方や考え方できるようになります。」
そのこと(見方、考え方を広げていくこと)に対する期待もこめて、子どもたちに送る「心をこめた授業」が『あおぞらの星』(水谷修著)だったのです。
さて、仮に上記引用部分と結びつけて中内敏夫の学力観(概略)をまとめるとすれば、次のようになります。
(1)「自分の見方や考え方を広げ、深めていくという意味での認識の力」、および、
(2)「ヒトやモノゴト(社会や世界)に向かい、適切に対処したり働きかけていく実践的な力」。
戦後の「学力論争」でも議論されてきましたが、この(1)と(2)が全く切り離されたものであってはならず、結びついていかなければならないことを中内は強調します。 (1)でいう認識が、「身についた知識」、「その人のものになった方法」といった「行動に結びつくレベル」になることが大切であり
、 その段階に到達した学びのことを「習熟」という言葉で彼は表現するのです
。
さて、それでは「読み、書き、算」などの 基礎学力
(言語能力、数学的能力、及び自然科学的、社会科学的な基礎学力)はどのように位置づけられるのでしょうか。
( 1)、(2)の力を支えていく「基礎体力」のようなもの(必要に応じて取り出し活用していく「道具」、「基礎知識」、あるいは「思考の枠組み」)
ということになると思われます。
そして、上記(1)、(2)が分かちがたく結びついて 「総合的な力」が獲得できるような教育
が求められていると言えるでしょう。このような「総合的な力」はどのように表現できるでしょうか。
ここで、教育基本法の条文と結びつけて述べるならば 、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」(1947教育基本法の表現では「平和的な国家及び社会の形成者」)としての力
ということになりますが、この力には「実践的な姿勢」が当然含まれます。
〔ところで、条文の「平和で民主的な国家及び社会」とは、 単に「戦争状態でない社会」という意味ではなく、「生存権も含む人権」が保障される民主的な社会
である、ということも確認しておきたいと思います。現在いくら強調してもしすぎることはない点だと考えるのです。〕
さて、上記述べたように 「平和的な国家及び社会の形成者」としての力には「実践的な姿勢」が含まれるということは自明
ですね。例えば「実践的応用力も一定評価できる良くできたペーパーテスト」で高得点がとれる国家公務員が少なくないとしても、 「人権感覚」や「平和で民主的な社会を形成する意思」を全く持たない公務員が多数だという現実が仮にあれば、とんでもないことでしょう
。
去年の3月に起こった原発事故に関して、その (原発建設)推進のための政策実務を積極的に行っていた省庁・官僚が全く責任をとらず、「再稼動だけは急ごうと画策・奔走する姿」に大きな疑問を感じた人
は少なくないのでは?
そのような現状も含めて(行政の問題点等を)批判することはもちろん大切なことです。
しかし、上記の(1)、(2)の力、そして、「平和で民主的な国家及び社会の形成者」としての力を(もちろん進学校も含めて)生徒たちが獲得できるような教育を創っていくことは、それ以上に大切なことではないでしょうか。
例えば糸賀一雄(「ラストメッセージ、 思想と生涯
」)はもと滋賀県の公務員です。彼についてどう思われますか・・・。
さすがに糸賀一雄にはなれないとしても、そのような力と姿勢を持った個人が育っていくような教育はどのように創っていけるのでしょうか。
具体的な実践紹介も含め、何とかまとめたいと考えています。(遅筆で申し訳ありませんが・・・)
教育問題に関する特集も含めて
HPしょうのページ
に
(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)
(開店休業中だったアメーバブログ〔= 「しょう」のブログ(2) 〕を復活させました。⇒ 無着成恭の生活綴方教育と「学力」 など)
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